イイノアケミ

フリーランスのグラフィックデザイナー、クリエイター。 アート、音楽、読書、エンタメもろ…

イイノアケミ

フリーランスのグラフィックデザイナー、クリエイター。 アート、音楽、読書、エンタメもろもろ、旅、コミュニケーション、多様性etc. 都内の一軒家の大家もしています。 「こんな気持ちわかるな〜」というようなこと、すくっていきたいです。

記事一覧

【映画感想】君の名は。

当初、あまりのブームに遠巻きにしか認知していなかった作品ですが、 あらためて観てみると、いろいろ感じる所のある映画でした。 * まずは、運命で結ばれた〈魂の片割…

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【展覧会】ピーター・ドイグ 東京国立近代美術館

前回の鴻池朋子さん作品展の記事の際、 空間と各作品(インスタレーション、絵画、オブジェ、映像等)の リンク感をより強く感じる、言わば、空間まるまるがひとつの作品…

5

【展覧会】鴻池朋子『ちゅうがえり』アーティゾン美術館

新型コロナウィルスの影響でなんだかんだと、 8ヶ月以上も美術館から遠ざかっていましたが、 久々に行ったのが、この作品展でした。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー…

6

有料ライブ配信、今度は演劇 vol.2

前回に続き、演劇のライブ配信についてです。 それぞれ、観せ方からして対照的なアプローチで、 同じ日に観ることができたのは、とても貴重でした。 今回の1本がこちら。…

10

有料ライブ配信、今度は演劇 vol.1

前回は音楽のライブ配信について書きましたが、 最近、演劇のライブ配信を同日に2本観る機会がありました。 配信として、それぞれ対照的なアプローチで、 とても興味深か…

8

【音楽】有料配信ライブ、初めて参加してみた

そろそろライブ行きたい〜とは思うものの、 新型コロナウィルスが、一気に終息するとも思えない中、 当面は有料の配信ライブ、増えていくんでしょうね。 でもまあ、そこか…

2

『野ブタ。』の修二と彰は、やっぱり2人で1つ?

新型コロナウィルスの影響で、再放送されたドラマのひとつが、 『野ブタ。をプロデュース』。 今回、初めて1話から最終回まで観たのですが、 タイトルから、当然「野ブタ…

1

【映画】監督デヴィッド・リンチと『イレイザーヘッド』

映画監督で芸術家である、デヴィッド・リンチの、 youtubeチャンネルを発見し、すぐさま登録しました。 映像作品などアップしていますが、 L.A.の「今の天気」をお伝えして…

5

【展覧会】アートチーム目[mé]、 半年経ったしネタバレ感想

コロナ禍、美術館に行けないのがツラかった〜 最後に行ったのは昨年の12月、 千葉市美術館で開催された、アートチーム 目[mé]の 『非常に はっきりとわからない』展で…

8

ブログが書けない理由

前回から間があいてしまいましたが、 その理由はハッキリしていて、 「どうしてもっとスラスラ書けないの〜」 というものです汗 これを書こうと決めた内容を、まとめるの…

2

【読書感想】ロックで「独立」する方法って?

あの、「ザ・キング・オブ・ロック」 忌野清志郎の本のタイトルが、 「ロックで成功する方法」でなく、 「ロックで独立する方法」ですよ? それってどんな意図なのか? …

6

美術館で図書館、理想の施設すぎる

コロナ禍の自粛期間で、辛かったことのひとつは、 美術館と図書館に行けなかったこと。 アート鑑賞や読書、それ以前に、 その空間自体がすばらしくて、そこに居るだけで気…

11

【読書感想】ブックカバーチャレンジ、どうでしたか?

ブックカバーチャレンジ、 私にもバトンがまわってきました。 誰がどう始めたのか、よく分からないし、 賛否もあるにはあるようですが、 大まかにこんなルール。 ーーーー…

12

【アート】田中功起『誰かのガラクタも、誰かにとっては宝物』

田中功起というアーティストの映像作品で、 『Someone's junk is someone else's treasure.』 (誰かのガラクタでも、他の誰かにとっては宝物) というものがあります。 …

8

無自覚、無意識、積もり積もった心の癖

コロナの件がきっかけで、 誰かとの価値観のズレや、感覚の距離感が、 浮き彫りになったというケース、聞きますね。 しかし日頃、社会人として一般的な感覚があれば、 人…

2

ゆるい緊急事態宣言と「サルトルの自由」

緊急事態宣言が延長されることが決まりました。 まあ、多分みんな「そうだろうな~」と思ってそうですが。 この、外国に比べてゆるい緊急事態宣言と、 ここ数ヶ月の流れを…

4
【映画感想】君の名は。

【映画感想】君の名は。

当初、あまりのブームに遠巻きにしか認知していなかった作品ですが、
あらためて観てみると、いろいろ感じる所のある映画でした。



まずは、運命で結ばれた〈魂の片割〉に出会うストーリー。
女の子と男の子が「入れ替わり」をきっかけに出会い、
やがて村人を救うための同志愛的な、運命共同体のような存在に発展する。

一方で、「彗星接近」というストーリー。
こちらの方は途中まで、奥にある舞台装置みたいな存

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【展覧会】ピーター・ドイグ 東京国立近代美術館

【展覧会】ピーター・ドイグ 東京国立近代美術館

前回の鴻池朋子さん作品展の記事の際、

空間と各作品(インスタレーション、絵画、オブジェ、映像等)の
リンク感をより強く感じる、言わば、空間まるまるがひとつの作品。

という表現をしましたが、
ピーター・ドイグ展では、絵画作品のみが展示され、
『ロマンティックかつミステリアスな風景を描く』
『画家の中の画家』
と、紹介文でも「画家であること」を謳っています。

多角的な作品で構成された展覧会が大好

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【展覧会】鴻池朋子『ちゅうがえり』アーティゾン美術館

【展覧会】鴻池朋子『ちゅうがえり』アーティゾン美術館

新型コロナウィルスの影響でなんだかんだと、
8ヶ月以上も美術館から遠ざかっていましたが、
久々に行ったのが、この作品展でした。

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ジャム・セッション 石橋財団コレクション×鴻池朋子
「鴻池朋子 ちゅうがえり」
アーティゾン美術館
2020年10月25日[日] まで  10:00 - 18:00
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有料ライブ配信、今度は演劇 vol.2

有料ライブ配信、今度は演劇 vol.2

前回に続き、演劇のライブ配信についてです。

それぞれ、観せ方からして対照的なアプローチで、
同じ日に観ることができたのは、とても貴重でした。

今回の1本がこちら。
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シアターコクーン・ライブ配信『プレイタイム』

原作:岸田國士「恋愛恐怖病」ほか
構成・演出:梅田哲也
演出・美術:杉原邦生

出演:森山未來、黒木華、北尾亘
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有料ライブ配信、今度は演劇 vol.1

有料ライブ配信、今度は演劇 vol.1

前回は音楽のライブ配信について書きましたが、
最近、演劇のライブ配信を同日に2本観る機会がありました。

配信として、それぞれ対照的なアプローチで、
とても興味深かったので、これについて書きたいと思います。

まずは、そのうちの1本がこちら。
(もう1本は、また次に)
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CUBE produce
PRE AFTER CORONA SHOW p

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【音楽】有料配信ライブ、初めて参加してみた

【音楽】有料配信ライブ、初めて参加してみた

そろそろライブ行きたい〜とは思うものの、
新型コロナウィルスが、一気に終息するとも思えない中、
当面は有料の配信ライブ、増えていくんでしょうね。

でもまあ、そこから創意工夫も出てくるだろうし、
VRとの合体とかコンテンツも進化して、なんだかんだ定着しそう。

やがては、「ナマ」「現地体験」という状態が、
最上級に「贅沢」なコンテンツになってしまう、
なんてこともあるかもしれません。

(ワクチン

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『野ブタ。』の修二と彰は、やっぱり2人で1つ?

『野ブタ。』の修二と彰は、やっぱり2人で1つ?

新型コロナウィルスの影響で、再放送されたドラマのひとつが、
『野ブタ。をプロデュース』。

今回、初めて1話から最終回まで観たのですが、
タイトルから、当然「野ブタこと信子」が成長する話と思いきや、
(それももちろんですが)
もう1人の主人公、「修二」の成長物語でもあったんですね。



修二という人物は、根は決して悪い子ではないけど、
器用で要領よく、頭の回転はいいけど計算高いイメージ。
他人

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【映画】監督デヴィッド・リンチと『イレイザーヘッド』

【映画】監督デヴィッド・リンチと『イレイザーヘッド』

映画監督で芸術家である、デヴィッド・リンチの、
youtubeチャンネルを発見し、すぐさま登録しました。
映像作品などアップしていますが、
L.A.の「今の天気」をお伝えしてくれる数10秒の動画とかもあって…

たまらんな〜この人。



実は常々、リンチ氏のことを、
失礼ながら勝手に以下のようなに思っていました。

「あーこの人、表現者になってくれてよかった。
じゃなきゃ、他者もしくは自身に、

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【展覧会】アートチーム目[mé]、
半年経ったしネタバレ感想

【展覧会】アートチーム目[mé]、 半年経ったしネタバレ感想

コロナ禍、美術館に行けないのがツラかった〜
最後に行ったのは昨年の12月、
千葉市美術館で開催された、アートチーム 目[mé]の
『非常に はっきりとわからない』展でした。

とてもおもしろい展覧会で、かつ、
「ネタバレ」要素なども、いろいろ話題になりました。

しかし、みんな空気読んで「ネタバレ」はあまりなかった模様。
改めて「ネタバレ」検索してみたら、その内容や捉え方など興味深い。
半年も経っ

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ブログが書けない理由

ブログが書けない理由

前回から間があいてしまいましたが、
その理由はハッキリしていて、

「どうしてもっとスラスラ書けないの〜」
というものです汗

これを書こうと決めた内容を、まとめるのも、
推敲や添削するのも、1〜2日では済まない、時間かかりすぎ。
こうなったら、
「なぜ、書くのにこうも時間がかかるのか」
について、書いてみます。



ブログを書く前提として、やはり、
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
●漫然

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【読書感想】ロックで「独立」する方法って?

【読書感想】ロックで「独立」する方法って?

あの、「ザ・キング・オブ・ロック」
忌野清志郎の本のタイトルが、
「ロックで成功する方法」でなく、
「ロックで独立する方法」ですよ?

それってどんな意図なのか?

つまりは、
出来るだけすべての行程で、
自分の責任において、納得できる決定をする。
そうして思う通りに音楽をやることが、
清志郎にとって、一般にいう「成功」よりも重要。
「成功」から、更なるものを求めての「独立」。

金銭や名誉といっ

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美術館で図書館、理想の施設すぎる

美術館で図書館、理想の施設すぎる

コロナ禍の自粛期間で、辛かったことのひとつは、
美術館と図書館に行けなかったこと。

アート鑑賞や読書、それ以前に、
その空間自体がすばらしくて、そこに居るだけで気持ちが満たされる。
いつでも、気が向いたらブラッと行ける。
それを封じられると、こんなに心って削られるもんなのか~と。
私にとっては、想像以上でした。

そんな気分の中、
「太田市美術館・図書館」の存在を思い出しました。

美術館と図書

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【読書感想】ブックカバーチャレンジ、どうでしたか?

【読書感想】ブックカバーチャレンジ、どうでしたか?

ブックカバーチャレンジ、
私にもバトンがまわってきました。

誰がどう始めたのか、よく分からないし、
賛否もあるにはあるようですが、
大まかにこんなルール。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ブックカバーチャレンジとは、
読書文化の普及に貢献するため、
好きな本の表紙を7回(7日間)アップ。
そのたびに1名を指名してお招きする。
本の説明はなくてよい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

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【アート】田中功起『誰かのガラクタも、誰かにとっては宝物』

【アート】田中功起『誰かのガラクタも、誰かにとっては宝物』

田中功起というアーティストの映像作品で、
『Someone's junk is someone else's treasure.』
(誰かのガラクタでも、他の誰かにとっては宝物)
というものがあります。

その内容は、
アメリカのとあるフリーマーケットにて、
どこにでも落ちているヤシの葉を売り、
そこにやって来た人たちの反応や、やり取りを記録したもの。

この、一見ありきたりで、微妙にありきたりで

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無自覚、無意識、積もり積もった心の癖

無自覚、無意識、積もり積もった心の癖

コロナの件がきっかけで、
誰かとの価値観のズレや、感覚の距離感が、
浮き彫りになったというケース、聞きますね。

しかし日頃、社会人として一般的な感覚があれば、
人に対して明らかに失礼なこと、嫌がられることを、
自覚的にすることは、そんなにはないと思います。

なので、
無自覚、無意識、積もり積もった心の癖、
そういうものが分かれ目。

日々の行動の中、ジワジワ伝わる違和感や不信感、
これはなかな

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ゆるい緊急事態宣言と「サルトルの自由」

ゆるい緊急事態宣言と「サルトルの自由」

緊急事態宣言が延長されることが決まりました。
まあ、多分みんな「そうだろうな~」と思ってそうですが。

この、外国に比べてゆるい緊急事態宣言と、
ここ数ヶ月の流れを見ていて、
唐突ですが、15歳頃に授業で出た
「サルトルの自由」について思い出しました。

前後に諸々流れはありますが、
授業での話をザクっと抜粋すると、以下のような内容。

「自由であることは責任を伴う」

自身の自由意志で選択し、

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