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きょうのきょういく

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日本の教育をできるだけ前提なしに、広く見渡したい。教育現場からそもそもを論じる哲学思考の随筆。
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記事一覧

協働的な学びって?

協働的な学びって?

仲間と一緒に前進することを体験させるのが協働的な学びです。
自分で前進できるときでも、敢えて仲間と一緒に取り組むことを選ぶ。
自力で全部しないのが協働です。

自分でやる方が楽なこともあります。
自分のアイデア100%でやり遂げれば、自分の手柄です。
自分の興味や嗜好で前進するのは楽しいです。

学校では班やグループ、チームをつくりますが、協働しないこともしばしばあります。
リーダーが率いる。リー

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地図は知識か

地図は知識か

スマホやカーナビが道案内をしてくれる。GPSが現在地をおしえてくれる。行きたいところを言うだけで、音声認識と自動運転車が目的地に連れて行ってくれる。

教員がよく言う。○○がどこにあるかも知らないなんて!
有名な国、有名な都市、旧国名、地名

検索すればわかる。覚えておく必要があるのだろうか。乗り換え案内もアプリに任せて問題はない。何通りかあるルートを提案してくれる。行く必要がない地名を知識として

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部活動指導員の闇

部活動指導員の闇

中学高校で教員の業務負担軽減策として、働き方改革の一環として、部活動指導員を雇用して、外部人材の活用が進められている。部活動は教員に時間外労働を強いるものでありながら、手当支給がなかったり、超過勤務が常態化する一因と言われる。
一方で厭わず、部活動顧問を引き受けて熱心に放課後や休日も指導する教員もいる。教員志望者の志望理由の一つが、部活動顧問であることもある。部活動指導に熱心であるがゆえに校務や授

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成績どうする?コロナ欠席

成績どうする?コロナ欠席

高校教員が書いている記事です。学校での実践を綴っています。教員向けの内容になります。

新型コロナに感染したり、濃厚接触者になって欠席する生徒が相当数いる。コロナ欠席は珍しくない。学習の遅れや中断が学習意欲や学力の低下を招く事態が続いている。解決策は今のところ、オンライン学習しかない。

学校現場では、師走は成績処理の時期だ。テストを作って採点し、提出物や課題、レポートを評価する。そして評定を算出

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フィルターバブル世代

フィルターバブル世代

フィルターバブルってご存知ですか?
詳しい解説はほかのサイトにお願いしますが、簡単に言うと、現代人は視野が狭くなりやすい環境にいるということだ。教育関係者は知っておきたい事実だ。
スマホやウェブサイト、動画サイトを通じてビッグデータが集められ、AIがビッグデータを使って、一人ひとりに提案をしてくる。私が知りたい情報やニュースを予想してセレクトしてくれる。欲しいものを察知して広告が表示される。使えば

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先生、しゃべりすぎ! 解説しない授業のつくりかた

先生、しゃべりすぎ! 解説しない授業のつくりかた

先生は何でも解説したい。教えてあげたい。
生徒に学ばせるといっても、結局は話して伝えることがメインになりがちだ。投げかけて、自分で答えてしまう。問いを出して指名して答えさせる場面はあるが、少ない。指名せずに、うなずかせて次に進めてしまうこともある。
どのクラスでもほぼ決めておいた展開で、生徒に妨げられることなく、先生の解説中心で同じ授業ができるなら、録画で代用できる。目の前の生徒との対話が展開に不

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教師のオフィスとしての学校・職員室

教師のオフィスとしての学校・職員室

教師は職員室で仕事をする。たいていは決まったデスクが与えられる。小学校のように教室に先生用デスクが置かれる場合もある。大きな職員室では、教科ごとのレイアウトか、学年ごとのレイアウトが主流となっている。

職員室をオフィスとして考える

郵便局や銀行のように窓口の奥がオフィスで、お客様から丸見えのオフィスがある。一方で、顧客は応接や会議室に通され、基本的にお客様にオフィスを見せない会社もある。応接ス

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学校DXの幻想1

学校DXの幻想1

コロナ禍に後押しされて学校のDXが進んだ。教育用クラウドを導入した学校は多い。ペーパーレス化も推進されて、プリント配布は減った。いいことだらけは本当だろうか。ICTの活用はずっと前から推進されてきたが、見通しは本当にいいのか。

精選されない連絡事項

生徒への連絡が増加した。教育用クラウドを利用すれば、生徒への連絡は容易だ。配信すれば連絡したことになる。生徒が見ていなくても連絡したことになる。先

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学校統廃合ってダメですか

学校統廃合ってダメですか

児童数が少なくなると、公立学校は閉校や統廃合になる。地域の拠点を失うと考える地域住民は、反対を唱える。学校は地域のインフラだから、無くしてはならないという意見だ。学校があるから地域の人々は、集い、交流できるという。

学校を残すかどうかが問題なのか

児童数が減ったのは、子育て世帯がある時点から転居しているからである。子育てしやすい地域と思う住民が減ってきていたということだ。何か支援策や改善策を実

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教育実習は現場の善意

教育実習は現場の善意

大学の教職課程で、必修となっているのが教育実習だ。教員免許取得のために学校で3週間程度の実習を行う。

日本は教員養成に力を入れていない国だから、ほとんどは、実習生を受け入れる学校に委ねられている。大学は学校現場に丸投げで放任だ。大学の教員は、研究授業と言われる仕上げの最後の授業の参観に来て、コメントして帰るだけだ。実習期間中、何度も来る大学教員はいない。
実習開始前の事前指導も大したことはない。

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冷静にニュース読解

冷静にニュース読解

文部科学相より、一斉休校を要請しないという発表があった。どんな意味があるだろう。

全国の感染状況は均一ではない。
少なくとも緊急事態宣言が発出されている地域は、増やされたが、感染のステージは現時点で地域差がある。予防的措置としての一斉休校という考え方もあるが、学習の保障を選んだようだ。
離島、過疎地、郊外、都心など、地域によって人々の行動は異なる。満員電車で通学してくる高校生、自転車通学の高校生

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ブラック学校とブラック先生

ブラック学校とブラック先生

教育現場はブラックとよく言われる。公立学校の教員には残業代が出ないのは有名かな。

営業時間と勤務時間が同じというのは、複数のシフトでスタッフが途切れない場合にある。短時間勤務や時差勤務を取り入れている学校もあるが、ほとんどの先生は、勤務開始時刻が同じだ。驚くのは、勤務開始が学校の始業時刻となっていることだ。こう書くとそんなに不思議なこととは思わないが、お店の場合、店員は営業開始時刻よりも前に勤務

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自主性を自己責任と勘違い

自主性を自己責任と勘違い

興味や関心を持たせて、主体的に学習に取り組ませることは、教育活動の目標の1つだ。「教える」から「学ぶ」へ、教育活動のあり方は転換されてきた。教師の仕事は、専ら教えることが中心だが、教育活動のデザインも重要な仕事だ。要するに授業づくりということになる。

自主性を伸ばすこと
主体的に取り組ませること
自ら考え行動するようになること

「自分でやりなさい!」は、放置&丸投げになることがある。

スキル

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無関心につける薬

無関心につける薬

教育活動の目標に、興味関心を持たせるというのがある。目を向けさせるとか、視野を広げるとか、言い方はいろいろある。要するに、無関心を何とかしようということだ。

関心があるかどうかの基準は?

フードロスに関心はありますか?
DXに関心はありますか?
パラリンピックに関心はありますか?
財政赤字に関心はありますか?

関心がある人は、最新の情報があれば、目に止まる状態にあり、変化する状況を注視して追

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