あべたかふみ

なんか色々やってますわ。 ジュークボックスのようなnoteにしたいであります。 ht…

あべたかふみ

なんか色々やってますわ。 ジュークボックスのようなnoteにしたいであります。 https://twitter.com/dirtyrockhero

マガジン

  • 木曜日の恋人

    SKYWAVE FMで毎週木曜日23時から放送の「東別府夢のDream Night」にて朗読されましたおはなしたちです。読み切りですのでお好きな所からどうぞ。

  • 音楽

    音楽の寄せ集めでございます。

  • 短編映画

    2009年〜 自主制作した短編映画でございます。

  • アルバム『素晴らしい世界』

    2018年10月頃から作り始めて2019年の2月に完成したアルバムです。宅録です。収録曲順にまとめてみました。シェゲナベイベー。

記事一覧

世話がヤケるぜ

過日、自宅本棚の整理をしていた所、背表紙が日焼けしていることに気がついた。 それはまあ当然のことである。 南にある窓に対し、本棚は北にあり、日中カーテンを開けてお…

あべたかふみ
3週間前
8

ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊿ 『楽しいショーがはじまるよ』

「舞台の脚本を書いてみないかね」と友人に誘われたのが二年前。  それはちょうど僕が脚本を担当していた深夜ドラマが打ち切りとなった秋の頃。『公然のアッコちゃん』と…

あべたかふみ
1か月前
8

ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊾ 『日本バンガル通信』

 近頃、若者たちの間でバンガルが再び脚光を浴びている。  これは大変驚くべきことである。バンガルは日本において忘れられた存在となって久しい。  私のようにバンガ…

あべたかふみ
2か月前
19

ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊽ 『橋の上の物語』

 私がかつて住んでいた所は、大きな橋がある小さな町だった。  人々は毎朝、徒歩や車でその橋を渡り、職場や学校へ向かった。  橋は一級河川の上にかかり、全長は五百…

あべたかふみ
3か月前
24

ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊼ 『きつね色に染まった日』

「かん、かん」となにかが屋根を打つ音で私は目覚めた。時計を見ると午前八時四十二分であった。年末の激務から昨夜ようやく解放されて、今日はなにがあっても昼までは寝て…

あべたかふみ
4か月前
21

落ち着け、こういう時はランジェリーを見て落ち着くんだ

 長いエスカレーターにて、私は左側に立っていた。 エスカレーター会社が、エスカレーターでは立ち止まり歩くのはやめてくんろ、と再三に渡り利用者に呼びかけておるが、…

あべたかふみ
5か月前
20

俺はどうすりゃよかったんだ

十月の朔日のことであるがサザンオールスターズが行った茅ヶ崎ライブの映画館に於けるライブビューイングに行ってきた。 コンサートなどというのは現地で鑑賞するのが一等…

あべたかふみ
6か月前
29

ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊻ 『神宮でナイター』

一回の裏  ずっと野球が嫌いだった。  子供の頃、テレビで読売巨人軍の試合中継があると父親が必ず視聴し、他のチャンネルにすることを許さなかった。僕には野球の面白…

あべたかふみ
7か月前
35

ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊺ 『ハウオリ・オラ』(後編)

 ハワイにやってきて三日後。わたしは三十歳になった。  誕生日の早朝、まだ薄暗い時間に目覚めてしまったわたしは、一人で歩いてワイキキビーチに向かった。ダイヤモン…

あべたかふみ
7か月前
42

私立べーあん高校 校歌

夏の甲子園を見ていたら、自分でも校歌が作ってみたくなり、 『私立べーあん高校(男子校)』の校歌を制作いたしました。 歌・演奏:阿部 敬史 アナウンサー:min

あべたかふみ
7か月前
35

ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊹ 『ハウオリ・オラ』(前編)

 丁寧にサーブされた機内食を、わたしは感動と共に眺めた。  隣に座っていたエッちゃんは、そんなわたしの様子を見て言った。 「え、メーメー初機内食?」 「そうだよ…

あべたかふみ
8か月前
44

ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊸ 『溶けたアイスクリーム』

 八月のある日曜日。午後二時十六分。外気温36℃。  閉めたカーテンの隙間から差し込む光。ベッド脇の壁に葉影を映す。  エアコンの室外機が顫動し、建て付けの悪いベ…

あべたかふみ
8か月前
33

ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊷ 『愛しい人よ、笑っておくれ』

 恐ろしい疫病が流行してしまった。  そのウイルスに罹患してしまうと、高熱が出て、激しい倦怠感に襲われ、咳が止まらず肺に炎症をおこしてしまう恐れがあった。重症化…

あべたかふみ
8か月前
29

ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊶ 『コミュニケイション・ブレイクダウン』

 悪夢を見ているような喧騒だった。  いつもは閑散とした路線の閑散とした時間帯の電車内であったが、ある駅で停車した時、夏祭りか花火大会の帰りだろうか、若者たちが…

あべたかふみ
8か月前
31

【カラオケ】ギラギラ☆Summer Days

00:00 | 00:00

さあ、君もれなりのぴーちゃんになりきって ギラギラ☆Summer Daysを歌ってみよう! この恋のBig Waveに君は上手く乗れるかな!? 歌付き:https://note.com/abetaka/n/nc

あべたかふみ
9か月前
21

ギラギラ☆Summer Days

00:00 | 00:00

作詞・作曲:あべたかふみ 編曲:あべたかふみ、髙橋太郎 吹き抜ける風に想いをのせて どうか届けと呟く でも不思議ね この浜辺に 二人だけしかいないような気分 打ち…

あべたかふみ
9か月前
32
世話がヤケるぜ

世話がヤケるぜ

過日、自宅本棚の整理をしていた所、背表紙が日焼けしていることに気がついた。
それはまあ当然のことである。
南にある窓に対し、本棚は北にあり、日中カーテンを開けておけば日差しは本棚に向かって差し込むのだ。
嫌だな、と思った。「あずましくないな」と自分の故郷である北海道弁で思った。

うちの本棚は手前と奥の二列に置けるもので、手前には特に好きな本を置いている。つまり一軍。
奥は一部は署名本とか、そうい

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ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊿ 『楽しいショーがはじまるよ』

ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊿ 『楽しいショーがはじまるよ』

「舞台の脚本を書いてみないかね」と友人に誘われたのが二年前。

 それはちょうど僕が脚本を担当していた深夜ドラマが打ち切りとなった秋の頃。『公然のアッコちゃん』というそのドラマは、ネットにより透明化された社会で会社員であるアキ子がプライバシーを失っていくという、デジタル世界における危機管理を題材としたブラックコメディ作品で、僕の意欲作だった。それが打ち切りとなり、当然自信喪失。ネット上では好意的な

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ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊾ 『日本バンガル通信』

ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊾ 『日本バンガル通信』

 近頃、若者たちの間でバンガルが再び脚光を浴びている。

 これは大変驚くべきことである。バンガルは日本において忘れられた存在となって久しい。

 私のようにバンガルの普及運動を行なっている者にとっては大変喜ばしいことである。

 約半年前のことだ。

 多くの若者たちに支持され、絶大な影響力を持つユーチューバーのチュー太氏が自身のチャンネルである「チュー太のチューチャンネル」内で「目指せ日本代表

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ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊽ 『橋の上の物語』

ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊽ 『橋の上の物語』

 私がかつて住んでいた所は、大きな橋がある小さな町だった。

 人々は毎朝、徒歩や車でその橋を渡り、職場や学校へ向かった。

 橋は一級河川の上にかかり、全長は五百メートルはあった。幅も広く、車が片側二車線走行することができる。歩道は約百メートルおきに外側に向かって半円形に膨らみ、そのスペースにベンチが設えられていた。橋のちょうど真ん中にコンクリート製の台座があり、鐘が吊るされていた。晴れた日は、

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ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊼ 『きつね色に染まった日』

ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊼ 『きつね色に染まった日』

「かん、かん」となにかが屋根を打つ音で私は目覚めた。時計を見ると午前八時四十二分であった。年末の激務から昨夜ようやく解放されて、今日はなにがあっても昼までは寝てやろうと思っていたのに、雨だかミゾレだか知らぬが、とんだ邪魔が入ったものだ。私は猛烈に腹を立てたが、なんとかもう一度眠りにつこうと目を閉じた。やがてその音は、「かんかんかんかん」と激しさを増し、「が————」っと凄まじい音に変わっていった。

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落ち着け、こういう時はランジェリーを見て落ち着くんだ

落ち着け、こういう時はランジェリーを見て落ち着くんだ

 長いエスカレーターにて、私は左側に立っていた。
エスカレーター会社が、エスカレーターでは立ち止まり歩くのはやめてくんろ、と再三に渡り利用者に呼びかけておるが、右側は歩くために空けておくというのが今や一つの常識となっている。
 私の右斜め前に、カップルなのか夫婦なのか男女二人組が、エスカレーター会社が推奨する正しい乗り方で立ち止まっていた。
 すると後ろからカツカツと靴音を鳴らし、中年の男が世間的

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俺はどうすりゃよかったんだ

俺はどうすりゃよかったんだ

十月の朔日のことであるがサザンオールスターズが行った茅ヶ崎ライブの映画館に於けるライブビューイングに行ってきた。
コンサートなどというのは現地で鑑賞するのが一等良いに決まっておるが、その次に良いのは大きなスクリーンと音響設備の整った劇場でのライブビューイングかもしれぬ。五年前、サザン40周年のコンサート「ちょっとエッチなラララのおじさん」も劇場でみてそう思ったので今回も行くことにした。

しかし今

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ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊻ 『神宮でナイター』

ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊻ 『神宮でナイター』

一回の裏

 ずっと野球が嫌いだった。

 子供の頃、テレビで読売巨人軍の試合中継があると父親が必ず視聴し、他のチャンネルにすることを許さなかった。僕には野球の面白さが少しも分からず、それがまず最初のきっかけだった。水曜日に放送していたドラゴンボールのアニメが、野球によって休止になることも嫌だった。それから、そうとは知らず入学した高校が何年かに一度、夏の甲子園に出場するような強豪校で、その学校の野

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ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊺ 『ハウオリ・オラ』(後編)

ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊺ 『ハウオリ・オラ』(後編)

 ハワイにやってきて三日後。わたしは三十歳になった。

 誕生日の早朝、まだ薄暗い時間に目覚めてしまったわたしは、一人で歩いてワイキキビーチに向かった。ダイヤモンドヘッドの頂から朝日が顔を出し、まるで太陽がわたしの誕生日を祝福してくれているみたいに、街を照らし出した。波は穏やかで、ココナッツの香りを含んだ風がわたしの頬をなでた。生まれ故郷から何千キロも離れた場所にいるのに、わたしは今まさに、故郷で

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私立べーあん高校 校歌

夏の甲子園を見ていたら、自分でも校歌が作ってみたくなり、
『私立べーあん高校(男子校)』の校歌を制作いたしました。

歌・演奏:阿部 敬史
アナウンサー:min

ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊹ 『ハウオリ・オラ』(前編)

ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊹ 『ハウオリ・オラ』(前編)

 丁寧にサーブされた機内食を、わたしは感動と共に眺めた。

 隣に座っていたエッちゃんは、そんなわたしの様子を見て言った。

「え、メーメー初機内食?」

「そうだよ。というか、飛行機だって修学旅行で沖縄に行った時しか乗ったことないし」

「そっか、海外がはじめてなんですもんね」

「うん。機内食って憧れだったんだよねー」

 わたしは何枚も写真を撮ってからようやく食べた。

 食べ終えた頃、機長

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ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊸ 『溶けたアイスクリーム』

ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊸ 『溶けたアイスクリーム』

 八月のある日曜日。午後二時十六分。外気温36℃。

 閉めたカーテンの隙間から差し込む光。ベッド脇の壁に葉影を映す。

 エアコンの室外機が顫動し、建て付けの悪いベランダの床板がガタガタと立てる音。窓の外を子供たちが何事か叫びながら走って行く音。金槌が木材を打ち付ける音。車の音。もっと耳をすますと、通りを二つ隔てた公園から大勢の蝉たちが歌うラブソングが聞こえてくるのが分かる。それから、ベッドが軋

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ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊷ 『愛しい人よ、笑っておくれ』

ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊷ 『愛しい人よ、笑っておくれ』

 恐ろしい疫病が流行してしまった。

 そのウイルスに罹患してしまうと、高熱が出て、激しい倦怠感に襲われ、咳が止まらず肺に炎症をおこしてしまう恐れがあった。重症化しなくとも、場合によっては嗅覚が失われ、それにより味覚が無くなるという症状もあった。でもそれは大分マシな方だった。命を落とすことの次に恐ろしいのは、いや、ある意味じゃそれより恐ろしいことは、その疫病にかかってしまった人から「笑い」が失われ

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ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊶ 『コミュニケイション・ブレイクダウン』

ショートストーリー劇場〜木曜日の恋人〜㊶ 『コミュニケイション・ブレイクダウン』

 悪夢を見ているような喧騒だった。

 いつもは閑散とした路線の閑散とした時間帯の電車内であったが、ある駅で停車した時、夏祭りか花火大会の帰りだろうか、若者たちがどっと乗り込んで来た。座席に座り文庫本を読んでいた私は、その若者たちの喧騒に読書を諦めて文庫本を鞄にしまった。目を閉じて心を無にしようと努めた。しかしながら、彼らの話す言葉が、容赦なく私の耳に飛び込んでくる。私の隣に座った女二人組の一人が

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さあ、君もれなりのぴーちゃんになりきって
ギラギラ☆Summer Daysを歌ってみよう!
この恋のBig Waveに君は上手く乗れるかな!?

歌付き:https://note.com/abetaka/n/nceafba2f669d


作詞・作曲:あべたかふみ
編曲:あべたかふみ、髙橋太郎


吹き抜ける風に想いをのせて
どうか届けと呟く
でも不思議ね この浜辺に
二人だけしかいないような気分

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ギラギラ☆Summer Days

れなりのぴーちゃん

00:00 | 00:00

作詞・作曲:あべたかふみ
編曲:あべたかふみ、髙橋太郎


吹き抜ける風に想いをのせて
どうか届けと呟く
でも不思議ね この浜辺に
二人だけしかいないような気分

打ち寄せる波が恋をくすぐる
逃したくはないのよ
ホント不思議ね こんなに早く
時が過ぎて行くの

日射しが 二人をはげしく照らして
目を細めたあなたにキッス
カモメだけが目撃者

ワクワクHoliday ギラギラ☆Summer Days

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