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【エッセイ】鉄鍋蒸し焼き〜赤かぶ〜[家庭料理](1130文字)

赤かぶを鉄鍋蒸し焼きにしました。

里の駅で、いつも楽しくお喋りする生産者さんの赤かぶは、これまで味噌汁にしてきましたが、どれもコクと旨味が豊かだったので、鉄鍋蒸し焼きにするのを楽しみにしていました。

かぶは、アブラナ科アブラナ属の越年草の根菜の一つで、アフガニスタン原産のアジア系と、中近東から地中海沿岸原産のヨーロッパ系があり、別名はカブラ・カブナ・カブラナ・スズナ(鈴菜・菘)・ホウサイ(豊菜)・ダイトウナ(大頭菜)等と多く、春の七草の一つ。

肥大化した根の部分・茎・葉を食用にします。

赤かぶは、根が大きなもので直径10cmを超える扁平な球形で、根の表皮が鮮やかな紅色、根を切った断面には白色に紅色のまだら模様が入り、茎が深紅色をしています。

今回使った赤かぶは、根が大きめで、生き生きした葉茎が付いていましたが、葉茎は全て、ぬか漬けの浅漬けにしました。

この赤かぶの葉茎のぬか漬けの浅漬けは、甘味と苦味の調和が素晴らしく、大変美味しいものでした。

さて、調理です。

鉄鍋の内側にオリーブオイルをたっぷり垂らして、葉付き部分を下にして1.5cm幅に切った、赤かぶを並べ、塩を振り、鉄鍋の蓋をしました。

鉄鍋を強火で熱してパチパチ音がしてきたら、弱火にして33分間、火にかけました。

鉄鍋から、上品で鋭い、赤かぶの焼ける匂いが漂ってきました。

火を止めて、5分間蒸らしてできあがり。

鉄鍋の蓋を開けたら、赤かぶは、オリーブオイルが行き渡り、しっとりつやつやしていて、とても美味しそう。

というわけで、盛り付け。

お味は。

とても美味しかったです!

コクと旨味たっぷりの赤かぶのこってりした味が、オリーブオイルや微かなかぶの香りとともに口の中に広がりました。

葉付き部分に近いところは硬めでしたが、ちょっとだけ歯応えのある皮の内側の根は、とても柔らかくて、噛むと、暫くしてから溶けるように無くなりました。

舌に旨味が残り、何とも美味しかったです。

焼き具合は、ちょうど良い感じ。

これより長いと、かぶなので、柔らかくなりすぎて歯応えが悪くなり、香りがオリーブオイルに負けてしまうと思われました。

「美味しいね」
夫と私は、黙々と食べて、あっという間に平らげてしまいました。

油に浸っているとはいえ、食後の感じも軽くて、いくらでも食べられそうでしたし、かといって、物足りない感じもなく、満たされた気持ちになりました。

季節柄、暫く、赤かぶが手に入りやすいようであれば、食べ続けてみたい、赤かぶ料理・鉄鍋蒸し焼き料理の中では特別に美味しいとまではいかないですが、普通よりも美味しくて、飽きない味なのではないかと思いました。

赤かぶの鉄鍋蒸し焼き、とても美味しかったです。

ありがとう、ごちそうさまでした!

天野マユミ

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