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私の本棚

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たまにする読書。その時感じたことや考えたことなどを綴ります。
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一日中、風がビュービューと吹き荒れていた。身体の怠さは相変わらずだけど、昨日よりかは心が多少元気だった。そんな今日は、部屋に籠って文庫本を読み耽り、気になった文章をノートにメモしていた🍃

"自身の信念に反した言動を正当化するため"に他人の言動を口実にするのは、不愉快に感じた。またまた、高校の授業以来の再読。当時の私が言語化出来ずに何となく抱いていたモヤモヤの正体、これかあ〜…と納得。

檸檬と今の私

檸檬と今の私

今どうしようもなく落ちて病んでいることなんて、誰も知らなくていい。まるで、果実としての檸檬。瑞々しく爽やかなあの感じと、相対するようだ。

梶井基次郎の檸檬を、高校の授業以来、再読した。そうしたら、実はそれの原型作とされるものがあることを、今日初めて知った。それが"瀬山の話"と言う短編。檸檬における主人公の、不穏な言動の様が如実に描かれているそれは。今の私に、めちゃくちゃに刺さった。自分が病んで堕

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昼下がりに、大好きな活字に触れて、気付けば目を瞑って微睡み、夢の世界の中へと溶け込んで行ける...なんて、幸せのひと時なんだろう。すごく幸せな気持ち。心が満ち溢れている。

『華氏451度』

『華氏451度』

一見風変わりな印象を受けたこのタイトルに込められた意味を知った時、全身に鳥肌が立つ思いがした。その本とは、レイ・ブラッドベリの『華氏451度』。

小説!フィクション!!のはずなのに、70年以上前に書かれたにしては、作者は、現代社会がこうなることを予め知っていたんじゃないか?と思ってしまう。

それくらい、現代社会の在り様を如実に表しているように、私には感じられた。

情報過多な現代社会。そこで如

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読むだけで情景が目に浮かぶ、宮沢賢治が紡ぐ言葉が好き。

読むだけで情景が目に浮かぶ、宮沢賢治が紡ぐ言葉が好き。

宮沢賢治の、美しく、どこか自然を超越しているかのようなあの世界観に没入している瞬間が、私にとっては快楽的であり、且つ癒しのひととき。

中でも銀河鉄道の夜は、何度でも読み返したくなる、私の大好きな作品のひとつ。読んでいるだけで情景が目に浮かぶ文章に、尊敬の念を抱く。サザンクロス、りんどうの花、カムパネルラの存在や、台詞達の伏線…。

作品の好きな描写を挙げ始めたら、枚挙にいとまがない。あの全部を感

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宮沢賢治『風の又三郎』を読んだ。彼の文章を読んでいると、ワクワクするから好き。あとは、思わず声に出して読みたくなるし、実際に声に出してしまうから笑 ヨルシカの「又三郎」も併せて聴くと、楽しさが倍増するなって思うから、個人的にはオススメ。

最高にワクワクする時間

最高にワクワクする時間

最近、私の中で、読書熱が再燃している。

昨日図書館へ行った。ここ1カ月は、2週に1度、地元の図書館へ訪れて、本を返却した後、次に借りる本を物色している。(言い方、笑)

あの時間が、私は最高に好きだ。最高にワクワクする。

何と言っても、何冊借りても「無料」と言うのが大きい。知識や幸せの感情と言った無形の財産が、無料で手に入ると言ったら、少々邪かもしれないが…笑。

そんなことを思いながらも、純

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現実の何もかもから離れて没入できる読書は、私にとって本当に心の栄養になる。住野よるさんの「君の膵臓をたべたい」、何度読んでも新鮮な気持ちで楽しめるし心惹かれる、本当に大好きな1冊。

私はその人では無いから、安易に"分かる"と言うことは違うと思うんだけど、"共感できる"と言うのか、"感覚が理解出来る"と思うことが、読んでいて沢山あって。私もあなたも、ただそこに居るんだなって思えた一冊。

多様性は「多様性と言う考え方のうちのひとつ」でしかない

多様性は「多様性と言う考え方のうちのひとつ」でしかない

朝井リョウさんの「正欲」を読了した。読むのは今回が2回目。初回は約2年前、大学3年生の時。

読もうと思った動機は、友達が書いた、自身のおすすめの本を紹介したnoteを読んでいた時、ふとこの本を思い出したから。今回は、2日間で読破してしまった。

私は以前、この本を電子書籍として購入し、心が動いた部分には、(搭載された機能を用いて)本文にラインマーカーを引きながら読み進めていた。今回も、マーカーの

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多様性と言う言葉こそ、思考偏重なのだと思い知った。読み耽っていたらこんな時間🌃

誰かの靴を履いてみること

誰かの靴を履いてみること

やっと読めた。ブレイディみかこさん「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を読了した。

と言うのも、高校生の頃、体育の授業でのこと。最初の5分、いつも先生の近況報告から始まった。その中で度々、この本を私達に薦めていた先生。

そしてその出来事を、数年経った今でもはっきりと覚えている私。

体育は苦手だったものの、その先生のことは苦手ではなかった。だからか、私は結構、その先生の話を聞くことが

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モネが過ごした時間や記憶を、鑑賞することで受け取っている

モネが過ごした時間や記憶を、鑑賞することで受け取っている

モネを摂取したい。

―表現が正しいのかは微妙だけど、読了後にそんなことを思った私。

それはつまり、

美術館でモネの作品を心ゆくまで鑑賞したい、味わいたい。

そういう意味だ。

原田マハさんの「モネのあしあと」を読んでいる最中、私には思い出したことがある。

それは昨年、一人旅と題して訪れた、香川県直島の美術館のうちのひとつ、地中美術館。

そこで見た、モネの連作である「睡蓮」を見た時の感動

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