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映画『The Zone of Interest(関心領域)』
昨日、いつもの映画館で映画を観た。『The Zone of Interest』は、アウシュビッツ収容所の壁を隔ててすぐ隣に住んでいる所長とその家族を描いた映画だったのだが、想像していた以上に恐ろしい作品だった。
100万人以上のユダヤ人が虐殺された収容所のすぐ横に、”普通の“家族の暮らしがあった。
その家族は、すぐ隣で起きている凄惨な行いが何であるかを知っているはずである(こどもたちがどこまで知
娘と2人旅〜グラストンベリーでのリトリート③〜
丘から下りるにあたり、「靴を脱いで裸足で下りようよ。昨日も裸足で芝生の上を歩いたら気持ちよかったでしょ」と娘に提案をした。しかし娘は「イヤ。今はまだ朝露で濡れているから冷たそうだし」と言うので「それがひんやりして気持ちいいんでしょうが。朝露とともに余計なケガレも流したらいいじゃない」と答えると「ただでさえ私の足は冷たいのに、これ以上冷やす必要ないし」とまた反論してきたので、「じゃあもういいよ。お母
もっとみるボブ・マーリーの死因と息子の日本語
昨日、ボブ・マーリーの半生を描いた伝記映画「BOB MARLEY: ONE LOVE」を観た。
ボブ・マーリー、言わずと知れたレゲエの神様、ジャマイカのレジェンド。顔と名前、「One Love」くらいは見知っていたけれど、特に彼のファンだというわけではなかった。
なので、この映画を観て、初めて彼について知ることがたくさんあったーーーもちろん、伝記映画とはいえ、映画の中のできごと全てが事実ではないこ
ミス日本2024に思うこと
「ミス日本コンテスト」なるものがある。誰しも一度は聞いたことがあるだろう。
このコンテストは、第二次世界大戦後、衣食住の全てにおいて困窮していた日本に、アメリカの救援公認団体が食料や衣服の支援を行ったことに対して、感謝の意を伝えるために女性親善使節を送ることになり、その使節の選抜のために開催されたのが、その始まりだという。
いや、感謝の意を伝えるもなにも、日本が困窮するような状況に追い込んだのは、
"noise in the shadow" 友人の個展を訪ねて
同郷で日本画家の友人が、ロンドンで初めての個展を開催中とのことで、昨日は日中に一人でふらりと、今日は夕方に家族と一緒に、2日続けてロンドン中心部にあるギャラリーを訪ねてきた。
"noise in the shadow"
この個展のタイトルである。その言葉通り、ひとつひとつの作品から、静かに音が流れているのを感じた。風に煽られる和紙の音、筆と紙が擦れる音、顔料を溶かす音、飛び散る音、友人(画家)の