ダノシジン

九州熊本県出身。元パフォーマー(プロレスラー兼ミュージカル座長)。実家の事業の失敗、家…

ダノシジン

九州熊本県出身。元パフォーマー(プロレスラー兼ミュージカル座長)。実家の事業の失敗、家の火災、熊本地震に合い、一時全てを諦め絶望する。しかし東日本大震災で被災し、避難してきた妻と出逢い結婚。現在は、東北福島県で会社員をしながら、妻と幸せに暮らす。

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やなせたかしについて

【ぼくらはみんな生きている 生きているから歌うんだ ぼくらはみんな生きている 生きているからかなしんだ 手のひらを太陽にすかしてみれば まっかに流れるぼくらの血潮 ミ…

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詩作 GW

ごーるでんうぃーくだって 今日という平凡な1日に過ぎない 雨だって降るし花粉だって飛んでいる ぼくのクシャミが休日に出ても 人類史には何の歪みも影響もない だけどド…

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詩作

出て行く者の悲しさを ああ、誰が分かってくれようか わが愛しき山よ川よ お前たちをしのばずにはいられない

ダノシジン
2週間前
56

詩 新学期

時は4月の新学期 俺はいつものように仕事を終えて コンビニで酒を買いトイレに入る 往々にして平凡なる日常わ経て 糞をたれる40手前のくそやろう 世界を見れば震災に人災多…

ダノシジン
1か月前
45

詩 貨物列車

貨物列車が夜霧にはしる ガッタンゴットン騒音よ ガッタンゴットン流離えよ 田圃に線路に田舎町 ガッタンゴットン鈴虫よ ガッタンゴットン流離えよ 東北夜風は肌寒い ガ…

ダノシジン
1か月前
64

詩作 春が修羅を呼ぶ

春が修羅を呼ぶ 私を閉じ込めた壁面に 扉と鍵と釈然としない感情と それらが可能性となって現れる 風の時代は旅人の世紀だ 圧倒的個性が嵐と復興と未来を繋ぐ 踏み出した一…

ダノシジン
1か月前
78

音楽について

「音楽は、 世界に魂を 心に翼を 想像力に飛翔を 悲しみに魅力を そして、あらゆるものに陽気さと生命を与えてくれる。 それは秩序の本質であり、 また、善であり真である…

ダノシジン
2か月前
99

詩 無題

詞は詩を届けるのだろうか 大震災のあと静寂が訪れ 戦争の最中爆音が響く中 地球は温暖化に喘ぐ 最小の生物たちは 我々の知らない所で 静かに消えていく その声は音楽には…

ダノシジン
2か月前
61

ショート 小説 余震と君と揺れるぼく

時に想いは共鳴する。またそれをシンクロニティと呼んだりする。 君は福島からやってきた。そう震災から逃れる為、また新しい可能性の為に。 そして不幸なことに熊本でも…

ダノシジン
2か月前
47

ショート 小説 余震と君と揺れるぼく 1

春風が哀しみを連れてきた。 阿蘇から下る白川の河川敷は、物悲しく沈んでいた。 健気に木々たちは、愛らしいピンクを露に覗かせ、大半のピンクは雨に濡れて散っていた。そ…

ダノシジン
2か月前
26

中村哲著 天、共に在りから 3

第4部 砂漠に訪れた奇跡 「主はわが牧者なり われ乏しきことあらじ 主はわれをみどりの野にふさせ、憩いの汀に伴いたもう たといわれ死の陰の谷をあゆむとも、わざわ…

ダノシジン
3か月前
80

中村哲著書 天、共に在りから2

第二部 命の水を求めて 2000年春、中央アジア全体が未曾有の干魃にさらされた。5月になってWHOが注意を喚起した内容は、鬼気迫るものがあった。アフガニスタンの被害が最も…

ダノシジン
3か月前
36

中村哲著書 天、共に在りから 1

「これは、医師である私が、現地活動三十年を振り返り、どうしてアフガニスタンで活動を始めたのか、その後、どうして医療活動以上に、井戸を掘り、用水路を拓くことに力を…

ダノシジン
3か月前
44

詩 ソクラテスな老人

土曜日の雑踏 私は仕事で帰り道 1月下旬の東北の風 寒々空にはUFOか流れ星 片手に酒は詩人の作法 創作は奇人の仕事だと 大人になれば理解する 聖人になんてなれない 狂った…

ダノシジン
3か月前
73

ショートショート ゾンビ

今何時だろうか? ああ16時か。 男は感情なくつぶやいた。 一日が終わるのだ。 見慣れた部屋の片隅に男の世界はある。 まるで定年退職した老人のように、毎日は死を巡る単…

ダノシジン
3か月前
61

ショートショート 信仰

あなたは神を信じますか? もちろん信じる必要はないのです。 無条件であなたを神は、愛して下さるノデスカラ! 被害者1 僕は宗教に対して偏見はありません。 しかし僕の家族…

ダノシジン
4か月前
106
やなせたかしについて

やなせたかしについて

【ぼくらはみんな生きている
生きているから歌うんだ
ぼくらはみんな生きている
生きているからかなしんだ
手のひらを太陽にすかしてみれば
まっかに流れるぼくらの血潮
ミミズだってオケラだって
アメンボだって
みんな みんな生きているんだ
友だちなんだ】

やなせたかし(本名:長谷川勝巳)生年月日:1930年2月6日 出生地:兵庫県神戸市
職業:作家、イラストレーター、作詞家
代表作:「アンパンマン」

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詩作 GW

詩作 GW

ごーるでんうぃーくだって
今日という平凡な1日に過ぎない
雨だって降るし花粉だって飛んでいる
ぼくのクシャミが休日に出ても
人類史には何の歪みも影響もない
だけどドラマの一片としてここにあり
しごとだって誰かがこの日を支えてる
ある日常の部屋から聞こえる生活音だって
芸術家の散歩道では創作の断片となる
見えないけどあるものはある
物理的運動に則り物も人も歴史を紡ぐ
A地点からB地点へと世界は動き続

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詩作

詩作

出て行く者の悲しさを
ああ、誰が分かってくれようか
わが愛しき山よ川よ
お前たちをしのばずにはいられない

詩 新学期

時は4月の新学期
俺はいつものように仕事を終えて
コンビニで酒を買いトイレに入る
往々にして平凡なる日常わ経て
糞をたれる40手前のくそやろう
世界を見れば震災に人災多発
世紀末を思わせる情報の煽動
AIこそ全ての世相に
目まぐるしい資本主義の経済レーン作業
身体と頭の時間軸はパラレル模様
もう限界突破で生活困窮者
底辺なる人類の坩堝に問う
あんたはどうか光はあるか
愛はあるか守るものはあるか

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詩 貨物列車

詩 貨物列車

貨物列車が夜霧にはしる
ガッタンゴットン騒音よ
ガッタンゴットン流離えよ

田圃に線路に田舎町
ガッタンゴットン鈴虫よ
ガッタンゴットン流離えよ

東北夜風は肌寒い
ガッタンゴットン秋空よ
ガッタンゴットン流離えよ

闇夜に君にふるさとに
ガッタンゴットン夢の中
ガッタンゴットン流離えよ

貨物列車が夜霧をはしる
ガッタンゴットン詩人静寂に
ガッタンゴットン流離えよ

詩作 春が修羅を呼ぶ

春が修羅を呼ぶ
私を閉じ込めた壁面に
扉と鍵と釈然としない感情と
それらが可能性となって現れる
風の時代は旅人の世紀だ
圧倒的個性が嵐と復興と未来を繋ぐ
踏み出した一歩が新しいパラレルなのだ
情報は改竄され肉体の記憶のみが頼りだ
明日の世界はまるっきり違うphaseだ
ワクワクドキドキの大冒険を信じよ
偉大なる大先生の冥福を祈り
我々は扉をひらこう
まだ見ぬ歴史の傍観者として

音楽について

音楽について

「音楽は、
世界に魂を
心に翼を
想像力に飛翔を
悲しみに魅力を
そして、あらゆるものに陽気さと生命を与えてくれる。
それは秩序の本質であり、
また、善であり真であるものすべてにつながっている。
音楽は目に見えない。
だが、それだからいっそう、
魅惑的で、情熱的で、永遠なるかたちといえるのだ。」

プラトンは、「国家」の中で音楽の重要性について議論しました。彼は、音楽が人間の魂と教育に大きな影響を

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詩 無題

詞は詩を届けるのだろうか
大震災のあと静寂が訪れ
戦争の最中爆音が響く中
地球は温暖化に喘ぐ
最小の生物たちは
我々の知らない所で
静かに消えていく
その声は音楽にはならない
ぼくたちの気付きのみ光を浴びる
だからどうだというのか
忘却と失望と絶望しかない
それでも人生の余白で
純粋な理性を使って
人類は細胞に刻む
その声は脳に届き
愛の果て子供たちの手の中に
嗚呼
言葉は歌を届けるのだろうか

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ショート 小説 余震と君と揺れるぼく

ショート 小説 余震と君と揺れるぼく

時に想いは共鳴する。またそれをシンクロニティと呼んだりする。

君は福島からやってきた。そう震災から逃れる為、また新しい可能性の為に。
そして不幸なことに熊本でも震災にあった。
それは君には不幸なことでも僕には幸福なことだった。それは君に出会えたからだ。

彼女は福島でソフトボールやバスケットが好きなスポーティーな女の子だった。
なんにでも興味の強い子で、常に笑顔も絶えなかった。
その笑顔には影も

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ショート 小説  余震と君と揺れるぼく 1

ショート 小説 余震と君と揺れるぼく 1

春風が哀しみを連れてきた。
阿蘇から下る白川の河川敷は、物悲しく沈んでいた。
健気に木々たちは、愛らしいピンクを露に覗かせ、大半のピンクは雨に濡れて散っていた。そこに集う恋人たちの群れは団子を食べ、下品に酒を飲み、宴に高笑い、欲望を身体に燃やしていた。

僕はくだらないと酒を飲み孤独な散歩を望んだ。40歳で死のうと決めてから、どれだけ強くなれただろう。死に逝くものに必要なものは、酒と孤独、暇をつぶ

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中村哲著 天、共に在りから 3

中村哲著 天、共に在りから 3

第4部 砂漠に訪れた奇跡

「主はわが牧者なり われ乏しきことあらじ
主はわれをみどりの野にふさせ、憩いの汀に伴いたもう
たといわれ死の陰の谷をあゆむとも、わざわいを恐れじ
汝、我とともにいませばなり。
かならず恵みと哀れみと我にそいきたらん」
ダビデの詩(詩編第23篇より抜粋)

小高い丘から望むと、砂漠に囲まれる緑の人里は、壮大な天・地・人の構図だ。厚い砂防林の森が、砂漠と人里とを、く

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中村哲著書 天、共に在りから2

中村哲著書 天、共に在りから2

第二部 命の水を求めて
2000年春、中央アジア全体が未曾有の干魃にさらされた。5月になってWHOが注意を喚起した内容は、鬼気迫るものがあった。アフガニスタンの被害が最も激烈で、人口の半分以上、約1200万人が被災、400万人が飢餓線上、100万人が餓死線上にあり、国連機関が警鐘を鳴らした。食料生産が半分以下に落ち込み、農地の砂漠化が進んだ。家畜の9割が死滅し、農民は続々と村を捨て流民化した。これ

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中村哲著書 天、共に在りから 1

中村哲著書 天、共に在りから 1

「これは、医師である私が、現地活動三十年を振り返り、どうしてアフガニスタンで活動を始めたのか、その後、どうして医療活動以上に、井戸を掘り、用水路を拓くことに力を傾け始めたのか、そのいきさつを紹介したものです。ーーーーーーーーーーーー猛威を振るっている大干魃は、今もなお、ほとんど知られていません。かつて自給自足の農業立国、国民の九割が農民・遊牧民といわれるアフガニスタンは、瀕死の状態なのです。この重

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詩 ソクラテスな老人

土曜日の雑踏
私は仕事で帰り道
1月下旬の東北の風
寒々空にはUFOか流れ星
片手に酒は詩人の作法
創作は奇人の仕事だと
大人になれば理解する
聖人になんてなれない
狂った冒険者になりたい
そのような妄想と幻想に
ただ虚しく溜め息をつく
そんな時は北の酒場に放浪する
席に着き熱燗を頼む
暫くすると隣の席から声が響く
そこには紳士な老人が若者に囲まれていた
スーツを着こなしキャスケットを被る
賢者の

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ショートショート ゾンビ

ショートショート ゾンビ

今何時だろうか?
ああ16時か。
男は感情なくつぶやいた。
一日が終わるのだ。

見慣れた部屋の片隅に男の世界はある。
まるで定年退職した老人のように、毎日は死を巡る単純作業であった。

男はもうすぐ40になろうとしていたが、定職に就くことなく、のらりくらりの生活をしていた。友人からは、ゾンビというあだ名をもらっていた。彼自身自分はゾンビだと思っていた。

家の外に出ると、朝日のような夕日

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ショートショート 信仰

ショートショート 信仰

あなたは神を信じますか?
もちろん信じる必要はないのです。
無条件であなたを神は、愛して下さるノデスカラ!
被害者1
僕は宗教に対して偏見はありません。
しかし僕の家族は、全てを失いました。
元々父は、平凡な会社員でした。そこそこ贅沢も出来る家庭であり、愛もあり、平和もありました。
そのような善良な家庭にも欠点はあります。
それは、善良であるがゆえの人の良さなのです。
ぼくたちは5人家族です。父

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