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【創作】「宗教を信じる家族と、神様をそんなに信じていない私 (3)いろいろ辛かったけど、生きていたほうがいい
(2)の続き。
中学生のとき、いじめられた。
教室にいる私は、いない人のようだった。クラスメートによって存在を消されていた。
体育の授業で、最初に2人組をつくって準備体操をするのだけど、いつも私だけがあまってしまう。
なにかの行事でグループ分けをすると、私はどのグループにも入れない。
わかりやすく、仲間はずれをされた。
当時、いじめは社会問題になっていた。
いじめを苦に自殺する少年少
【創作】「宗教を信じる家族と、神様をそんなに信じていない私」 (2)友達は、みんなの家は、うちと違う
(1)の続き。
東京の、一軒家で二階建ての家。築50年以上。くすんだ紺色の瓦屋根と灰色のブロック塀の上を、近所の家で飼われている猫と、野良猫が歩く。
家族は、母、おば、祖母、祖父、と私。
たまにどこから入ったのか、一階の天井から物音が聞こえた。
夕飯のとき、家族全員が上から聞こえる音に気づき、
「ねえ、なんか歩いてるよ」
「ネズミかな」
「猫じゃない?」
「じゃあ、妖精ってことにしようよ」
【創作】「宗教を信じる家族と、神様をそんなに信じていない私」 (1)かみさまはおとうさんを生き返らせてくれなかった
神様っているんですか?
この質問を日本人の私が日本人にしたらどうだろう。
まず、こんな質問を人にするきっかけがなさそうだ。せいぜい、年末年始に思いだしたように神社に行くとか、欲望や願いがあったときに頼ったりすがりつきたくなるのが、神様だ。
これから私は、自分の過去や心の内を見直すために、思いだしながらキーボードをたたいてみようと思う。家族と、宗教に関することを。あまり人には言えない、言ったらど
【創作】「あなたが落としたのは、」
山の中に、手つかずの自然がたもたれた、青く澄んだ湖がありました。
男が立ち止まり、湖を眺めていると、湖の水面が盛り上がり、女性があらわれました。あらわれのは、湖の女神でした。
女神は、男に向かって言いました。
「あなたが落としたのは、金の斧ですか? 銀の斧ですか?」
唐突に水中から出てきた女性に、男は驚いた目をしていましたが、すぐにもとのうつろで、なにか疲れた表情に戻りました。
「おの?