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大学院卒の29歳。歴史、音楽、アニメ、漫画、読書が好きな普通の会社員です。文学や古典、…

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大学院卒の29歳。歴史、音楽、アニメ、漫画、読書が好きな普通の会社員です。文学や古典、歴史に関することがとくに好きです。 大学院では日本近世史専攻(江戸時代)。読書や本に関すること、雑文を書いています。週1のペースで「よるのひとりごと」というエッセイや雑記を投稿しています。

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    徒然なるままに、日常や思ったこと、考えたことをゆる〜く書いていく日記のようなエッセイのような雑文のような。冷やかしでもいいんで読んでやってください。これでも文章を書く練習。気が向いたらボチボチ書きます。

  • また読みたい素敵な記事

    皆さまが大事に書かれた記事、また読みたいです。

  • 自由気ままに言の葉を紡ぐショートショート

    自由気ままにただ自分の中にある言の葉で綴る、ぎごちない物語を1,000字以内で描くショートショート。 文章力を上げたいだけの自己満足なマガジン。

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固定された記事

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太宰治『人間失格』全文にツッコミを入れてみた【第三の手記②】

長きにわたる『人間失格』全文ツッコミも今回で完結となる。大長編であり、執筆に多大な時間を要したが、今一度『人間失格』を深読みでき、良いものとなった。 前回までの…

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3日前
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太宰治『人間失格』全文にツッコミを入れてみた。【第三の手記①】

今回は『人間失格』における「第三の手記」の途中までとなる。「第三の手記」はまぁまぁ長いので分割した。 前回までのはこちらから 以下、本文は青空文庫からの引用であ…

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4日前
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太宰治『人間失格』全文にツッコミを入れてみた。【第二の手記②】

しばらく間が空いてしまったが太宰治『人間失格』全文ツッコミの続きとなる。前回までのはこちらから。 以下、本文は青空文庫からの引用である。本記事では「第二の手記」…

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7日前
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29年間、東京でしか暮らしてこなかった人が急に群馬に住んだら【エッセイ】

春光あふれる中を吹く風が光る中、僕は普段着ることのないスーツを着て群馬県へ向かう列車の中にいた。都会から地方への移り変わりを車窓をみてわかる。29歳、はじめての地…

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3週間前
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楽しいこともつらいことも分け合って一緒に頑張ろう。あと丁寧な暮らしってどうやってするの?【エッセイ】

1年の30%をむかえた午後5時。年度末の慌ただしい書類の嵐を終え、オフィスから出た。雨上がりのアスファルトに反射した日の光が、疲れ切った身体に強く刺さった。夜気にう…

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「初めて」なにかをした人とそれを見た人について考えてみた。

イントロ森羅万象、どんなことにも「初めて」がある。日常で見かけるあらゆるものには、すでに完成された後のものを見ている。どんなものにも一番最初があったはずである…

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太宰治『人間失格』全文にツッコミを入れてみた。【第二の手記①】

本文は青空文庫より引用した。 前回まではこちらをご覧ください。 ご存知の通り、『人間失格』は「第一の手記」「第二の手記」「第三の手記」からなる作品である。長すぎ…

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残業しないためには、定時後は「アラビア語しか喋らない人」になりきるしかない。

日々の仕事で、「若手社員だから」という理由で上司から雑務をふられたり、仕事を押し付けられたりする。「コキつかわれている」「何のために仕事しているのか」という疑念が湧き…

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1か月前
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最近読書とnoteが忙しく、Notionが使いこなせない社会人の日記

寒そうな木の横で花とかが咲きはじめている。空がまるで青の絵の具でたっぷりと水に含んだように淡く澄んでいる。湿気を含んだ風が音として流れてくる。風光る、春の足音が…

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1か月前
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太宰治『人間失格』全文にツッコミを入れてみた。【第一の手記】

以下、本文は青空文庫からの引用である。 今回はいよいよ太宰治の名作にして大長編の『人間失格』の全文ツッコミにチャレンジする。しかし、ご存じの通り、めちゃめちゃ長…

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1か月前
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生活に青色の光がさすとき

僕の生活に事件は何も起きない 春の足音が聞こえてきそうな渋谷をひとり歩いていた。約3年、仕事で渋谷に通っている。「職場が渋谷なんて」と、最初はこころを躍らせてい…

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1か月前
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牧野信一『地球儀』全文にツッコミを入れてみた。【スピンスピンスピン】

以下本文は、青空文庫からの引用である。 牧野信一『地球儀』は2013年センター試験、国語の第2問で出題された小説だ。突如でてきた「スピンスピン」という地球儀を回す様…

noruniru
1か月前
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愛すべき知識人ハゲ

僕の日常に事件は起きない。淡々と日々が過ぎていき、幾度も春を迎えた。 先日、通勤の電車内で乗客同士の口論に居合わせた。どのような経緯で口論になったかわからないが…

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1か月前
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高等遊民になりたい僕ら

働かなくてもいいならニートでいたい。 夏目漱石『それから』を読んでいたとき、こんな一文が出てきた。 『それから』(1910年)の主人公長井代助は、親の遺産で暮らす30代…

noruniru
2か月前
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太宰治『海』全文にツッコミを入れてみた

以下、本文は「青空文庫」からの引用である。めちゃめちゃ短い。戦時中に、太宰が妻子連れて太宰の生まれ故郷の津軽へ疎開したときのエッセイである。 「この子の頭上に爆…

noruniru
2か月前
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文章を書くのが「好き」なのではなく「喜び」だと思う

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春近き夜の空気を吸いながら都会を闊歩している。不思議と春の足音が聞こえてきた気がする。最近、ものすごく文章を書くことに喜びを感じている。気候の移り変わりが僕をそうさせたかもしれない。

どんなことにも「好き」か「嫌い」かではなく喜びを感じるかどうかで決めた方が良いと思う。とくに結婚を決めるとき、相手のことが好きかどうかより、その人と一緒にいて喜びを感じられるかが大事だ。つまるところ、人間は直感で自

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太宰治『人間失格』全文にツッコミを入れてみた【第三の手記②】

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長きにわたる『人間失格』全文ツッコミも今回で完結となる。大長編であり、執筆に多大な時間を要したが、今一度『人間失格』を深読みでき、良いものとなった。

前回までのはこちらから。

以下、本文は青空文庫からの引用である。

いまのところ利害しか生んでいない「交友」関係だ~

葉蔵、女について熱弁する

葉蔵なりに順風に生活が遅れているようでなによりだ。てか、結婚したな…???

また堀木だ!!!こん

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太宰治『人間失格』全文にツッコミを入れてみた。【第三の手記①】

太宰治『人間失格』全文にツッコミを入れてみた。【第三の手記①】

今回は『人間失格』における「第三の手記」の途中までとなる。「第三の手記」はまぁまぁ長いので分割した。

前回までのはこちらから

以下、本文は青空文庫からの引用である。

伏線回収です(拍手)

そういえばいつ絵なんて描いてました?

「出ちゃいけませんよ。とにかく、出ないで下さいよ」はフリですね???

住める家があるだけええやろ。

酒もタバコも女もいない、なんか更生施設みたいだ

主人公、男

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太宰治『人間失格』全文にツッコミを入れてみた。【第二の手記②】

太宰治『人間失格』全文にツッコミを入れてみた。【第二の手記②】

しばらく間が空いてしまったが太宰治『人間失格』全文ツッコミの続きとなる。前回までのはこちらから。

以下、本文は青空文庫からの引用である。本記事では「第二の手記」において、主人公が上京してからのお話である。

やろうともしなかったではないか

竹一に見破られてもなお「完璧に近いお道化」と言い張る男

あ、一応同居はできるんだ。集団生活とは。

絵描きになろうとしたが挫折して独裁者になった人物を僕は

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29年間、東京でしか暮らしてこなかった人が急に群馬に住んだら【エッセイ】

29年間、東京でしか暮らしてこなかった人が急に群馬に住んだら【エッセイ】

春光あふれる中を吹く風が光る中、僕は普段着ることのないスーツを着て群馬県へ向かう列車の中にいた。都会から地方への移り変わりを車窓をみてわかる。29歳、はじめての地方の出張、もやもやと霧が立ち込めたうえに真っ暗だった海の真ん中にいるかのようである。

4月1日、晴れて社会人となった人、おめでとう。4月というのはさまざまな変化に見舞われる季節である。

僕も例外ではない。

この4月から2ヶ月、出張で

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楽しいこともつらいことも分け合って一緒に頑張ろう。あと丁寧な暮らしってどうやってするの?【エッセイ】

楽しいこともつらいことも分け合って一緒に頑張ろう。あと丁寧な暮らしってどうやってするの?【エッセイ】

1年の30%をむかえた午後5時。年度末の慌ただしい書類の嵐を終え、オフィスから出た。雨上がりのアスファルトに反射した日の光が、疲れ切った身体に強く刺さった。夜気にうなだれた花が白く淡く咲く。かぐわしいというより、憂いを含んだ黒い激情が呼び起こされる。繰り返す波の中に突如大波が押し寄せるときは、決まって立っていられなくなるときがある。そのようなときは過去に向き合ったり、未来への自分に手紙を書くかの如

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「初めて」なにかをした人とそれを見た人について考えてみた。

「初めて」なにかをした人とそれを見た人について考えてみた。



イントロ森羅万象、どんなことにも「初めて」がある。日常で見かけるあらゆるものには、すでに完成された後のものを見ている。どんなものにも一番最初があったはずである。その「初めて」の歴史は記録によって明らかなものがある。たとえば日本で初めて測量によって日本列島の地図を描いた伊能忠敬の『大日本沿海輿地全図』がそうである。(※完成を待たずして亡くなってしまったのは言うまでもない)

ほかには

日本の歴

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太宰治『人間失格』全文にツッコミを入れてみた。【第二の手記①】

太宰治『人間失格』全文にツッコミを入れてみた。【第二の手記①】

本文は青空文庫より引用した。

前回まではこちらをご覧ください。

ご存知の通り、『人間失格』は「第一の手記」「第二の手記」「第三の手記」からなる作品である。長すぎるため、何回かにわけて投稿していく。今回は「第二の手記」の主人公が上京するまでとした。

「どうやら無事に入学できました。」ってまさか裏口入学でもした?

父は気をつかっているようにみえて親戚の監視のもとに住まわせてるって感じだ

主人

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残業しないためには、定時後は「アラビア語しか喋らない人」になりきるしかない。

残業しないためには、定時後は「アラビア語しか喋らない人」になりきるしかない。

日々の仕事で、「若手社員だから」という理由で上司から雑務をふられたり、仕事を押し付けられたりする。「コキつかわれている」「何のために仕事しているのか」という疑念が湧きそうだが、どの業界でも慢性的な人手不足であり、大概の問題は「人がいれば解決する」のである。

今回、悩み多き現代人にむけて、僕が考える仕事の処世術について書いていきたい。しかしアテにしないでほしい。僕のような仕事でなにも成果のない人の

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最近読書とnoteが忙しく、Notionが使いこなせない社会人の日記

最近読書とnoteが忙しく、Notionが使いこなせない社会人の日記

寒そうな木の横で花とかが咲きはじめている。空がまるで青の絵の具でたっぷりと水に含んだように淡く澄んでいる。湿気を含んだ風が音として流れてくる。風光る、春の足音が聞こえてくる霞だった。

こんな日には外にでかけて読書しよう。高円寺か下北沢か神保町か…。いつも行先に迷う。基本、カフェで読書するために行先を選んでいる。その日は神保町に行くことにした。行きつけの眞踏珈琲店というカフェで、「水瑠璃」という水

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太宰治『人間失格』全文にツッコミを入れてみた。【第一の手記】

太宰治『人間失格』全文にツッコミを入れてみた。【第一の手記】

以下、本文は青空文庫からの引用である。

今回はいよいよ太宰治の名作にして大長編の『人間失格』の全文ツッコミにチャレンジする。しかし、ご存じの通り、めちゃめちゃ長い。

本作は「はしがき」「第一の手記」「第二の手記」「第三の手記」で構成されている。

今回は大長編となるため、分割してお届けしようと思う。今回は「はしがき」~「第一の手記」までとなる。

いいね~。「1枚」「2枚」って数えるより「1葉

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生活に青色の光がさすとき

生活に青色の光がさすとき

僕の生活に事件は何も起きない

春の足音が聞こえてきそうな渋谷をひとり歩いていた。約3年、仕事で渋谷に通っている。「職場が渋谷なんて」と、最初はこころを躍らせていたが、最近はもうどうでもよくなっている。渋谷にいる人たちと群れてやっていける自信がない。なぜ人は渋谷に集うのか、僕にはわからない。

日々の刺激を追い求めて渋谷に行く人たちを「朱に交わる人々」だとするならば、僕はローンウルフなのである。誰

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牧野信一『地球儀』全文にツッコミを入れてみた。【スピンスピンスピン】

牧野信一『地球儀』全文にツッコミを入れてみた。【スピンスピンスピン】

以下本文は、青空文庫からの引用である。

牧野信一『地球儀』は2013年センター試験、国語の第2問で出題された小説だ。突如でてきた「スピンスピン」という地球儀を回す様子が描かれ、当時の受験生は混乱したとしてネットで話題になった。

「お忙しいところと存じますが」と言った方がよい。

「このごろはどうなの?」は回答に困る。返答次第では場が凍りかねない質問である。

家が狭いのを「ものが多い」せいにし

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愛すべき知識人ハゲ

愛すべき知識人ハゲ

僕の日常に事件は起きない。淡々と日々が過ぎていき、幾度も春を迎えた。

先日、通勤の電車内で乗客同士の口論に居合わせた。どのような経緯で口論になったかわからないが、2人の男性が扉が開くのと同時に

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
と、地響きのような足音をたて、2人の男性が席の取り合いをしていた。そして男性Aがドスンと席に座った。(しかも優先席)

男性A「なんだよおめぇ」

ぼく(あ、

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高等遊民になりたい僕ら

高等遊民になりたい僕ら

働かなくてもいいならニートでいたい。

夏目漱石『それから』を読んでいたとき、こんな一文が出てきた。

『それから』(1910年)の主人公長井代助は、親の遺産で暮らす30代男性である。「遊民」という言葉の意味は『日本国語大辞典』によると

と説明されている。また、夏目漱石『彼岸過迄』(1912年)にはこう書いてある。

ここで注目すべき点は「高等遊民」という言葉にある。「高等遊民」の意味について『

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太宰治『海』全文にツッコミを入れてみた

太宰治『海』全文にツッコミを入れてみた

以下、本文は「青空文庫」からの引用である。めちゃめちゃ短い。戦時中に、太宰が妻子連れて太宰の生まれ故郷の津軽へ疎開したときのエッセイである。

「この子の頭上に爆弾が落ちたら」という誇張表現。あと親ばかっぷりがすごい

今なら車で30分で海に行けると思う。

「最も貴重な思い出」なのか…???一応島国なんだが…

「爆弾でこわされた」なかなかのパワーワードだ…

こういうときぐらいは妻の実家にころ

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