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【現代詩】『熱湯✿3分』
『熱湯✿3分』
あかきみどりむらさき
カップラーメンが出来上がる迄の
心地良いこの誰のものでもない3分間を
どうぞ私にお捧げ、くださいませ
✿
今、世の中は、残酷にも、春なのです、よ。
自分を駄目だと思う事で
精神の安定を保っていた
我が愛しき婆ちゃん
ここへ、どうぞヒラリ
舞戻ってくださひな
✿
思い出す、華を凍結させた
私達の夢。
願いを込めて、押し花したのは
明日、明後日、それよりず
詩『届け! ぼくの歌』
寂しい時 青い空の下で
ぼくは歌を歌う
大きな空に寂しさが吸い込まれる
楽しい時 道を歩きながら
ぼくは歌を歌う
太陽がいつもより眩しい
悲しい時 真っ赤な夕日に向かって
ぼくは歌を歌う
悲しみが涙に流れていく
歌を歌っていると
嬉しい時はもっと嬉しく
悲しい 寂しい気持ちが半分になる
だからぼくは歌が好き
誰かに聴いてほしいけど
上手くないから恥ずかしい
風が吹き抜けた
野原がなびく
プリズムで人生を照らす -傑作映画『天が許し給うすべて』の魅力
【木曜日は映画の日】
以前、映画のカメラマンを紹介したことがあります。その中でも、自然な光を捉えるタイプと、人口の光を捉えるタイプのカメラマンがいました。
人工的な場面を作るカメラマンや映画監督は、光に意味を持たせます。自然ではない光によって、登場人物の心情に意味を持たせて、鑑賞者にそれを味合わせるのです。
そうした人工的な光によって彩られた傑作メロドラマの一つに、ダグラス・サーク
陽光の中の回想 -モーツァルト『ピアノ協奏曲27番』の美しさ
よく、自分の葬式で流してほしい曲、というアンケートがあります。私の場合何かと考えると、ロックやポップ音楽と別に、クラシックの中だと、多分モーツァルトのピアノ協奏曲27番(K595)を選ぶと思います。
この曲には、落ち着いた午後、かつての楽しかった過去を思い出しているような、甘美さと静寂があるからです。
第1楽章の導入。静かに弦が入り、麗しいメロディが奏でられます。しかし、長調の明るいメロ
無垢が現代を染める -ウォーホルについてのいくつかの随想
少し前、現代美術家、アンディ=ウォーホルの作品がニュースになったことがありました。環境活動家が、ウォーホルが制作したアートカー『BMW M1』に小麦粉をぶちまけて、逮捕されたというニュースです。
そのことの是非はここでは問いません。私がこのニュースを聞いて思ったのは、きっと、ウォーホルが生きていたら、大喜びするだろうな、ということです。
ウォーホルなら、こんなことを言ったのではと妄想します。そ
走りながら思想しよう “列車霊と女神のエクソソーム”
困難な仕事に一区切りついて、春の嵐の先駆けが吹く日。私の中にロマンチシズムが兆し、余計なものにとらわれない、純粋な探索の一日にしようとでかけた。胸の中にもやもやと詩情が湧くと、風や雲の形、ゆき花が物を言う。
駅で3歳くらいの男の子と若い父親がおり、男の子がアナウンスに父親を急かす。「来るかもしれないよ」。次の瞬間、濃緑の気配をまとう瑞風が走り過ぎてゆく。男の子のために瑞風は気品ある出会いの記憶をプ