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日々のこと

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食べること、思うこと、散歩すること、取るに足りない些末な日常の記録
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ヤケクソカレーを炊いてみよう。

ヤケクソカレーを炊いてみよう。

この1週間はなんだか苦しかった。

土日は出張でフル稼働して深夜に帰宅。
太古の昔に卒業したと思っていた「誰も休んでないのに自分だけ休むのは…」みたいな思考に絡め取られ、満身創痍のまま月曜から金曜まで働き続けてしまった。
休まねば、という判断もできないほどに疲れ果てていた。

そんな中で、人に地雷を踏まれ、その傷ついた心で別の人の地雷を踏みに行くようなことをしてしまい、返り血を一気飲みして自分が窒

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パンが嫌いなパン屋さんから考える「好きを仕事に」

パンが嫌いなパン屋さんから考える「好きを仕事に」

仕事選び、というのは一筋縄では語れないものだなと思う。

一応、人の職業選択にまつわる仕事に携わり、最近キャリアコンサルタントなる資格を取得したこともあるので、そのことについて書いてみようと思う。

好きなことを仕事にするのがいいでしょうか?
という問いを学生からたまに投げかけられるが、一問一答的に反応するなら、残念ながら私は「人によりますかね」という月並で歯切れの悪すぎるこたえしか持ち合わせてい

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とっても幸せな、ひとりきりの土日のこと

とっても幸せな、ひとりきりの土日のこと

4-5月はオーケストラの本番があったり、出張や土日の仕事が続いていたりで常にパタパタと人にまみれて稼働していたもので、今週末は、とても久しぶりに「何もない」土日だった。

なので、この2日間を徹頭徹尾、自分が住む街で、ひとりで、自分のためだけに過ごすことを強く決めたのだった。

土曜9:30

何もない土曜日は、ドキュメント72時間の再放送からはじまる。
今週は大阪の郵便局の回で、父の遺品である昔

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厄年とわたしの断面図

厄年とわたしの断面図

私は平成3年生まれ32歳の女なので、今年は本厄、しかも「女の大厄」であるらしい。

30代が多い我が社は社員6名のうち、なんと4名が何らかの厄年とのことで、年始は厄だ厄だと大騒ぎであった。

私は当事者のくせにどうもぼんやりしていて、

などと、前向きなんだか後ろ向きなんだかよく分からない心持ちで受け流していた。

そのように大いに舐め腐った態度で厄年を迎え、記憶をなくすほど忙しい2-3月をやり過

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原点に戻してくれる言葉

原点に戻してくれる言葉

退職の意志を伝えるために職場の上司と話した。
淡々と、退職します。と伝えるつもりだったが、自分がこれまで考えてきたこと、悩んできたこと、組織に対して感じること、仕事に対する誇りやスタンスなど様々なことを語り合える時間となった。

皮肉にも退職を決意し、それを伝える場ということにはなったが、これまでの「どうせ誰も耳を貸してくれない」という不信感や卑屈な気持ちが少しだけ清算された気がした。

もちろん

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聴く新しい友達ー真夜中、コンビニの駐車場で。

聴く新しい友達ー真夜中、コンビニの駐車場で。

通勤、料理、散歩、寝る前。

これが、私がポッドキャストを聴く4大シチュエーションである。

人生の膨大な時間をポッドキャスト番組と共に過ごしているわけだが、今日は特に「通勤(帰り)」「寝る前」によく聴く、スイッチオフ時間の友達みたいな番組のことを書いてみたいと思う。

勝手に"ドキュメント72時間"をしゃべるラジオ「真夜中、コンビニの駐車場で。」NHKで毎週金曜22:45〜放送中のドキュメント7

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心にいつも定食を。'22

心にいつも定食を。'22

スマホの写真フォルダを見返していて、気付いたことがある。

私はやたらと定食を撮影しているのだ。

というか、それはつまり、私はやたらと定食を食っている、ということである。

在宅時は基本的に自炊なので、外食のチャンスといえば旅先や出勤時の食事であるが、その際、数ある選択肢の中から定食スタイルの食事を選ぶことがやけに多いのではないか、ということに思い至った。

それはおそらく、私が下戸であるという

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情報断食24時:M-1編

情報断食24時:M-1編

今年の12月18日(日)は所用があり、M-1の決勝がリアルタイム見られないのだった。

これは、誰が優勝するんだろう?という新鮮な気持ちのままM-1を見たいという自らの欲を叶えるため、「視聴時間が確保できる月曜日の夜まで、結末を知らずに過ごす」という、ごく個人的な都合による無謀なミッションに挑んだお話である。



ところで私は2001年の第一回大会からM-1グランプリを見守り続けている。

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31歳「ええ塩梅」考

31歳「ええ塩梅」考

「ちょうどいよい」「適切である」という意味の日本語の言い換えは非常にバリエーションに富んでいるが、その中でも「良い塩梅(よい・あんばい)」という言葉がある。
関西弁では「ええ塩梅」。柔らかな響き。

この言葉が昔から好きで、自分の感性の真ん中にしっくりと収まる感覚がある。
「ちょうどいい」のすごくちょうどいい言い換えであると思う。

日々の仕事や生活をやりくりする中で、大小様々なうんざりに苛まれる

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人類の退化と乖離(誤字)

人類の退化と乖離(誤字)

生き急いでいる。

忙しい日常生活の中にも余白を作る努力を怠らず、
動画やラジオのアーカイブを絶対に倍速で再生しないことを心に決め、
「過去と未来を切り離して、その時点、その時点で時間が生きてなきゃ」というタモリの教えを心に刻んでいる私も、やっぱり生き急いでいるんだ。

そんなことを実感している。

最近、手書きで文字を書く機会が増えた。
というのも、とある資格講座の修了試験の勉強を短期集中的に行

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お名前ひらがな組合

お名前ひらがな組合

8月に、甥っ子が生まれた。
先日ようやく名前が決まったとこのとで、実家から連絡があった。

命名「佑(ゆう)」とのこと。

この字面を見て真っ先に思い浮かんだのが、大きくなった甥っ子が電話口の相手に
「あ、えっと、にんべんに右です!」
などと言っている姿だ。

彼が成長した未来の社会では、さらにデジタル化が進み、もはやそんなことを説明しなくちゃいけないシチュエーションなんてほぼ存在しないだろう。

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街の歌をききながら

街の歌をききながら

少し前の話ではあるが、東京日帰り出張を終え、自分の住む海辺の街に帰ってきて駅に降り立ち、体いっぱいに濃い潮の香りを吸い込んだ瞬間、安心のあまり不覚にも泣きそうになってしまった。

その日は東京のど真ん中でのちょっとしたイベント運営の仕事で、久しぶりに複数の人が集まる熱気や雰囲気に、充実感もありつつ相当気疲れしていたのだと思う。

仕事人としての自分がリアルでいろんな人と関わり合えることを喜ぶ一方で

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足るを知りたい、梅雨

足るを知りたい、梅雨

何年か振りに傘を購入した。

何年か振りにと書いたが、きちんと自分で選んで傘を買った記憶はあるようでない。

出先で雨に降られて急遽買った100均の傘をずっと使っているだとか、実家から持って帰ってきた傘を使っているだとか、傘へのこだわりのない人生を送ってきた。

自律神経爆乱れ女の私は、梅雨の季節に漏れなく不調に見舞われる。
おそらく身体は常にガタついているのだろう。
平常時はなんとなく封じ込めて

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黒島のお姉さんと白髪の説得力

黒島のお姉さんと白髪の説得力

今日は、およそ2年ぶりに友人に会った。

この友人とは、5年ほど前、石垣島よりさらに南にある黒島という小さくて美しい島の宿で出会った。
ここでは黒島のお姉さんと呼ぶ。

ちなみに、私にとって黒島は、日本の中でも最高に大好きな場所である。
「何もしない」ことを旅の目的に、人生の節目節目に何度も訪れている。

黒島のお姉さんは私よりも一回りほど年上だが、偶然、同業者かつ関西人であったのと、出会った当時

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