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父ちゃんの随想録

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生活、気づき、思索、モノローグ、ダイアローグ、物語、批評、哲学、徒然なるままのみならず、少し突っ込んで考えます。
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私的に2022年をふりかえり、居場所について考えてみる

私的に2022年をふりかえり、居場所について考えてみる

居ることとは何か

考えてみると、今年は居場所についてずっと考えた一年だった。そのきっかけとなったのは、「居るのはつらいよ ケアとセラピーの覚書」(東畑開人著)という本だ。これまで、ぼくは、居場所とは何か、ということについて全く考えてこなかったわけではない。例えば、学校で子どもと楽しく過ごした教室や同僚とコーヒーを飲みおしゃべりする職員室、ゆっくり過ごすことができる我が家など、居心地のいい場所=居

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7月13日(こどもの権利)

7月13日(こどもの権利)

昨日、セーブザチルドレンの話を聞いたのだが、偶然にもこの日も子どもの権利についての話に。

遊ぶ権利について、子どもの権利条約では謳われているようだが、わたしの住んでる地域では子どもの遊べる場所は多いとはいえない。

友人の住んでいるマンションの一階はエントランスと駐車場で子どもが遊んでいたが、住民からの苦情により、先日から遊べなくなった。

我が家の向かいのマンションでも子どもたちが遊んでいるが

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7月11日(お向かいさん)

7月11日(お向かいさん)

長女の下校時間が早かったのをうっかり忘れ、一時間半遅れて帰宅。扉には張り紙。

「むかいの柴田です。長女ちゃんを預かっています。」

やってしまった。

すぐに向かいの家へ。
幸いなことに次女と歩いているといつも優しく声をかけてくれる柴田さんは、熱中症を心配して長女にアイスを食べさせ、涼しいクーラーの部屋で過ごさせてくれていた。すぐに家から出てきてくれた柴田さんは、

「ごめんねー!もっと早く気付

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6月30日(子どものしたいこと)

6月30日(子どものしたいこと)

ティッシュを出したがる子どもの話を聞く。うちの子も二人ともティッシュ期があり、一瞬の隙でも与えると部屋中ティッシュまみれになったものだ。

この時期は、わたしは自分の片づけたい欲求と子どもの散らかしたい欲求が闘っていた気がする(一歳半から二歳前くらい?)。

そんなときにちょっと癒されたのは『ちらかしぼうや』という絵本。
最後に、「いいさ、また片付けるさ」みたいなセリフがとても印象的で、なんだか微

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6月21日(メタファシリテーション再考)

6月21日(メタファシリテーション再考)

久々のメタファシリテーション。数ヶ月間が空いていたから内容を覚えているか心配だったが、ずいぶんと日常に染み込んできた気がする。例えば、今している育児相談にもその要素(事実質問)を取り入れているし、娘や妻との会話でも意識できている。

一方で、最近の悩みは、事実を聴き過ぎることでもあった。聴き方によっては相手を不快な気持ちにすることがある。最近の経験からそのことには細心の注意を払う必要があるなぁと感

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329日目(ぐずる子どもを楽しい気持ちにさせて保育園まで行く方法)

329日目(ぐずる子どもを楽しい気持ちにさせて保育園まで行く方法)

「今日は保育園だよ」

「行かない!おうちにいる!」

こんなやりとりから始まった祝日明けの木曜日。さあ、どうしたものか

妻をあっさり見送るいつもなら、

「母ちゃん送りにいく」

と言いだすの次女だが、今日はあっさり

「バイバイ。」

母ちゃんになんともそっけない態度。昨日はずっと「母ちゃんがいい」と言い続けて、長女が一緒に遊ぼうとすると突っぱねる始末だったのに。

妻曰く、

「きょうは昨

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「自分で考えなさい」から考える主体性【主体性論考①】

「自分で考えなさい」から考える主体性【主体性論考①】

友人の息子さんが、習い事の振り替えの予定を決める際、「いつにしたらいいかな」と、知人に聞いたのだそうだ。

友人が、「それくらい自分で考えなさい」と息子さんに言ったら、しばらく拗ねて黙ってしまったそうだ。

見かねた知人は、なぜ「自分で考えなさい」と言ったか、主体性(自分で決めて行動すること)の大事さを息子さんに説いたらしい。

「生殺与奪の権を他人に握らせるな」という思いが、知人にはあったそうだ

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313日目(薄皮饅頭とこころの発達にまつわるフィクション)

313日目(薄皮饅頭とこころの発達にまつわるフィクション)

子ども食堂でのこと。
男の子が不遜な態度で絡んでくる。

「なんだばかやろう」

人生ゲームわたしはそういうノリが嫌ではない。

「何か言ったかー?」

ふざけて同じノリで言い返した。

子ども食堂で食後に行われた人生ゲームの最中であった。こうたくんは初めから参加するつもりだったのだが、少し遅れて途中から参加していた。

みんな、コマを動かしたり、お金を渡したり、カードをもらったり、忙しなく動いて

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【『鬼滅の刃』ネタバレ注意】
竈門炭治郎と煉獄杏寿郎(改)

【『鬼滅の刃』ネタバレ注意】 竈門炭治郎と煉獄杏寿郎(改)

鬼滅の刃は当初、私の周りではファッション性、キャラクター性がどちらかといえば注目されがちで、そこまで真剣に見ようとはしていなかった(実際コロナ禍がなければ観ていなかったのかもしれない)。しかし、娘がはまったのをきっかけに、鬼滅の刃のアニメ版を一気に見てから、既刊を全巻注文。無限列車の映画も観に行った。この物語は、登場人物の誰かに自分を投影し、誰もが「私の物語」として読めるのが人気の秘密かなと思う。

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【『鬼滅の刃』ネタバレ注意】We are all alone「二人だけでいることについて」~妓夫太郎と堕姫のエピソードから~(改)

【『鬼滅の刃』ネタバレ注意】We are all alone「二人だけでいることについて」~妓夫太郎と堕姫のエピソードから~(改)

第10話のラストシーン。向かい合わせの首が第11話に展開していく。悲しき運命の意味を考えてみる。

共依存関係の鬼妓夫太郎と堕姫は非常に過酷な運命をたどった。

遊郭で生まれたことで命が軽んじられるばかりか、醜く罵詈雑言を浴びせられ続けた妓夫太郎。

そして美貌のために遊郭で働くことになり、処女が奪われる前に客の目を指し、生きたまま焼かれる堕姫(=梅=梅毒で死んだ母からつけられた名前)。

二人は

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【『鬼滅の刃』ネタバレ注意】古事記から見る物語構造、あるいは、中空ではないヤンキーとしての炭治郎

【『鬼滅の刃』ネタバレ注意】古事記から見る物語構造、あるいは、中空ではないヤンキーとしての炭治郎

鬼滅の刃は古事記をモチーフにしている鬼滅の刃は、その物語の構造を古事記に由来しているという考察は、いくつか見られる。

 上記の記事のような見解に、わたしも概ね同意する。おそらく、古事記を鬼滅の刃はモチーフとし、イザナギ=産屋敷、イザナミ=鬼舞辻という構造で物語が展開されている。そして、カグツチ=竈門炭治郎、ということになる。ただし、アマテラス=縁壱、ツクヨミ=黒死牟、というのは、表面的にはそのよ

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英米型自己啓発依存症

英米型自己啓発依存症

自分のやっていることを肯定したい。そんな時、自己啓発本は役に立つ。とにかく前に住むことを後押ししてくれるからだ。

でも、それって、自己啓発本に依存してはいないだろうか。だとしたら、それってなんだか可笑しい。

アドラーと自己啓発本それらは主にアドラーの影響が強い。アドラーは過去や不安、トラウマを一掃する。そんなものはないのだと。

「嫌われる勇気」という少し前に流行し、いまでもよく売れている本で

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男はみな、マザコンか。

家ついていっていいですかを見ていたら、妻を亡くしてキャバクラにハマっている70歳くらいの男の人が出てきた。ずっと連れ添った妻は命がけで駆け落ちした、その穴は埋められない、けど、キャバ嬢のおっぱいは魅力的だ、というエピソードであった。

そこから、男の人は生まれてからずっとおっぱいに執着するのに女の人が違うのはなぜだろう、という問いが生まれた。しかし、よく考えると女の人は自分で持つことができるんだな

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ボードゲームの会

ボードゲームの会

先日、親子を集めて、ボードゲームの会をした。ゲーム博士の友人を招いて。

・ペンギンパーティー
・ナンジャモンジャ
・おばけキャッチ
・ピクチャーズ

一人で遊べるパズルも。
・箱入り娘
・コブラツイスト

おもちゃもたくさん用意して、めいめいが好きなように遊ぶ。いつものことながら、子どもが何人か集まると、全員違う個性に驚く。

保護者にくっついて離れない子、さっと離れてボードゲームに興じる子、負

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