こう_せい@Nature&Professional&Science

1965年生まれ。長年関わってきたテクノロジー(サイエンス)とネイチャーについて、お伴…

こう_せい@Nature&Professional&Science

1965年生まれ。長年関わってきたテクノロジー(サイエンス)とネイチャーについて、お伴である本を取り上げて書くことにしました。これまで書いてきたのはレポート、論文、特許、ガイドの類なので文章はかたいです。自己紹介のつもりで、不定期に写真日記もアップします。

マガジン

  • マンスリー写真日記

    月一度のペースで公開する写真日記です。私としては、読書に関する記事と違い、息抜き感覚で書いています。

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    多摩川(とその周辺)に関係する記事をここにまとめます。自宅から歩いて30分ほど、一年中、歩いてます。源流域で沢登りもしています。

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    プロフェッショナルなお仕事を紹介。半導体関連の研究開発者の経験から、テクノロジーとサイエンス関連の本を中心にいろいろと。

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    山登り、自然観察などの記事を集める

記事一覧

カルガモ一家 #写真日記(2024年5月)

マガモ、コガモ、オナガガモなどが北に帰って寂しくなる野川を明るくしてくれるのが、カルガモの子供達です。 「可愛い!!!」と思えるタイミングで見るためには、頻繁に…

読書 「武蔵野・江戸を潤した多摩川」 安富六郎(著)  農文協 科学の視点で歴史検証

1 本書 学術書とも言える多摩川に関する本です。著者の安富さんは、農学博士で、自らの足で河口から源流まで、見て歩いて、自身で撮った写真、新旧の地図、古い資料を交…

読書 「川ガキ」 村山 嘉昭(写/文) 飛鳥新社  川の美しさ、楽しさと危険を知るために遊ぶ 

1 本書 川で遊ぶ子供たちのフォトエッセイです。子供たちの笑顔、一緒に心から笑わないと撮れないです。子供たちの秘密の遊びスポット、一緒に遊ばないと撮らせてもらえ…

読書 「講談社ブルーバックス」 世代を越えて読み継がれる自然科学の本達

扉の写真が汚い本棚ですいません 何が書かれているのか?興味を持たれたならば、ぜひ最後まで読んで下さい 1 本書 1963年創刊の自然科学系の新書シリーズです。2020年時…

春の蝶 #写真日記(2024年4月)

東京郊外に生き残る蝶たち(春編) 春に里山周辺の散歩で会える蝶を紹介します。 幼虫が野草を食べて育つ蝶は、あるていど自然が保たれている場所でしか見られません。私の…

読書「イリオモテヤマネコ」横塚 眞己人 著 ブロンズ新社 暗がりの光を見出す

1 本書 横塚さんは、ダイビング専門誌の編集者から写真家に転向された方で、1980年代にイリオモテヤマネコの撮影のため西表島に移住し、長年かけて、この本が生まれまし…

読書 IEEEの学術誌「IEEE JournalとTransactions」Apart, Not Alone

Aprt, Not Alone 離れていても一人ではない トップ写真は、コロナ下で世界がロックダウンしていたころに、IEEEから届いた会員へのメッセージです。"Apart, Not Alone"、世…

読書「雪崩事故事例集」 日本雪崩ネットワーク 出川あずさ著 山と渓谷社

1 本書 雪山登山、山スキーなどの活動でおきた雪崩の事例をひとつひとつ、一部は実地調査データを含めてまとめたもので、190件中58件の事例には、発生箇所の地図、写真、…

技術・科学番外編「LinkedInとResearcherGate」 日本の閉じた雇用環境に対する黒船

1 仕事で使うSNS どちらも世界標準の専門性の高いSNSです。 LinkedIn 世界最大級のビジネス特化型SNSで、マイクロソフトが買収して持っています。主に専門的なネットワ…

三寒四温 #写真日記(2024年3月)

季節は行ったり来たり 雪をかぶった富士山を見ながら散歩していると、小さな花や蝶が目に入りました。今日は、上着が不要なくらいのぽかぽか陽気ですが、長くは続きません…

読書(新刊)「かながわ山岳誌」日本山岳会神奈川支部 山と渓谷社 ベテラン登山のあるべき姿

1 本書 神奈川県内にある山のガイド本の一つではなく、山登りのルートに加えて、山に関わるたくさんの情報、地理・地形、気象、自然(植物と動物)、山岳信仰,、山名の由…

読書「間違う力」高野秀行著 角川新書、「「ない仕事」の作り方」三浦じゅん著 文藝春秋、「バンダイナムコが大切にしているた…

今回は三冊まとめて紹介します。メーカで研究開発をしていた時に、読んで印象に残っている本です。科学、技術のカテゴリーから少し外れます。専門書(論文、特許含む)はた…

読書「アゲハチョウ」 松本克臣 著 山と渓谷社 駅前書店に思いをめぐらせる

写真はAIで生成(合成)したのではないです。 めずらしく、種類の違う蝶が並んで吸水しているのを見つけて撮りました。長年見続けいると、いろんなシーンに出会います。 …

蓄音機の音楽会 #写真日記(2024年2月)

100年以上前の技術で奏でられた音、心地よかったです。 聴かせてもらったのは、ジャズを中心にセレクトされた十数曲。ルイアームストロングの楽曲がよかったし、テネシ…

読書「2030年半導体の地政学」 太田康彦著 日経BP/日本経済新聞出版局  ムーアの法則は生き延びる?/その時日本は??

1 本書 タイトルの”2030年”がいいですね。ちょっと先の設定。直ぐだど、日本の半導体の復活はありえないけど、2030年なら、あるかもしれない。そう願いたい、多くの人…

読書「登山の運動生理学百科」 山本正嘉 著 東京新聞出版局  山登りの科学/登山の安全を学ぶ名著

1 本書 著者の山本さんは、東京大学で教育学の学位をとられた人で、ヒマラヤや南米の山を岸壁登攀でも登っている、本格的な登山者でもあります。現在は、鹿児島の鹿屋体…

カルガモ一家 #写真日記(2024年5月)

カルガモ一家 #写真日記(2024年5月)

マガモ、コガモ、オナガガモなどが北に帰って寂しくなる野川を明るくしてくれるのが、カルガモの子供達です。
「可愛い!!!」と思えるタイミングで見るためには、頻繁に通って観察しなければ、なりません。子供建の成長はあっと言う間なので。

観察していると、猛禽、ネコなどにやられて、子供が少しずつ減るのがわかります。他の動物に食べられるのは自然の摂理で、問題は、人間が住めない環境にしてしまうこと(過去にして

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読書 「武蔵野・江戸を潤した多摩川」 安富六郎(著)  農文協 科学の視点で歴史検証

読書 「武蔵野・江戸を潤した多摩川」 安富六郎(著)  農文協 科学の視点で歴史検証

1 本書
学術書とも言える多摩川に関する本です。著者の安富さんは、農学博士で、自らの足で河口から源流まで、見て歩いて、自身で撮った写真、新旧の地図、古い資料を交えて、分かりやすく説明されています。

2 本書に関して
多摩川の歴史、特に、玉川上水に代表される河川工事について知りたくて買い求めました。羽村から四谷まで標高差126m、水平距離距離43㎞。江戸時代に、そこに造成された一本の水路は、局所的

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読書 「川ガキ」 村山 嘉昭(写/文)   飛鳥新社    川の美しさ、楽しさと危険を知るために遊ぶ 

読書 「川ガキ」 村山 嘉昭(写/文) 飛鳥新社  川の美しさ、楽しさと危険を知るために遊ぶ 

1 本書
川で遊ぶ子供たちのフォトエッセイです。子供たちの笑顔、一緒に心から笑わないと撮れないです。子供たちの秘密の遊びスポット、一緒に遊ばないと撮らせてもらえないです。レンズが曇ってない、レンズに水滴がついていない。子供達と遊びつつ、自分の仕事をちゃくちゃくとこなす村山さんでないと作れない作品です。

2 本書に関して
2013年6月にペンタックスフォーラム(東京新宿、今はない)で開催された写真

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読書 「講談社ブルーバックス」 世代を越えて読み継がれる自然科学の本達

読書 「講談社ブルーバックス」 世代を越えて読み継がれる自然科学の本達

扉の写真が汚い本棚ですいません
何が書かれているのか?興味を持たれたならば、ぜひ最後まで読んで下さい

1 本書
1963年創刊の自然科学系の新書シリーズです。2020年時点で2200点以上が発刊されているそうです。ここまでは、ウィキペディアの情報。子供のころからポチポチと買って読みました。今、手元にあるのは、前の仕事で学ぶ必要があり、買って読んだ「見えないものを見る技術」伊藤泰郎著、一冊です。

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春の蝶 #写真日記(2024年4月)

春の蝶 #写真日記(2024年4月)

東京郊外に生き残る蝶たち(春編)
春に里山周辺の散歩で会える蝶を紹介します。
幼虫が野草を食べて育つ蝶は、あるていど自然が保たれている場所でしか見られません。私の住む東京二十三区の西側、多摩地域の里山*は、高度成長期前まで広大な雑木林だったはずで、蝶が生き残るぎりぎりの環境です。

*奥多摩、高尾、秋川源流の山岳エリアを除く広大な地域

・ミヤマセセリ(写真1) 
 春に生まれてすぐに姿を消す、雑

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読書「イリオモテヤマネコ」横塚 眞己人 著 ブロンズ新社 暗がりの光を見出す

読書「イリオモテヤマネコ」横塚 眞己人 著 ブロンズ新社 暗がりの光を見出す

1 本書
横塚さんは、ダイビング専門誌の編集者から写真家に転向された方で、1980年代にイリオモテヤマネコの撮影のため西表島に移住し、長年かけて、この本が生まれました。この本以前のイリオモテヤマネコの映像は、そこにいた証拠レベルだったので、映し出されたヤマネコの姿に驚きました。感度が低くかったフィルムカメラでの撮影、その困難さを乗り越えた、まさに、プロ中のプロの仕事です。

2 本書との出会い

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読書 IEEEの学術誌「IEEE JournalとTransactions」Apart, Not Alone

読書 IEEEの学術誌「IEEE JournalとTransactions」Apart, Not Alone

Aprt, Not Alone 離れていても一人ではない
トップ写真は、コロナ下で世界がロックダウンしていたころに、IEEEから届いた会員へのメッセージです。"Apart, Not Alone"、世界中の研究者、開発者は、一人一人が別々に活動していますが、一つの目標に向かうライバルでありながら大切な仲間です。コロナ下でなくとも通じる素敵なメッセージでした。

1 本書
電気・電子(科学)の領域で

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読書「雪崩事故事例集」 日本雪崩ネットワーク 出川あずさ著 山と渓谷社

読書「雪崩事故事例集」 日本雪崩ネットワーク 出川あずさ著 山と渓谷社

1 本書
雪山登山、山スキーなどの活動でおきた雪崩の事例をひとつひとつ、一部は実地調査データを含めてまとめたもので、190件中58件の事例には、発生箇所の地図、写真、雪崩がおきた日の気象情報などが示されています。多くの人にとって、遊びの山登りで、安全対策をここまでのレベルで科学的に分析した本は、少なく、他は山と渓谷社の以下の二冊ぐらいでしょうか?

「登山の運動生理学百科」以前紹介
「生と死の分岐

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技術・科学番外編「LinkedInとResearcherGate」  日本の閉じた雇用環境に対する黒船

技術・科学番外編「LinkedInとResearcherGate」 日本の閉じた雇用環境に対する黒船

1 仕事で使うSNS
どちらも世界標準の専門性の高いSNSです。

LinkedIn
世界最大級のビジネス特化型SNSで、マイクロソフトが買収して持っています。主に専門的なネットワーキングとキャリア開発に利用され、さまざまな情報の開示に加えて、登録者が履歴書を公開し、会社がそれを見て採用の判断に利用しているのが特徴です。会社の求人公開もあります。

ResearcherGate
研究発表、論文、講

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三寒四温 #写真日記(2024年3月)

三寒四温 #写真日記(2024年3月)

季節は行ったり来たり

雪をかぶった富士山を見ながら散歩していると、小さな花や蝶が目に入りました。今日は、上着が不要なくらいのぽかぽか陽気ですが、長くは続きません。寒さがまた戻ってきます。
昔の人は、すてきな言葉を持っていました。三寒四温、まさにそうです。

花粉で眼がくちゃくちゃ、鼻水ずるずる。たいへんですが、季節の移ろいを体感するため、毎日歩いてます。

読書(新刊)「かながわ山岳誌」日本山岳会神奈川支部 山と渓谷社 ベテラン登山のあるべき姿

読書(新刊)「かながわ山岳誌」日本山岳会神奈川支部 山と渓谷社 ベテラン登山のあるべき姿

1 本書
神奈川県内にある山のガイド本の一つではなく、山登りのルートに加えて、山に関わるたくさんの情報、地理・地形、気象、自然(植物と動物)、山岳信仰,、山名の由来を調べる学習書です。地図が見やすくないので、エアリアなどの紙の地図か、電子地図を見ながら読むのをお勧めします。

2 本書との出会い
本書の制作に関わった方から、山の踏査をしていることを、三年ぐらい前に聞きました。取り組みを完遂し、自費

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読書「間違う力」高野秀行著 角川新書、「「ない仕事」の作り方」三浦じゅん著 文藝春秋、「バンダイナムコが大切にしているたった一つの考え方」石川祝男著 サンマーク出版

読書「間違う力」高野秀行著 角川新書、「「ない仕事」の作り方」三浦じゅん著 文藝春秋、「バンダイナムコが大切にしているたった一つの考え方」石川祝男著 サンマーク出版

今回は三冊まとめて紹介します。メーカで研究開発をしていた時に、読んで印象に残っている本です。科学、技術のカテゴリーから少し外れます。専門書(論文、特許含む)はたくさん読みましたが、ビジネス書はほとんど読んでこなかった人間でも、こんな本は読んだって記事です。
三冊とも成功した人の自慢話しでないの、と、馬鹿にしない方がいいです。

1 本書
想定読者はあるていど経験した会社員から、管理職かなと、思いま

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読書「アゲハチョウ」 松本克臣 著 山と渓谷社  駅前書店に思いをめぐらせる

読書「アゲハチョウ」 松本克臣 著 山と渓谷社 駅前書店に思いをめぐらせる

写真はAIで生成(合成)したのではないです。
めずらしく、種類の違う蝶が並んで吸水しているのを見つけて撮りました。長年見続けいると、いろんなシーンに出会います。

1 本書
著者の松本さんは、蝶や植物のフィールド写真の専門家で、図鑑、写真絵本などに関われています。この本は、日本の蝶の中でアゲハチョウ科に絞ってまとめられた写真集です。あとがきに本書を作るにあたっての撮影方針が書かれていますが、私が、

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蓄音機の音楽会 #写真日記(2024年2月)

蓄音機の音楽会 #写真日記(2024年2月)

100年以上前の技術で奏でられた音、心地よかったです。

聴かせてもらったのは、ジャズを中心にセレクトされた十数曲。ルイアームストロングの楽曲がよかったし、テネシーワルツもよかったです。司会者さんが曲ごとに板を入れ替えて、針を落とす。サラウンドどころか、ステレオですらなく、ノイズがいっぱい。でも、心に残る音でした。

町田市の里山周辺の小さなコミュニティから、蓄音機の音楽会の案内が届いたので、参加

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読書「2030年半導体の地政学」 太田康彦著 日経BP/日本経済新聞出版局  ムーアの法則は生き延びる?/その時日本は??

読書「2030年半導体の地政学」 太田康彦著 日経BP/日本経済新聞出版局  ムーアの法則は生き延びる?/その時日本は??

1 本書
タイトルの”2030年”がいいですね。ちょっと先の設定。直ぐだど、日本の半導体の復活はありえないけど、2030年なら、あるかもしれない。そう願いたい、多くの人の心情をうまく汲んでいます。技術、科学、マーケット、サプライチェーン、政治との関係・・。生半可な知識と経験では書けない本で、著者の太田さんは、全体を把握しつつ、ディテールも書ける数少ない人材。ライターでありながら、大学で半導体の基礎

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読書「登山の運動生理学百科」 山本正嘉 著 東京新聞出版局  山登りの科学/登山の安全を学ぶ名著

読書「登山の運動生理学百科」 山本正嘉 著 東京新聞出版局  山登りの科学/登山の安全を学ぶ名著

1 本書
著者の山本さんは、東京大学で教育学の学位をとられた人で、ヒマラヤや南米の山を岸壁登攀でも登っている、本格的な登山者でもあります。現在は、鹿児島の鹿屋体育大学のスポーツ生命科学系の教授です。

第一部:基礎編、第二部:応用編にわかれていて、普通の人であれば、基礎編だけを読めばいいです。私も第二部の高所登山に関しては、未経験だし今後も関わらないので、読み飛ばしました。
基礎編は三つにわかれて

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