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はじめまして、読んでくれてありがとう。 20231022

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はじめまして、読んでくれてありがとう。 20231022

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  • 羊の雲の過ぎるとき

  • ことばがうまくまとまらないんじゃなくて、 ことばがぽつぽつ、雨粒のように、貝殻のように、割れたガラスのように、 足元に散らばって、 拾い集めたらそれはそれではなくなってしまうから、 そのままで

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    エッセイ(essay):思索や意見、感想などを形式にとらわれず、簡潔に述べた文学の一ジャンル。

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    日中翻訳、気ままにやってます。 原作、中国語、言葉に興味を持っていただければ幸いです。

記事一覧

君たちってばそれは違うよ。
思い違いだよ。
僕はどこにも行けないんだ。
どこにもね。
ここにいるよ。ここに。

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2日前
1

escape

よく映画や小説、漫画などで見かける、学校やら会社に向かう電車で急にその気になり、そのまま終点の海まで行っちゃうような展開。 しかし、現実はそううまくいかないもの…

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3日前
4

カタンコトン

古い車両がゆらゆら、カタカタ。 前後に、左右に、上下に、くるくる回って。 微かに誰かの甘い香水の匂いが鼻を刺激する。 カバンに入っている携帯が鳴った気がする。 …

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10日前
7

林檎が落ちる

「因果関係とはなんですか。因とは、果とは?」 と聞かれた。 頭の中で思考をぐるぐる巡らせた。 因果関係。よく知っている言葉のはずなのに、僕は、君は、私たちはそれ…

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3週間前
5

花发多风雨

かばんの中は、財布と、数日前に3つ買った猫のおやつ(3つでお得だったので)の2つ目と、気になっていたセブンイレブンのホイップつぶあんパン。 ここ数日は出かけるたび…

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1か月前
12

♬ Episode 33

黒板にあんな文字が書いてあるのに、泣けなかった。涙が出てこなかった。 絞り出そうとすること自体罪に感じた。 君の反応を伺った。 これといった感情の起伏が特に感じ…

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1か月前
1

初夏の夢を見た。

初夏の夢を見た。 少し汗ばんだ両手が目の前に差し伸べられていた。 夏ってどうしてこんなにも汗が出るんだろうと、それとなく思った。 もしくは雨の後だったのかな。 白…

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1か月前
6

波の音が聴こえる

・ ・ ・ 波の音が聴こえる ・ ・ ・ 「ねえねえ」 誰もいない海岸のはずなのに、いつの間にか隣に女の子が一人立っていた。周りを見渡してみても、親らしき人物どころ…

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1か月前
4

はる

みなさんは聴きましたか。 ヨルシカの「晴る」。 とてもとても素敵な曲ですよね… 晴る。 アニメ『葬送のフリーレン』の2期オープニングテーマ。 ヨルシカの新曲が2期OP…

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2か月前
6

曇りのち雨雨

雨が降ると、世界が二つになる。 なに?意味がわからないって? わからなくてもいいさ。 世の中にはわからないこと、わかったつもりでいること、わかってもどうにもなら…

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2か月前
5

火车与夕阳

火车行驶在铁轨上。 你说它走得急吧,也没有很急。你说它走得慢吧,也没有那么慢。 我就这样看着沿路的树木花草,与夕阳相互交叉。一道一道残影重叠起来,再转瞬即逝。一…

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2か月前
1

你所说的曙光究竟是什么意思

春天,十个海子全部复活 在光明的景色中 嘲笑这一野蛮而悲伤的海子 你这么长久的沉睡到底是为了什么? 春、十の海子は全て復活する この光輝く景色の中 野蛮で嘆きの海子…

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2か月前

予言

分かりやすく言うとね 祝福と呪いに明確な違いはなくて 蒔かれた種が実るだけのこと 筋書きなんて似たり寄ったりで 同じ演目の繰り返し 「個体差」を付け足したはいいも…

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2か月前

適者生存か、ルート変更か

環境に適応するか、それとも環境を変更するか という問題がある。 環境に適応できるならそれに越したことはないが、正直言って、「合わない」とはっきり思える、かつ環境…

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2か月前
7

“一种相思,两处闲愁。”

今日の天気予報は雪。 お昼を食べ終わった頃、町ゆく人が傘をさし始めた。はじまったかと、お店を出た後、近くの公園で何かを待つように少し歩いた。雨のままの雨をぼんや…

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3か月前
2

2杯(🐏)眩

習慣的に画面をタップする 13:48 そろそろ本日2杯目のインスタントを淹れてもいい頃合いだろうか、、 … ぞろぞろのろのろ 毒が回りきった四肢を引き摺って歩き 道…

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3か月前
1

君たちってばそれは違うよ。
思い違いだよ。
僕はどこにも行けないんだ。
どこにもね。
ここにいるよ。ここに。

escape

escape

よく映画や小説、漫画などで見かける、学校やら会社に向かう電車で急にその気になり、そのまま終点の海まで行っちゃうような展開。

しかし、現実はそううまくいかないものだった。

電車の辿り着く先は必ずしも海だとは限らないし、君が行きたい海とは限らない。これで如月駅とかなんとかまで連れて行かれた暁にはお終いである。興味がないと言われれば嘘になるが、こういったストーリーの結末は決まって碌なことにならないの

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カタンコトン

カタンコトン

古い車両がゆらゆら、カタカタ。

前後に、左右に、上下に、くるくる回って。

微かに誰かの甘い香水の匂いが鼻を刺激する。

カバンに入っている携帯が鳴った気がする。

眩しい気がして、瞼をゆっくりとあげる。

どこに向かっている?

僕らは街を抜けた。

森を抜けようとしている。

窓から見える濡れた黄緑が五感を潤す。

まるで夢の中にいるようで、僅かに霞んでいる。

水が束になって、僕の心の上を

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林檎が落ちる

林檎が落ちる

「因果関係とはなんですか。因とは、果とは?」

と聞かれた。

頭の中で思考をぐるぐる巡らせた。

因果関係。よく知っている言葉のはずなのに、僕は、君は、私たちはそれが「なんなのか」を考えたことがあるだろうか。

それっぽいことを考えたこともあっただろう。結論は?出てないはずだ。

でも自然に、頭の中で円を描いていた。

因が果を呼び寄せ、果が新たな因を孕む。新たな因がまた果を引き起こす。私はその

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花发多风雨

花发多风雨

かばんの中は、財布と、数日前に3つ買った猫のおやつ(3つでお得だったので)の2つ目と、気になっていたセブンイレブンのホイップつぶあんパン。

ここ数日は出かけるたびに母に朝食のパンを買って帰っている。パンが好きな人なんだけれど、高いからと言って、いつも食パンを食べたりして節約している。私が買ってくることにも、ときどき「高いからいいわよ」と言ってくれるのだが、別に毎日って訳でもないし、ここ数日はセブ

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♬ Episode 33

♬ Episode 33

黒板にあんな文字が書いてあるのに、泣けなかった。涙が出てこなかった。
絞り出そうとすること自体罪に感じた。

君の反応を伺った。

これといった感情の起伏が特に感じられず、関心もないと見た。

なので構わず座ってビデオの続きを見ようとした。

すると君が隣にやってきて、こちらに意味不明な視線を投げかけてきた。いや意味なんてないことはわかっている。

わからないよ、言ってもらわないと。

嘘かも。大

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初夏の夢を見た。

初夏の夢を見た。

初夏の夢を見た。

少し汗ばんだ両手が目の前に差し伸べられていた。
夏ってどうしてこんなにも汗が出るんだろうと、それとなく思った。
もしくは雨の後だったのかな。

白いワンピースを着ていた。
そんなワンピース持ってないけど。

何をしていたのだろうか。
自転車にでも乗っていたのかな。

バターをフライパンに満遍なく広げた。
子どもの声なんてあったっけ。

でも、嫌な暑さじゃなかった。
現実はまだ、

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波の音が聴こえる

波の音が聴こえる





波の音が聴こえる





「ねえねえ」

誰もいない海岸のはずなのに、いつの間にか隣に女の子が一人立っていた。周りを見渡してみても、親らしき人物どころか、人がいる気配すらまったく感じられない。

「…どうしたの?」

「おねえちゃん、なにしてるの?」

私はおもむろに視線を海の方に向ける。

「んー、海を見ているよ」

「海?」

そう言って、女の子も私の視線を辿り、海の方を

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はる

はる

みなさんは聴きましたか。
ヨルシカの「晴る」。
とてもとても素敵な曲ですよね…

晴る。

アニメ『葬送のフリーレン』の2期オープニングテーマ。
ヨルシカの新曲が2期OPだよと、アニメ好きの友達に教えてもらったのが、曲を知るきっかけだった。興味はあったが、その頃の私はまだアニメを観ていなかった。

しかし、もとより私はヨルシカがとても好きで、それでn-bunaさんのボカロもとても好きなので、テレビ

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曇りのち雨雨

曇りのち雨雨

雨が降ると、世界が二つになる。

なに?意味がわからないって?

わからなくてもいいさ。
世の中にはわからないこと、わかったつもりでいること、わかってもどうにもならないことみたいなのがうじゃうじゃあるんだよ。
だから、わからなくてもいいの。

わかるように話そうとしてないのが問題?

いいじゃないか、話したってどうせわからないんだから、テキトーに、それっぽく話すくらいがちょうどいいんだよ。
別にわ

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火车与夕阳

火车与夕阳

火车行驶在铁轨上。

你说它走得急吧,也没有很急。你说它走得慢吧,也没有那么慢。

我就这样看着沿路的树木花草,与夕阳相互交叉。一道一道残影重叠起来,再转瞬即逝。一个一个光晕闪现,洒满车窗,落在我身上。光线忽明忽暗,那些我不曾知晓名字的灰尘,浮在空气中,仿佛时间静止了一般。我开始回忆,这一路过来的快乐与辛酸。

不知为何,那阳光照射进我的眼眸,是那么的刺眼,我却一点也不想移开。我不知何时跟它较上了

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你所说的曙光究竟是什么意思

你所说的曙光究竟是什么意思

春天,十个海子全部复活
在光明的景色中
嘲笑这一野蛮而悲伤的海子
你这么长久的沉睡到底是为了什么?

春、十の海子は全て復活する
この光輝く景色の中
野蛮で嘆きの海子を嘲笑う
その長きにわたる眠りはなんのためにある?

春天,十个海子低低地怒吼
围着你和我跳舞、唱歌
扯乱你的黑头发,骑上你飞奔而去,尘土飞扬
你被劈开的疼痛在大地弥漫

春、十の海子は低く怒号を放つ
あなたと私を囲って踊り、歌う

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予言

予言

分かりやすく言うとね
祝福と呪いに明確な違いはなくて
蒔かれた種が実るだけのこと

筋書きなんて似たり寄ったりで
同じ演目の繰り返し

「個体差」を付け足したはいいものの
「汎用性」がないとも言い切れない

ただ
一つのマスにつき一つというルールなので
どちらかを飲み込めば
残った方が腐る仕様で

太陽のあたるところがあれば
あたらないところもあるわけで

いつもその銃弾を避けようと
身体をねじ伏

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適者生存か、ルート変更か

適者生存か、ルート変更か

環境に適応するか、それとも環境を変更するか

という問題がある。

環境に適応できるならそれに越したことはないが、正直言って、「合わない」とはっきり思える、かつ環境を変更することが可能であれば、さっさと環境を変えた方がいい。

その境界線、つまりどこまでが環境に慣れるための「努力」で解決できて、どこまで行ったら「環境そのものの問題」かというのは、個人差と環境差もあるので、ご自身で判断ください、とし

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“一种相思,两处闲愁。”

“一种相思,两处闲愁。”

今日の天気予報は雪。

お昼を食べ終わった頃、町ゆく人が傘をさし始めた。はじまったかと、お店を出た後、近くの公園で何かを待つように少し歩いた。雨のままの雨をぼんやり眺めていたら、休憩時間ぎりぎりになったので、仕方なく小走りで仕事に戻った。

パソコンに文字やらを打ち込みながら、視線を何度も窓に向ける。

降るだろうか。

何度目か分からない窓に向けた眼に、白い空には少し灰がかって見えるぽつぽつが映

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2杯(🐏)眩

2杯(🐏)眩

習慣的に画面をタップする

13:48

そろそろ本日2杯目のインスタントを淹れてもいい頃合いだろうか、、



ぞろぞろのろのろ

毒が回りきった四肢を引き摺って歩き

道すがら誰かの画鋲を蹴ってしまいました

どうしてダイヤモンドじゃないのかと

鉄の箱にしまいました

そうして今日も飽き足らずにサンプル集めでしょうか

たしかに廊下の果てに物語の終わりを垣間見たのです

そうして明日も二色

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