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作者が透けて見える小説は駄作?
僕の小説を読んだ知人から「この作品、自分のこと書いたんでしょ?」と言われて恥ずかしい思いをしたことがあります。
物語に入っているときに作者の顔が透けて見えたら急に現実に引き戻されるし、興醒めだし、作家としての腕のなさを指摘されたような気になったからです。
で、それ以来、作者の影はできるだけ作品中から消そうと思ったわけですが、数年やってみて、いや、ちょっと違うかもしれないと思い直しました。
作
3分で語るままならない創作の日々(2024.3.23)
創作は孤独との戦いだ。常にだれかに囲まれているように見える売れっ子作家も、生きているのか死んでいるのかわからないような木っ端作家も、机に向かうときは、戦いに臨む時間は、究極的な意味で孤独だ。従って、この孤独に呑まれないための算段が作家には必要となる。
売り上げを気にしたり心無いコメントに傷ついたりいつ終わるとも知れないリテイクの連続に疲弊したりしながら、それでも孤独に押しつぶされない心の健全さを
3分で語るままならない創作の日々(2024.3.21)
ぼくは九州に住んでいる。妻の実家の近くに移り住んで約8年になるが、ここはぼくの知らない土地だ。だから知り合いはいない。ぼくは父の仕事の都合で小さいころから引っ越しを繰り返してきたから、特に故郷と呼べる土地も持たない。最近テレビでぼくみたいな環境で育った者のことを”根無し草ゆえのアイデンティティー・クライシス”と表現しているコメンテーターがいたけれど、ぼくのアイデンティティーはたしかに土地に根ざして
もっとみる3分で語るままならない創作の日々(2024.3.20)
朝起きて子どもを保育園に送り出し、散らかった家を片付け、ちょっと息抜きをするともう9時10時になっている。
机に向かって頭が小説脳になるころには昼ご飯の時間で、テレビを見ながら軽く食べ、また執筆に戻ると2時くらいになっていて、子どもが帰ってくるまであと○○時間だから、などと考えながらパチパチやっているとあっという間に夕方だ。
保育園でフル充電してきた子どもが就寝するまで、いや、時には10時11
創作が楽しいと思っていたあの頃はもう戻ってこないのか?いや戻ってこい。
辰だ!竜だ!ドラゴンだ!
令和6年ですね。明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
不甲斐ない令和5年昨年は、改名したりiPadで絵を描いてみたり、多少の変化はあったものの、作家として結果をなにも残せませんでした。書いていないわけじゃないんですが、執筆がはかどらなかったり、調整に時間がかかったりとかで、結局一冊も本を出すことができず、新しい作品を世に発表することもできませんで
幼稚園のクリスマス会でサンタクロースをやったら……。
本業とはなんの関係もありませんが、自分の子どもがお世話になっている幼稚園のクリスマス会でサンタクロースの役をおおせつかりました。
当日、とある園児から「サンタさんはどんな食べ物が好きですか?」と質問を受けました。英語で回答すれば本物っぽさが増すだろうと考えた僕は、すかさずポケットから携帯を取りだし、Googleの翻訳アプリを使いながら英語回答しました。
なぜか先生や保護者の皆さんに大ウケでした
装甲列車が走る!『ソコレの最終便』連載開始!
霧島です。大変ごふさたのnote記事ですが、連載作の準備にすべてのエネルギーを費やしておりました。
しかし始まりました。企画から1年半かかりましたが、ようやくです。去る5月17日、霧島の第五作品目となる「ソコレの最終便」が、集英社の月刊小説誌「小説すばる」にて連載を開始する運びとなりました。
さて、内容です。
終戦直前の昭和20年8月9日、日ソ中立条約を破ってソ連軍が満州に攻め込んできた、ま
【新刊案内】攻める者、守る者、救う者。三者の視点で120年前に起きた籠城戦を追体験できる小説「静かなる太陽」(文庫)が発売されました。
このたび発売されました「静かなる太陽」は、120年前の清国で実際に起きた国際紛争「義和団事件」(別名:北清事変)を舞台にした歴史小説です。
120年前、現在の中国には「清」という名の王朝がありました。女帝西太后が権力を握るこの国は、アヘン戦争、アロー戦争、日清戦争と、列強との対外戦争に敗れたことで力を失い、外国の植民地になりかけている状態でした。これに反発して「義和団」という結社が外国人排斥運動