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書くときにも描くときにも

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デザイナー、作家、俳人、ライターなどプロの皆様から学ぶマガジンです✨ コメント欄までじっくり読んでいただきたい記事ばかり。 (一部、学生さんの記事や拙文もあります。)
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記事一覧

いい文章が書ける最短の近道

いい文章が書ける最短の近道

いい文章が書ける最短の近道を紹介します。
いい文章とはなにか。この答えを求めて、三島由紀夫の『文章読本』という本を読んでいると「文章を味わう」という表現が出てきました。
「文章を味わう」とは、文章を読むとは少しちがう感覚だ。文章を読むよりももっと文章の中に入り込む作法のことです。この表現が好きだとか、この言葉選びが好きだという、文章の細部にまでこだわって、それを受け取ったり、楽しんだり感じながら具

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【万人ではなく特定少数の共感を】心を揺るがす文章を生み出す方法

【万人ではなく特定少数の共感を】心を揺るがす文章を生み出す方法


「剌さる」が人を選ぶのはなぜ?心の中の負の部分が「剌さる」を発見する

 なぜ、ある人には刺さり、ある人には刺さらないという現象が起きるのでしょう。それは、ある人に目につくものは、その人の内面そのものだからです。

 風景は誰にでも見えるものではなく、目の前で葉が風に揺れても、花が咲いていても、見えない人には見えません。
 風景は、内面が発見するものだからです。

 だから、抱えている問題が違え

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【随想】「ことだま」を信じなくとも言葉を使えますけれど

【随想】「ことだま」を信じなくとも言葉を使えますけれど

 最近、新聞、雑誌の記事、連絡メールを読んでいて思うことがございます。

 情報を必要とする人に必要な情報として伝えるためには、「5W1H」(いつ、どこで、だれが、何を、どうしたのか、それはなぜか)という基本を踏まえることが重要とされているのにもかかわらず、この基本を知らないのか、全く忘れてしまったのか、基本を踏まえたものが異常なくらい少ないのでございます。

 これは発信する側の問題なのですけれ

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自由に生きたい、と人は言うけれど

自由に生きたい、と人は言うけれど

「自由に生きたい」ということを
今までたくさん読んで、観て、出会ってきた
フィクションの中の登場人物たちは言っていた

彼ら、彼女らの背中を追いかける

どう考えてもたくさんのものに拘束されていて
朝、出勤する反対方向の電車に急に飛び乗ったり
なんて到底できる気もしない僕たちは
「自由に働きたい」ということを
合言葉のように夜な夜な口ずさんでいる

自由ってなんだろう

会社に縛られたくない、依存

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当たり前の価値を超えていくこと

当たり前の価値を超えていくこと

多くのデザイナーは、デザインの価値や理論を主張しています。私も勿論そのうちの1人です。しかし、より重要な視点があります。

1. 課題の奥に潜む課題先日、人材紹介会社様と会話した際の出来事です。人材紹介会社は「優れた人材を紹介する」という提供価値を持っています。

私は業務委託の方を採用したい。それが足元の課題です。先方は「マッチする人材を紹介」すれば、役割を果たすことになります。事実、私もそれを

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【詩】泉は渇く人を誘う

【詩】泉は渇く人を誘う

のどが渇く
心が渇く
何かが渇く

どうぞお立ち寄りください

ここではすべてが癒される
ここではすべてが潤う
ここではすべてが満たされる

どうして乾いてしまったの
いつの間に乾いてしまったの

気づけばふらふらふうらふら
緑のささやきに誘われて
いつもは踏み込まない森の奥

そっちは危ないよ
誰かが叫んだかもしれない

そっちは行かない方が良いよ
誰かが忠告してくれたかもしれない

踵を返そう

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小説の書き方

小説の書き方

こんばんは。

さてと。
わたしは今から仕事です。

最近いろいろな方が、初めて書いている拙作を読んでくださるようになりました。感謝に堪えません。

なにかモデルがあって真似して書くのと違い、オリジナル小説はこれほど難しいのかと参っています。

たくさんの小説をnoteで拝読したことで分かったのは、みなさん完成してから投稿しているのですね。

わたしの場合、殴り書きのメモ帳の状態というか、パーツが

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「書きたいけど書けない」ときに試したい5つのこと

「書きたいけど書けない」ときに試したい5つのこと

こんにちは!

前々回、「うまい文章」を以下のように定義しました。

=================================

うまい文章=「わかりやすさ」×「モチベーション」×「独自性」

=================================

今回は、2つめの要素である「モチベーション」を高める方法を解説します。

1つめの「わかりやすさ」はこちら。

レポート、感想

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デザインスキルを上げるならこれを読むべし!基本の人間工学記事 3選

デザインスキルを上げるならこれを読むべし!基本の人間工学記事 3選

こんにちは!東芝UIデザインチームnote事務局の小林Jです。

みなさんは「使いやすさ」について、どのように考え、どのようにデザインしていますか?ちゃんと「使いやすい」ものづくりができているか不安になったことはありませんか?

そんな時によりどころになるのが「人間工学」です。
「人間工学」とは、人間にとって使いやすく、安全な道具や製品、システムを考える学問です。人間特性をもとに環境や道具の使い勝

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どんなところへもいってみていいとわかった2023年展覧会「new born 荒井良二」

どんなところへもいってみていいとわかった2023年展覧会「new born 荒井良二」

待ちきれなくて、はじまってすぐその展覧会に行った。
片道3時間の美術館へ。
7月、夏らしくない雲り空だった。
今年をふり返り、この展覧会が自分にとって大切なものだったことを思い出した。

展覧会「new born 荒井良二 いつもしらないところへたびするきぶんだった」

荒井良二さんの絵本では「きょうはそらにまるいつき」「たいようオルガン」「ぼくのキュートナ」がとくに好き。
絵と同じくらい、文字も

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【お仕事】真夜中のメンター 死を忘れるなかれ 【デザインメイキング】

【お仕事】真夜中のメンター 死を忘れるなかれ 【デザインメイキング】

実業之日本社さんより北川恵海さん著「真夜中のメンター 死を忘れるなかれ」のイラストとデザインを担当させていただきました。

【あらすじ】

すべての悩める人に贈る、人生応援ストーリー! ちょっと勇気がわく! 元気が出る!!

「どうも、こんにちは。あなたのメンター、アダムソンです! 」

大ベストセラー『ちょっと今から仕事やめてくる』著者最新作!!!

彼の肩書は「メンター」
その仕事は、話を

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【短編を制する者は小説を制す】短編で学ぶ小説講座(2014年6月号特集)

【短編を制する者は小説を制す】短編で学ぶ小説講座(2014年6月号特集)


短編の書き方の特徴 短編小説は、400字詰め原稿用紙で言うと、100枚以内の作品になり、文学賞で100枚以内の枚数のものは短編の賞に分類されます。
 もちろん、はっきりした決まりはありませんので、単行本になった短編集の中には150枚ぐらいのものもありますが、短くて10枚、長くて100枚、多くは60~80枚ぐらいという感じでしょうか。5枚、3枚、もっと少なくて300字といった枚数の短編は掌編と呼ば

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 【あなたの文章、実は「読みにくい」かも?】文章をぐっと読みやすくするコツ(2011年8月号特集)

【あなたの文章、実は「読みにくい」かも?】文章をぐっと読みやすくするコツ(2011年8月号特集)


係り受けだよ文章は文節は意味が分かる最小の単位

 文は文節に分けられます。文節は、意味が分かる範囲で、できるだけ短く切ったまとまりです。
 文節に分ける方法は簡単です。合いの手を入れて読めば分けられます。
「私は(ねえ)たらこの(ねえ)パスタが(ねえ)好き。」
 はい、できました。
 多くの文節は、あとにある文節に係ります。これを係り受け関係と言います。
「書くことは楽しい。」
 この場合、

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【気の向くままに書いてない?】ワンランク上のエッセイを書くために必要なこと(2014年8月号特集)

【気の向くままに書いてない?】ワンランク上のエッセイを書くために必要なこと(2014年8月号特集)


エッセイの定義エッセイってなに?

 エッセイの語源はフランス語のエッセ(essai)で、これは試みという意味だそうです。
 一方、日本語で随筆と言った場合、随には勝手気ままという意味がありますから、筆のおもむくままに書いたものという印象が強くなります。
エッセイを辞書で引くと、

とありますが、1はエッセイを随筆の面から捉えたもの、2はエッセイをフランス語のessai の面から捉えたものではな

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