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中央アジアの超絶美味たち――アメリカのはるか彼方で
ユーラシア大陸横断の旅
13年前、パリに1年間滞在していた時、私は国内外、旅を重ねた。国外は、前述のように、オランダ、スイス、そしてベルギー、ドイツなど。滞在終了間際には、インドにも3週間ほど旅をした。
だが、最大かつ最も波乱に満ちた旅は、やはりパリから上海までの陸路での横断であろう。
私は、幼い時から、日本地図・世界地図を眺めるともなく眺めるのが好きだった。特に、地図を眺めながら「辺境」に
カレーは味噌汁である
ある日、カレーを作っていて、ふと疑問に思った。なぜ、(少なくとも当時の)大方の市販のカレールーのレシピには、具材を炒めて少し煮込んだ後、いったん火を止めてから、ルーを割り入れると、書いてあるのか。いったん火を止めることに何か意味があるのか。いったん火を止めてから割り入れないと、ルーが溶けなかったりでもするのか。試しに、いったん火を止めずに、単に弱火にして(強火のままでは焦げ付いてしまうから)ルーを
もっとみる京都で完璧なステーキ・フリットの肉は○○○○産だった!?
フランス人の「定食」
フランス人が最も好んで食べる料理は何だろうか。地域にもよるだろうが、少なくともパリ(近郊)では、ステーキ(一般に「ビフテク (bifteck)」という――日本の「ビフテキ」の語源)ではないだろうか。
(年代にもよるが)フランス人は基本肉食。鶏豚牛からジビエまで。それにありとあらゆる内蔵の部位を様々な料理法で楽しむ。その中で、家庭、そして外食でも最も頻繁に何気なく食べてしま
糞尿の香りのする高級ワイン?!
ワインとの出会い
ワインと私の歴史は、フランス留学時代に始まる。
私が渡仏した1984年は、ちょうど日本でバブル景気が始まる頃。それ以前、ワインというアルコール飲料は、日本では、ごく特殊な、おそらく非常に裕福な家庭でしか(ですら)飲まれていない、ごく特殊な飲み物だった。当時の若者たちは(若者以外もだろうが)、少なくとも東京(近郊)では、「飲み」の席の飲料はふた通りのパターンしかなかった。ビール
ニューヨークでシンディ・シャーマンに寿司を握ってみないかと誘ったら
神田・三好鮨
私は、寿司好きである。しかも、おそらく物心つく前からそうである。
父の会社が東京は神田・淡路町にあったため、私の外食文化は、淡路町、須田町界隈で形成された。「やぶそば」、甘味処の「竹むら」、鳥すきやきの「ぼたん」、いなりの「志乃多寿司」、天ぷらの「天兵」、シュークリームが絶品だった「近江屋洋菓子店」、そして今はなき「三好鮨」。
父もまた寿司好きだったため(といっても呑んべえの彼