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抗がん剤各論~微小管阻害薬~
微小管二重らせん構造をとっているDNAだが非常に長いため、普段は特殊なたんぱく質を中心に固まっている。この固まった状態を染色体と呼び、必要な時に必要な場所だけが緩んで、少しだけほどける仕組みになっている。細胞分裂時、この染色体を2つに分ける働きをするのが微小管である。
種類細胞分裂には、①微小管が伸びて染色体と一体になった「紡錘体」と呼ばれる構造を形成する時期と、②紡錘体が分裂して微小管が切れ(
抗がん剤各論~抗腫瘍性抗生物質~
DNAに結合し、合成を阻害するにより抗腫瘍効果をあらわす薬剤である。土壌に含まれるカビなどの微生物から作られた製剤であり、抗腫瘍性抗生物質(または抗がん性抗生物質)と呼ばれる。これも消化器癌に用いられることは少ないため、サラッと紹介のみに留めておく。
種類(数が多いため、一部のみ記載)<アントラサイクリン系>
ドキソルビシン(アドリアシン)
アクラルビシン(アクラシノン)
アムルビシン(カルセド
抗がん剤各論~トポイソメラーゼ阻害薬~
トポイソメラーゼ2重らせんになっているDNAを複製するためには、ほどいて1本にしたり、また2本に戻したりする必要がある。このDNA立体構造を維持、変化していくのに必要な酵素がトポイソメラーゼであり、その作用を阻害するものがトポイソメラーゼ阻害薬である。トポイソメラーゼ阻害薬によってDNAの切断・再結合がうまくいかなくなったがん細胞は正常な分裂ができなくなり、アポトーシスが誘導される。
種類トポイ
抗がん剤各論~代謝拮抗薬~
前回、抗がん剤には①代謝拮抗薬、②アルキル化剤、③プラチナ(白金)製剤、④抗腫瘍性抗生物質、⑤トポイソメラーゼ阻害薬、⑥微小管阻害薬があることを書いた。今回はその内の一つ、代謝拮抗薬についてである。
代謝拮抗薬の種類抗がん剤は主に細胞分裂を阻害することで効果を発揮すると前回記載した。細胞分裂には、核酸を合成する、DNAを複製する、分裂するの大きく3つの要素があり、この核酸合成を阻害するのが代謝拮
ストレスがお腹に来る人へ ~過敏性腸症候群~
緊張したり不安になったりすると、お腹を下してトイレに駆け込む人、いないだろうか。過敏性腸症候群(Irritable bowel syndrome=IBSと呼ばれることが多い。以下、IBSと略)。と呼ばれる病気があり、今回はそのお話。過敏性腸症候群にペパーミントが有効である、という報告があるらしいよ。
過敏性腸症候群になる原因ストレス
原因として多く挙げられるのがストレスである。IBS患者に心理