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発達障害をカミングアウトするメリット・デメリット

発達障害で働いている方の中には、発達障害を上司や同僚に伝えるか悩んでいる方もいると思います。私も働き始めた当初は自分の障害をカミングアウトするか悩んでいました。その後いろいろあって上司には伝えましたし障害の特性に合わせ配属でも配慮されています。そこで、今回は私自身の経験をもとに発達障害をカミングアウトするメリット・デメリットを書こうと思います。

メリット

発達障害をカミングアウトするメリットとしては、先ほども書きましたが自身の特性に合わせた仕事をさせてもらうことです。私の場合はASDの症状が強いため、コミュニケーション能力が必要な外回りの仕事は極力なくしてもらっています。

またマルチタスクが苦手なため、一つ一つ確実に処理するように言われています。「ToDoリスト(やることリスト)」を毎日つくって仕事を一つ一つ処理するようになりました。やるべき仕事と終わった仕事を書き出して視覚化することで頭が混乱することを防げれます。自分の記憶力だけでは限界があるので常に見える場所にリストを張っています。

デメリット

発達障害をカミングアウトするデメリットとしては、周囲から「あの人は障害者なんだ」というネガティブな目で見られることです。これは先ほど書いたメリットの裏返しだと思います。表向きは精神障害者・発達障害者に対する理解が進んでいますが、やはり発達障害者なんかと一緒に働きたくないのが本音だと思いますし、まだまだ差別的な目線はあります。おそらくこの先も無くならないでしょう。障害に配慮してもらう一方、障害者として見られるのは仕方がないことだと思います。

精神・発達障害者に対する世の中の認知や理解は進んでいますが、それが良い方向に向かうとは限りません。むしろ発達障害者の症状や特性に関する理解が進んだ結果、「こんな症状のある人間とは一緒に働きたくない。穏便に退職してもらおう」「うっかり発達障害者を採用しないために勉強しておこう」「これは本人の甘えではなく一生治らない障害なのか(絶望)」みたいなことになりかねません。既に企業の間では発達障害者や精神障害者を採用するのを防ぐための診断テストも販売されています。

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少し話が逸れてしまいましたが発達障害者をカミングアウトするデメリットにはこのような排除される懸念があります。カミングアウトする際は上司や同僚が真の意味で発達障害者等に対して理解しているのかよく考える必要があります。

まとめ

これまで書いたように発達障害をカミングアウトするかは難しい判断になると思います。カミングアウトしても、しなくても働くのは大変です。もちろん症状が軽い方は無理してカミングアウトする必要もないでしょう。

ちなみに私がカミングアウトしたのは、上司から「あんた、隠していることがあるなら言ったほうがいいよ」と伝えられたことでした。私はそこそこASDの症状が重く、顔の表情や動作に言語化しにくい違和感やぎこちなさがビンビンにあふれ出ていました。よく街中で精神発達遅滞(知的障害者)を見かけてパッと分かることがあると思います。それに近いものです。私の場合は退職勧奨は一回だけで済んで、それ以降は働くことができていますが、これに関しては完全に「運」でしょう。これからも働き続けることができるかは分かりません。その日その日頑張っていくしかないでしょう。私も頑張りますね。

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