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ネットフリックスが12年間海外進出を「封印」していた理由

ネットフリックスが12年間海外進出を「封印」していた理由

『不可能を可能にせよ!NETFLIX 成功の流儀』という本を読んでいます。ネトフリの共同創業者のマーク・ランドルフ氏の著作で、同社の創業ストーリーが赤裸々に語られています。

同書の中で「カナダ原則」が紹介されています。ヒトコトで言えば「特定の領域に経営資源を集中させる」というものです。スタートアップ企業のみならず、あらゆるビジネスに応用できる原則でしたので、簡単に紹介します。

12年間にわたっ

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NETFLIXは過去にAmazonの買収提案を断っていたという話

NETFLIXは過去にAmazonの買収提案を断っていたという話

『不可能を可能にせよ!NETFLIX 成功の流儀』を読みました。NETFLIX共同創業者のマーク・ランドルフ氏の著作です。ネトフリの創業~株式公開までの約6年間を当事者目線で描写しています。

同書の現代は『That will never work』(それ、絶対うまくいかないわ)です。誰もがうまくいかないと思ったネットフリックスのビジネスを、なんとか軌道に乗せるまでの試行錯誤が赤裸々につづられてい

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”少年マンガ的”なレッドクイーン理論とは?

”少年マンガ的”なレッドクイーン理論とは?

最近にわかに注目を集めている経営理論の一つに「レッドクイーン理論」があります。競争が企業を強くするという同理論は、従来の経営学が解き明かせなかった新たな視点を持つ点が注目されています。

従来の経済学・経営学の考え方古典的な経済学では、市場を分析するときに2つの極端な状況を想定します。一つは『完全競争』という極めて激しい競争状況で、もう一つは『独占』という競合がまったくいない状態です。

そして現

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#017 『トイ・ストーリー』とタクシー会社の意外な共通点

#017 『トイ・ストーリー』とタクシー会社の意外な共通点

『PIXAR<ピクサー>世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話』を読みました。そこから学んだことを整理すると、アニメーションスタジオとタクシー会社の以外な共通点が浮かび上がってきました。

アニメーションと実写映画の違いアニメーションには「持越費用」というやっかいな問題もあった。持越費用とは、制作の作業をしていない社員にかかる費用だ。たとえばアニメーションの作業が終わり、アニメー

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#010 【書評】無形資産が時価総額の8割を占める時代

#010 【書評】無形資産が時価総額の8割を占める時代

無形資産が時価総額の何割を生み出しているでしょうか?答えは8割です。

フィナンシャルタイムズのベスト経済書に選ばれた「無形資産が経済を支配する」を読み進めています。本書の中から、経済ニュースを理解する上で有用なポイントを整理します。

本書では、2006年時点で時価総額世界一だったマイクロソフトの事例が取り上げられています。同社の時価総額のうち、工場や設備といった伝統的な有形資産が占める割合はわ

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【書評】楽天IR戦記「株を買ってもらえる会社」のつくり方

【書評】楽天IR戦記「株を買ってもらえる会社」のつくり方

2005年から楽天初のIR専任者として活躍された市川祐子氏の「楽天IR戦記」。同社のIRをゼロから立ち上げた著者の経験が詰まっていて、非常に面白い内容でした。今回は本書を3つのポイントでまとめます。

1.「それがどう価値に結び付くんですか?」このセリフは、著者がNECに勤めていた際に、投資家から投げかけられたセリフです。ロードショーの際に投資家から競争力の源泉を聞かれ、同社の社長は「社員2万4,

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【書評】「数字」が読めると本当に儲かるんですか?

【書評】「数字」が読めると本当に儲かるんですか?

売上が上がっているのに利益が出ないのはなぜだろうか?

そんな疑問に答えるのが、古屋悟司氏の「数字が読めると本当に儲かるんですか?」です。著者は脱サラして花屋をオープンさせたという異色の経歴です。本書はストーリー仕立てで「儲かる会計」について学べる内容になっています。

儲かる会計とは?本書で紹介されている「儲かる会計」とは、管理会計のことです。

そもそも会計には「税務会計(財務会計)」と「管理

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【書評】無印良品は仕組みが9割-仕事はシンプルにやりなさい

【書評】無印良品は仕組みが9割-仕事はシンプルにやりなさい

良品計画元会長の松井忠三氏の著作「無印良品は仕組みが9割」の内容をまとめます。まとめ方は、浅田すぐる氏の「すべての知識を「20字」でまとめる紙1枚!独学法」を参考にしています。

本書をヒトコトで言うと?ヒトコトでまとめると「優れた仕組み化は、組織を強くする」です。

2001年に初めて赤字に転落し「無印の時代は終わった」と囁かれていた中で、著者の松井忠三氏は社長に就任しました。松井氏は、業績不振

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【書評】高田 明著「伝えることから始めよう」

【書評】高田 明著「伝えることから始めよう」

ジャパネットたかた創業者の高田明氏の著書「伝えることから始めよう」をレビューします。本書を読み終えて一番意外だったのは、高田氏がこれまで「目標を持ったことがない」と明かしていることです。

高田氏の価値観を3つのポイントに整理して記します。

1.計画を立てず、今を生きる高田氏が本書を通じて繰り返し訴えているのは「今を生きる。」という価値観です。就職活動にも真剣には取り組まず、親戚の紹介でアルバイ

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【書評】ツイッター創業物語 金と権力、友情、そして裏切り

【書評】ツイッター創業物語 金と権力、友情、そして裏切り

ツイッター創業物語には、これまで表に出てこなかったような同社のドロドロの内情が書かれています。それを端的に示すのが、創業から4年で3人がCEOを務めたというシンプルな事実です。

ツイッターはだれのものか?
世界を変えた「ITオタク」たちの起業物語!
アメリカでテレビドラマ化決定!

Twitterの内情本書を読むまで、私はTwitterの創業者の名前すら知りませんでした。Facebookのマーク

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【書評】説明0秒! 一発OK! 驚異の「紙1枚! 」プレゼン

【書評】説明0秒! 一発OK! 驚異の「紙1枚! 」プレゼン

2015年にベストセラーとなった『トヨタで学んだ「紙1枚!」にまとめる技術』の浅田すぐる氏の最新著書を読みました。プレゼンに限らず、あらゆるビジネスパーソンにとって非常に有用な内容でした。簡単に所感をまとめます。

最速で相手を納得させる一発OKのプレゼンバイブル!
◎提案・報告・連絡・相談といったビジネスシーンで「資料がまとまらない」「何を、どう伝えれば効果的に相手に届くのかわからない」という人

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ジャパネットたかた流 伝わるコミュニケーション3つのポイント

ジャパネットたかた流 伝わるコミュニケーション3つのポイント

ジャパネットたかた創業者の高田明氏の著作「伝えることから始めよう」を読みました。プレゼンや日常のコミュニケーションでも役立つ内容でした。

高田氏の伝わるコミュニケーション術を3つのポイントに整理してお伝えします。

1.専門用語 → やさしい言葉

第一に、高田氏はとにかくテレビ・ラジオショッピングでは難しい専門用語を使わないことを徹底していました。

例えば「カメラのピントを合わせる」と普通に

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