マガジンのカバー画像

それ、幻想かもよ!

529
本当の自分とか幸せとか、そういうのって全部幻想かもしれないよ。
運営しているクリエイター

#少子化

「人も町も不老不死ではない」という当たり前の話

「人も町も不老不死ではない」という当たり前の話

地方のメディアにニュースを配信することが生業の共同通信にとっては、地方が衰退するのは避けたいのだろうが、誰がなんといおうと地方は衰退する運命。

現実的に考えてほしい。そもそも国全体の絶対人口が今後毎年80万人以上も50年間減り続けるわけで、今ある自治体数を維持していくこと自体は完全に不可能。2100年までには、全体の人口が半分に減るが、地方の人口は20年もまたずに半減するところはたくさんある。だ

もっとみる
「己を知る」ために必要な「ありがとう」の言葉

「己を知る」ために必要な「ありがとう」の言葉

社人研の2024年推計結果が発表されて、各メディアが以下のような記事をあげているんだが…

高齢者が増えるのは今に始まったことではないし(現に日本今世界一の高齢化率の国)、単身世帯が増えるって話も実際に世帯類型別で単身世帯が「夫婦と子」世帯を抜いてトップになったのは2010年の国勢調査段階だし、単身世帯が4割になるという推計も5年前の社人研の推計で発表していることであって、特に「急にふってわいた話

もっとみる
女性の高学歴化と社会進出が起こす「結婚と出産のインフレ」ジレンマ

女性の高学歴化と社会進出が起こす「結婚と出産のインフレ」ジレンマ

台湾の若者を取り巻く問題が日本や韓国に酷似(中国とも)していて、誰が考えても問題の本質は経済的な問題だと思うのだが…。

そんな中、久しぶりに支離滅裂な出鱈目な話を目にしたので言及したい。但し、これは厳密には少子化について言及したものではないが。

日本と韓国と台湾の年齢別の女性労働力率のデータを比較して、日韓でいわれているM字カーブが台湾には見られないことから、

そして、それは「小さな子どもの

もっとみる
見せたくないモノを見えないようにする 

見せたくないモノを見えないようにする 

こちらの動画を見て、どのカップの中にモノがあるかをじっくり観察していただきたい。別に手品ではないのでちゃんと見ていれば100%当たるはず。時間のない人は1分15秒すぎくらいからみればいいと思う。

動画の中でネタバレしているが、ほとんどの人はここに出てくるアヒルの存在は見えなかっただろう(最初から知っていれば簡単にわかるのだが)。

元ネタは2004年にイグノーベル賞を受賞した有名な「見えないゴリ

もっとみる
賃上げされたといってもその実態は?

賃上げされたといってもその実態は?

賃上げのニュースが相次いで、連合の一次集計では賃上げ率は平均5.28%で、前年の同時点(3.80%)から1.48ポイント上昇した。

これ自体は喜ばしいことたが、とはいえ、当たり前だが全ての企業が一律でこの割合であがるわけではない。ニュースなどで個別に伝えられる企業は大抵大企業だ。
日本において大企業の就業者は全体の3割でしかない。上澄み3割が賃上げしたところで残りの7割が変わらないのであればあま

もっとみる
利権に群がる政治家と我利業者が少子化を加速させる

利権に群がる政治家と我利業者が少子化を加速させる

久しぶりに呆れたニュースを見た。

毎年のように「今年がラストチャンス」とか言っているんだが、閉店セールといいながらいつまでも閉店しない店みたいなことしている場合か?

出生数が増えないことは、1990年代後半からゼロ年代頭にかけて第三次ベビーブームが来なかった時点で確定している。一人当たりの母親が産む子ども数が減っていないのに、全体の出生数が減り続けているのは、そもそも産む母体の数の減少「少母

もっとみる
フィンランドを見習うのであれば、ありのままの現状を見よう

フィンランドを見習うのであれば、ありのままの現状を見よう

一時期「少子化対策は北欧を見習え」みたいな話がものすごく流行った時期があって、Xで界隈が叫んでいるだけならまだしも、大新聞やテレビまでがそれを言いだしてうんざりしたことがある。

まず、事実を正確に認識することが大事。

世界最高レベルの子育て支援と言われてきたフィンランドでさえ出生率は1.26にまで激減している。1.26は2022年の日本の数値と一緒で、その時は「過去最低の出生率」とかでマスコミ

もっとみる
構造を理解しないと無駄な負け戦をする

構造を理解しないと無駄な負け戦をする

恋愛なんて平等なものではありません。
そんなことはみんな薄々気付いていたでしょ。まあ、恋愛どころかこの世の中平等でなんかあるわけがないのだが、その辺は置いておいて恋愛の話をば。

男も女もモテる奴は一部。その一部の恋愛強者に集中する。よって、恋愛は1対1になんかならない。一部の強者総取り現象になります。わかりやすくいえば、浮気、二股三股ということです。

ただ、そうした状態も「若気の至り」で若い時

もっとみる
「諦めたら試合終了」は漫画の世界で、現実は主観ではない

「諦めたら試合終了」は漫画の世界で、現実は主観ではない

1/10に、人口減少対策を有識者らが議論する人口戦略会議のメンバーが岸田首相と面会し、8,000万人で人口を安定させることなどを盛り込んだ提言を手渡したというニュースがあったのたが、これがまた「何言ってんだ?」感が満載。

百歩譲って、これが人口6000万人で維持する(静止人口)というならまだ努力目標として許せる範囲だが、8000万人はどうあがいても無理。

下記のグラフの一番上が今回の提言で、下

もっとみる
2023メディア出演まとめなど振り返り

2023メディア出演まとめなど振り返り

今年も間もなく終わろうとしています。
毎年恒例ですが、個人の備忘録としてまとめを載せておきます。ありがたいことに今年もなんだかんだたくさん仕事をいただきました。

特に、今年は本を2冊出しているのがトピックス。

個人的には、青森の三内丸山遺跡、鳥取砂丘、出雲大社という今まで行きたくて行けなかったところに行ったのがよかった。

三内丸山遺跡

鳥取砂丘

出雲大社

以下順にメディアなどに出た内容

もっとみる
小さな村でいくら出生率が高くても、日本の少子化は改善しない

小さな村でいくら出生率が高くても、日本の少子化は改善しない

政府目標の出生率1.8というけれど、断言してもいいが、向こう30年絶対に達成できない。日本の現時点における出生率の最大値は思い切り楽観視しても1.56で、妥当なところで1.4程度だろう。

そして、そんなことは厚労省の官僚もわかっているけど、「1.8くらいにしておかないと次の選挙が…支持率が…」という政治家のごり押しがあるのだろう。

それはさておき、冒頭に貼った日経の記事では地方の小さな町村の出

もっとみる
選挙と天下り先のことしか考えない政治家と官僚が制度を迷宮にする

選挙と天下り先のことしか考えない政治家と官僚が制度を迷宮にする

記事にある通りのことなので、いちいち詳細は省くが、所得制限を撤廃したり、支給対象年齢を拡大したり、第三子のカウントを修正したり、といろいろ細切れな追加修正を加えて、「古い旅館が無計画な増築や改装を重ねたがために客も従業員も使いにくい迷宮化する」パターンで、もう作ってる本人たもわけがわからなくなっているのではないか?

これに対して、「いい方向に少しずつ修正されるのは悪いことではない」などというのも

もっとみる
「結婚は金」の問題であり、それも「額面給料ではなく手取りの問題」

「結婚は金」の問題であり、それも「額面給料ではなく手取りの問題」

私自身も少子化に関する専門家としていろいろなメディアから取材を受けるが、最近閉口しているのは、岸田内閣の異次元の少子化対策発表以降、「俺もいっちょかみしたい」という門外漢が増えて、政府の少子化対策と同等の的外れなことを言う内容を何の疑いもなく取り上げるメディアがあることだ。

中には、「政府の家族関係支出GDP比を増やせば少子化解決(ハンガリーを見習え)」とか「今子どものいる夫婦がもうひとり産めば

もっとみる
武器も爆弾も使わないこれからの戦争のカタチ

武器も爆弾も使わないこれからの戦争のカタチ

少子化という出生増については、すでに国はあきらめているという話は前にも書いた。そして、その見解は間違っていない。今更政府が対策したところで出生数が絶対に増えない理由は「少母化」にあることは何度も書いている通りだ。産む母体のの女性の絶対人口が減っているのだから当たり前の話である。

しかし、政治家はそれを十分知ってるくせに絶対に公言しない。公言しないだけならまだマシだが、政局や選挙対策のためだけに効

もっとみる