かもざむらい

消化しきれない思いを、ままならない言葉にしたり。

かもざむらい

消化しきれない思いを、ままならない言葉にしたり。

記事一覧

忘れられない夜

人には、一生忘れられない夜っていうのがある。 記憶をなくしても、脳の何処かに削除できない一部として残ってる。そうとしか思えない。 ある夏の終わり。夜。心地良い風…

1

乗り換え電車の6分間

朝から自宅で作業をして、少し遅めに会社に向かう11:30。 乗り換えの駅で見たその女の人はかっこよかった。 僕の眼の前を颯爽と歩いていき、ホームのベンチに座った。背…

かもざむらい
2か月前

バー

バーで、アマレットサワーを飲んだ。 君に飲ませたいと思った。 「失礼します。お通しです。」 ジャーマンポテト。 あったかくておいしい。 「アマレット、お好きなん…

かもざむらい
2か月前

元カノが大好きだったバンドが解散した

元カノが大好きだったバンドが解散した時、本当に少しだけ、「嬉しい」と思ってしまった。 いや、嘘だ。 その感情の半分ぐらいは占めていた。 もう半分は、「ロックバンド…

かもざむらい
4か月前
7

全部全部全部全部全部

今もまだthe cabsを聴いている女の子と晴れた夜を駆け抜ける夢を見ていたそんな瞬間がリニアモーターカーのように高速でループする吐き気がするというかもう吐いてるここが…

かもざむらい
5か月前
1

あのライブの帰り道がたまらなく好きだった。

あのライブの帰り道がたまらなく好きだった。 僕らは2人で、繁華街を歩いていた。きらびやかな景色に似合わない、何年も着ているパーカーを羽織って、ライブの感想や解釈…

かもざむらい
6か月前
1

たのしいこと

かもざむらい
6か月前

CDで音楽を聴くこと

たまに、家で一人、夜な夜なCD音源をヘッドフォンで聴くと、あの時の感覚が蘇ってくる。音に、言葉に、歌に、圧倒されて、飲み込まれて、僕の中を支配する。響き渡ってその…

かもざむらい
7か月前
1

完成しすぎた。

君といるのは完成しすぎてしまった。 だって大抵のエモいことはできた。 春のお花畑、夏の終わりの花火、夜の公園、深夜の海、昼まで寝てた日。 鍵をポストに入れて出て…

かもざむらい
7か月前

溶けた銃口は

tetoの溶けた銃口は単語から個人的にAcid Black Cherryのピストルを彷彿とさせるんだけどドロドロさが違うし、ゆずのいちごはもっとポップだしフォーリミのmilkはもっと甘…

かもざむらい
8か月前

意味のない夜を

なんでもない大衆居酒屋で飲んで、デザートは頼まずに、コンビニでアイスを買って食べながら帰るのがいつもの流れだった。 下北沢から三軒茶屋までの道。 韓国風のネオン…

かもざむらい
8か月前
2

きみと音楽

きみと聴いていたあのバンドはもう聴けなくなった。 バンドに失礼かなあ。 お客さんを一人減らしちゃった。 でも思い出しちゃうから。 聴けないんだ。 ごめんね。 もっと…

かもざむらい
10か月前

忘れられない景色

っていうのは、いくつもある。 あのとき。あの場所。 出会った1000号館の前。 話し込んだアパートの玄関前。 チャリを押して帰った、車通りの少ない路地。 雪の日の線路…

かもざむらい
10か月前
1

君の住む街で新しい人と飲みに行くよ

君の住む街で新しい人と飲みに行くよ とても楽しい時間になるだろうね もしばったり出くわしたら中指を突き立ててやるんだ それで済むならいいけどね お店のナイフとフ…

①肉を切っていた

僕は肉を切っていた。 ゴンゴンと響く鈍い音。 赤黒い血が滴る。 積み上がっていく、肉。 それをガラス越しに子どもが見てくる。 「ラストオーダーなしでーす。」 ホ…

2

普通に死ぬほど好きだった

普通に死ぬほど好きだった 多分きっと幸せになりすぎたんだ そのくせ感情は殺しまくって 本当に言わないといけないこと 本当はもう分かっていた 認めたくなかった 本…

忘れられない夜

忘れられない夜

人には、一生忘れられない夜っていうのがある。
記憶をなくしても、脳の何処かに削除できない一部として残ってる。そうとしか思えない。

ある夏の終わり。夜。心地良い風が吹く。とても静かな海だった。 

近くのコンビニで買ったライターには砂が入って、途中で使えなくなった。
あーあ、なんて言いながら、きれいなワンピースのまま砂の上に寝転がった。
僕もその横に寝る。
静かな波の音。海と火薬と君の匂いが混ざり

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乗り換え電車の6分間

乗り換え電車の6分間

朝から自宅で作業をして、少し遅めに会社に向かう11:30。

乗り換えの駅で見たその女の人はかっこよかった。

僕の眼の前を颯爽と歩いていき、ホームのベンチに座った。背は高くない。

短い黒髪を徐ろに後ろで結び、ベージュのジャケットシャツを羽織り、古着っぽい太めのデニム、足元は茶系のアシックスのスニーカー。それに今日は朝から雨が降っていたので、水色の傘を手に持っていた。

電車が来て、同じ車両に乗

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バー

バー

バーで、アマレットサワーを飲んだ。

君に飲ませたいと思った。

「失礼します。お通しです。」

ジャーマンポテト。

あったかくておいしい。

「アマレット、お好きなんですか?」

イケメンバーテンダーは、グラスを洗いながら僕に聞いてきた。

「あー、そうですね。少ない知識の中で、好きなお酒で。」

「そうなんですね。いいですよね。アマレットは、タイガー・ウッズも好きらしくて。寝酒にしてるらしい

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元カノが大好きだったバンドが解散した

元カノが大好きだったバンドが解散した

元カノが大好きだったバンドが解散した時、本当に少しだけ、「嬉しい」と思ってしまった。
いや、嘘だ。
その感情の半分ぐらいは占めていた。
もう半分は、「ロックバンド」というものを愛し尊敬している感情から生まれる、「哀しい」という気持ち。
それは嘘ではない。
一緒にライブに行った。良い曲で、良いライブをすると感じた。今でも曲を聴けば、その元カノとの記憶が呼び起こされる。だから聴かないけど。

一目惚れ

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全部全部全部全部全部

今もまだthe cabsを聴いている女の子と晴れた夜を駆け抜ける夢を見ていたそんな瞬間がリニアモーターカーのように高速でループする吐き気がするというかもう吐いてるここがそうか桃源郷だったんだと認識している、僕が嫌いな言葉たちが宙を舞ってアイツのタバコの煙に巻き込まれるそんな未来はきっと来ないと信じていた。世界が濃い深い青に包まれたとしてもビルは爆発するしロッカールームからはバラバラの可愛い赤ちゃん

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あのライブの帰り道がたまらなく好きだった。

あのライブの帰り道がたまらなく好きだった。

あのライブの帰り道がたまらなく好きだった。

僕らは2人で、繁華街を歩いていた。きらびやかな景色に似合わない、何年も着ているパーカーを羽織って、ライブの感想や解釈を話していた。

あの歌詞ってどういう意味だろうね、とか。

あの曲の流れめちゃくちゃ良かったね、とか。

多分そんな感じだったと思う。あまり覚えてはいない。そういうもの。

人気のラーメン屋さんがいっぱいで、さすがに並ぶほどじゃないなあ

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CDで音楽を聴くこと

CDで音楽を聴くこと

たまに、家で一人、夜な夜なCD音源をヘッドフォンで聴くと、あの時の感覚が蘇ってくる。音に、言葉に、歌に、圧倒されて、飲み込まれて、僕の中を支配する。響き渡ってその音楽に集中する。その音楽のことでいっぱいになる。その音楽の乗って、宇宙に行ってる。これ宇宙に行ってるよ。

僕は思い出す。この音楽に生かされていたんだと。この音楽が、大好きだったと。

聴き流しすぎていた。本当に音楽に対して失礼だったと恥

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完成しすぎた。

完成しすぎた。

君といるのは完成しすぎてしまった。

だって大抵のエモいことはできた。

春のお花畑、夏の終わりの花火、夜の公園、深夜の海、昼まで寝てた日。

鍵をポストに入れて出ていったり、帰ってきたらかわいい置き手紙があったり。

キッチンで料理してる君に後ろから抱きついて、危ないからと笑いながら怒られた。

君が作るコンソメスープは玉ねぎが細くて、溶けていくようだった。

最初は恥ずかしがってたのに、いつの

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溶けた銃口は

溶けた銃口は

tetoの溶けた銃口は単語から個人的にAcid Black Cherryのピストルを彷彿とさせるんだけどドロドロさが違うし、ゆずのいちごはもっとポップだしフォーリミのmilkはもっと甘ったるい、とろとろって感じ

人それぞれのなんらかの夏があるし何もない夏もあると思うんだけど、よく目に入ったものは海かもしれないし空かもしれないし見慣れたテレビやティッシュかもしれないし
だけどそんな先の思いや過去の

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意味のない夜を

なんでもない大衆居酒屋で飲んで、デザートは頼まずに、コンビニでアイスを買って食べながら帰るのがいつもの流れだった。

下北沢から三軒茶屋までの道。

韓国風のネオンが灯るおしゃれ居酒屋。

アーティスティックなペイントのシャッター。

電動キックボードに乗って駆け抜ける人。

東京にかぶれてるとは思う。みんなそうだ。だけどどこか、気持ちが通じてる気もする。

お互いあまり顔は見ない。恥ずかしいから

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きみと音楽

きみと聴いていたあのバンドはもう聴けなくなった。
バンドに失礼かなあ。
お客さんを一人減らしちゃった。
でも思い出しちゃうから。
聴けないんだ。
ごめんね。

もっと売れたら、その時私は嬉しいかな。
きみとの思い出も一緒に大きくなっちゃう。
消えない過去になっちゃう。
売れないで。
大好きだから。
私の中だけに居てよ。

CDがなくても聴ける時代に、
CDを買うきみが好きだった。
「CD買うのすご

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忘れられない景色

っていうのは、いくつもある。

あのとき。あの場所。

出会った1000号館の前。
話し込んだアパートの玄関前。
チャリを押して帰った、車通りの少ない路地。
雪の日の線路の上。
いつものスーパー。夜中はクーラー効きすぎて寒かったな。
2人だけが知ってる、骨付きカルビが美味しくて、濃いめのコークハイを注いでくれる最高の居酒屋。
工場夜景がきれいなあの静かな海。水上花火。うさぎの島。
澄んだ空気と温泉

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君の住む街で新しい人と飲みに行くよ

君の住む街で新しい人と飲みに行くよ

君の住む街で新しい人と飲みに行くよ

とても楽しい時間になるだろうね

もしばったり出くわしたら中指を突き立ててやるんだ

それで済むならいいけどね

お店のナイフとフォーク全部出してきて

串刺しにしたままオーブンで焼き上げる

メインディッシュにしてあげるよ

いやそんなに美味しくないか笑

そのまま生ごみにしてグリストラップの餌食だ

ああそこまで処理してあげるなんて

そんな時間はないんだ

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①肉を切っていた

僕は肉を切っていた。

ゴンゴンと響く鈍い音。

赤黒い血が滴る。

積み上がっていく、肉。

それをガラス越しに子どもが見てくる。

「ラストオーダーなしでーす。」

ホールの方から声が聞こえたところで、僕は手を止めた。

…しゃぶしゃぶ用の豚肉スライサーも止まる。

あとは締め作業をして、明日の営業準備をしたら終わり。

僕は待ちきれず、手袋を外し、スマホを覗いた。彼女からの返信は、ない。

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普通に死ぬほど好きだった

普通に死ぬほど好きだった

多分きっと幸せになりすぎたんだ

そのくせ感情は殺しまくって

本当に言わないといけないこと

本当はもう分かっていた

認めたくなかった

本当はもう終わってるなんて

遂にやってくる

何もできないのに

怪獣みたいに歩いてる

悪いことをしたわけじゃない

こっちを見てほしいだけだった

僕はずっと愛を探している