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ツヴァイク『人類の星の時間』凡庸な才能が光り輝くとき
シュテファン・ツヴァイク(1881-1942)はウィーン生まれ、ユダヤ系オーストリア人の作家・評論家である。
現在の日本ではほとんど忘れ去られているが、1930年代から40年代にかけて非常に高名で、とくに伝記文学に定評があった。
彼の著作には『マリー・アントワネット』、『ジョゼフ・フーシェ』など優れたものが数多くある。
ツヴァイクは映画監督ウェス・アンダーソンにも大いに影響を与え、2014年の
【TMG Ⅰ】B'z, Mr.BIG, NIGHT RANGER, 日米のトップ・ミュージシャンが競演して出来たサウンドは…?
前年の2003年はB'z15周年。
Pleasureツアー、渚園での公演も成功させ、明けた2004年はB'zのふたりにとってソロ活動に打ち込む年となった。
稲葉浩志が2ndソロアルバム『志庵』を制作する一方で、松本孝弘はアメリカのトップミュージシャンとのバンド結成というサプライズをもたらした。
その名もTak Matsumoto Group(TMG)。明らかにマイケル・シェンカーを意識したバン
【“42”ジャッキー・ロビンソン・デー】野球、サッカーの背番号にまつわる話
背番号42 希望の背番号をきかれた話
ごく私事から話をはじめる。
昨年、毎週のように通っていた近所のフットサルコートが無くなり困っていたところ、あるフットサルチームから勧誘を受けた。
数度練習に参加したところ話がトントン拍子に進み、加入することになった。
いちおう、競技系のフットサルチームである。
地域リーグに参加するようなそれなりにちゃんとしたチームであれば、ユニフォームが必要となる。
シン・新・3大 カンチェラーラの衝撃のスパート(個人の意見です)
2016年に引退し、現在は母国スイスのUCIプロチーム、チューダーのオーナーを務めているファビアン・カンチェラーラ。
所属スプリンターのアルフィト・デクレインが昨年ミラノ~トリノを制し、今年もパリ・ニース第2ステージで勝利。チームはジロ・デ・イタリア出場権も手にするなど、2019年設立のチューダーは、早くも自転車ロードレース界での存在感を増しつつある。
どうやらカンチェラーラは、オーナー、経営者と
四人囃子『一触即発』和製プログレの比類なき代表作
四人囃子プロフィール
四人囃子…1969年、都立鷺宮高校の同級生であった森園勝敏(Gt. Vo)と岡井大二(Dr)により結成。後に中村真一(Bs)、坂下秀実(Key)が加入。
同題の映画の劇伴音楽を担当した『二十歳の原点』(1973)でレコードデビュー。
そして実質的なデビューアルバム『一触即発』(1974)、シングル「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」(1975)、ベースが佐久間正英に代わって『ゴー
書けなくなったらどうするか? ケストナー『飛ぶ教室』より
少年・少女向けの小説として知られるエーリッヒ・ケストナーの『飛ぶ教室』(1933年)。
じつはこの作品の冒頭には、すべての書き手に通じる、創作にまつわるエピソードが描かれている。
書けなくなったらどうするか?
このお話は作者の独白から始まる。
職業作家である語り手(エーリッヒ・ケストナー)は、とっくに仕上げていなければならないはずのクリスマス物語を、もう2年も書き上げられないでいる。
すると、
『国産RPGクロニクル』ドラクエ、FFシリーズ…ゲームが紡ぐ物語の可能性をさぐる
エニックス・スクウェアに精通した著者による『国産RPGクロニクル』
本書は、ドラゴンクエストとファイナルファンタジー両シリーズの比較を通して、国産RPGゲームの歴史を辿るものである。
著者の渡辺範明は、2002年に株式会社エニックスに入社。
入社からわずか一年後にはエニックスがライバル会社のスクウェアと合併するという激動の時期を経験しており、RPGゲームを語るにはこの上なく適したポジションにい
低身長男子はマイケル・コルレオーネを見倣え 『ゴッドファーザー』名シーン解説③
身長の低さは、いつの時代も変わらない男の悩みの一つだ。
男は170cmなければ人権がないとか言われるこのご時世、アル・パチーノとダスティン・ホフマンという、二人の稀代の名優がれっきとしたチビであることは、世の低身長男子を大いに勇気づける。
(パチーノ、ホフマンともに165cm程度だと言われている)
日本よりも平均身長が5cm以上も高いアメリカのこと、アル・パチーノやダスティン・ホフマンは確かに
【100の銃弾を浴びた男】ソニー・コルレオーネ殺害『ゴッドファーザー』名シーン解説②
第二回に取り上げるのは、ソニー・コルレオーネ銃撃シーン。
映画中盤、コルレオーネ兄弟の長兄ソニーは敵対するファミリーの策略に嵌り、ひとり車でおびき寄せられたところをマシンガンによる一斉掃射を受けて絶命する。
『ゴッドファーザー』シリーズ随一の凄惨な殺害シーンである。
料金所に隠れていた暗殺者たちの激しい機関銃の掃射に、無数の銃弾を受け、身体中から血を吹き出しながら絶命するソニー。
車に乗って