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エッセイ『眠れない夜の話』

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眠れない夜につらつらと書いていることを少しだけ共有します。眠れない夜に読んでください。いい夢が見れますように
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知らないことが待っている

知らないことが待っている

何かを書きたい。文章としてアウトプットしたい。そういう気持ちはあるのに、上手く言葉としてまとまっていかない。インプットがないからアウトプットできないだけなのかとも考えたが、常にいろんなことは考えてはいるし、いい意味でも悪い意味でも心が動かされる瞬間は多くあって、その都度自分の視点からの感情は持ち合わせているはず。それなのにそれをどう表現したらいいのかが分からない。こういう状態に突然陥ってしまう。

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『接続』を失った世界

『接続』を失った世界

接続を失った世界には何が残るだろう。
今ではスマートフォンを小学生からお年寄りまで手にするようになり、インターネットやSNSは益々世の中に普及していき、365日24時間、電波の届くところであればどこでも人と繋がり、コミュニケーションを取ることが可能になった。好きな時に愛を伝えたり、好きな時に情報を得ることができる、親指一つで世界中の物が買える、街中のお店の場所が分かる。便利な世の中になった。
僕ら

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カーテンの向こうで揺れる光

カーテンの向こうで揺れる光

季節が変わる。季節が変わった。
その境目はいつだって曖昧で、グラデーションのように緩やかで、少しずつ氷を溶かすように染み渡っていく。夜が朝になるように、人が大人になるように、誰にも定義できない概念がある。

冬が春になることを僕は昔から何故だか嬉しく思う。夜が終わり朝になる、カーテンから光が溢れてくる瞬間をあれほどに憎んでいたはずなのに。皮膚に差す陽の光の暖かさを感じるたびに心が軽くなるような、深

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感情の波と宇宙の果て

感情の波と宇宙の果て

最近はnoteが更新できてませんね。
特に「眠れない夜の話」については眠れない夜が減ってきているので書けなくなっています。とてもいいことです。
普段は怒りや悲しみや感情がざわめいた時に思うまま深夜の感情が昂り、果てしなく自分の心が宇宙と接続する時間(個人的な感覚)に書いています。作家の人はそういう書き方をする人が多いのでしょうか。音楽を作る人は夜中に作業をする人が多いと聞いたこともありますが、僕も

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たまには日記でも書いてみよう

たまには日記でも書いてみよう

たまには日記でも書いてみよう。
タイトル通りのことを思ったので書き始めている。曲名でも小説のタイトルでも、こういった記事のタイトルでも人はどのタイミングでタイトルをつけるのだろう。僕はタイトルを先に決めてしまうと、タイトルに引っ張られすぎて内容が徐々に型にはめられていってしまう感覚がするので、着地点を決めずにひとしきり書き切ってからいつもタイトルを決める。他の人がどう決めているのかは少し気になる。

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雨の日のお友達

雨の日のお友達

小学生低学年の頃…いや、もしかしたら幼稚園に通っていた頃だっただろうか。梅雨時の大雨が通り過ぎた後の水溜まりだらけになったグラウンドで、待ち切れなかった僕らはキャッチボールをしていた。
兄と兄の友達と僕。僕は幼い頃いつも兄に着いてどこへでも行っていた。よくみんなで遊ぶ時に弟と一緒に遊びにくる友達のその弟だった。

兄がピッチャー、兄の友達がバッター、そして僕は外野。今考えればボール拾いのような役回

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祖父の葬儀

祖父の葬儀

土曜日の朝、祖父が亡くなった。
午前4時ごろ、文章から感情が読み取りづらい父からの長めのLINEで知った。今日はおじさん特有の絵文字もなく、句読点がやけに目立つ文字の羅列を眠い目で読みながら自分の中では既読無視とカウントしない寝落ちをした。

葬儀は水曜日に行われることになった。
人が死んでしまった後、身体だけがこの世に残されて燃えて尽きるまでの間のこの入れ物としか思えないもののことを考えてしまう

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シャワーの粒

シャワーの粒

シャワーを浴びてる時に昔からよく考え事をする。今日やってしまった出来事、さっきまでやっていた課題のこと、作り途中の曲のこと、好きな女の子のこと、自分自身の心のこと…。

そしてなぜか急に閃きが走る。シャワーを浴びてる最中に、世界がひっくり返るほどの閃きが。
そんな自分に"すげー"と感じながら忘れないようにシャッシャか身体を洗い、泡を流してウキウキしながら着替えて部屋に戻る。

すると何もかもを忘れ

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はみ出した自由

はみ出した自由

大阪のホテルで1人これを書いている。
思い立って大阪に来た。友達に会いに来たという名目はあるものの、8月のフジロックまでの期間に生きる楽しみがなかったからというのが本当の大きな理由だ。
大阪のホテルで1人こんな時間にこんなnoteを書いている。すごく快適で自由なはずなのに普段と同じような夜を過ごしていることが少し虚しい。

昨年の2月からコロナウイルスが蔓延し、それからは他の県に行くとしても東京と

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下北沢が暑かったあの夏のこと

下北沢が暑かったあの夏のこと

今日は下北沢にライブを観に行った。
昔バンドをやっていた頃にたくさんお世話になったライブハウス下北沢Basementbarに初めてお客さんとしてライブを観に行った。

いつもはギターを担いで「おはようございまーす」ってお昼に入っていくライブハウスに夜に手ぶらで向かうのが新鮮で、なぜか少し緊張した。
受付でチケットを見せて、「お目当てのバンドは?」という件を済ませてライブハウスに入った。入ると一番に

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バタフライエフェクトの毎日

バタフライエフェクトの毎日

人は学ばない。驚くべきことだ。
1年前に落ち込んで半年前に立ち直ったことと同じことでまた落ち込んでいる。
どうして人は立ち直った時に"もう大丈夫だ"とどこかで思ってしまうのだろう。これは「完璧に治ったね症候群」だ、きっと。
勝手に作った病名なのだが、『時計じかけのオレンジ』のラストの台詞である「完璧に治ったね」からとったオリジナルの症候群だ。すぐ症候群という名前を付けたくなる。症候群と付ければ何か

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偶然はつけられた側の名前

偶然はつけられた側の名前

たまたま近くにいたこと、偶然出会えたもの。そういったもので人の一生は作られていて、それが何よりも大切だったりする。
僕らはどうしても手に入れたいもの、取り返したいものに出会った時に必死になって考えて、必然性の上で行動を起こそうとする。
それでも偶然には敵わない、気まぐれには決して敵わない。それが本気であろうがなかろうが。
決まって人は運命や奇跡と名付けて信じようとする。そこに意味を見出していく。演

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ヘヴンズドアーは開いている

ヘヴンズドアーは開いている

今日は1ヶ月に一度定期的に高校の頃のバンドメンバーがやっている整体に行く日だったので、昼頃に連絡を取って向かった。
途中でハンバーガーを買ってこいという指令があったので、途中の駅のマクドナルドでハンバーガー2つを買って向かう。
その友達がやっている整体院が母校の高校の近くなので、自然と高校へ通学していた電車に乗ることになる。平日のお昼前の時間帯。いつもサボって3時間目に通学していた自分にとってはこ

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ありがとうを言うまでに考えたこと

ありがとうを言うまでに考えたこと

"コミュ障"という言葉がある。
いつからこの言葉が使われ始めたのだろう。おそらく今から10年も経たないくらい前の自分が高校生から大学生の頃から頻繁に使われ始めた気がする。
医学的な"コミュニケーション障害"とは違って、ネットスラング的に使われる"コミュ障"という別の存在で、以下ような特徴があるようです。

・自分から話しかけることができない
・会話が続かない、キャッチボールができない
・まわりの空

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