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歴史あれこれ

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歴史ウラ話集。表の歴史に隠れたような歴史のこぼれ話が大好物です。 妄想や独自の見解話などの収集帳。
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記事一覧

道長、チャンス到来だ!!

道長、チャンス到来だ!!

思い起こせば、初回の道兼(玉置玲央)の悪の所業で、一気に心を掴まれた人がほとんどではないでしょうか?
それだけインパクトのある展開でした。

その後もさんざん悪態をつくシーンがあり、父の兼家の命令とはいえ、裏家業に手を染めるという藤原家の闇だった道兼でした。

よくよく考えてみれば、まひろの母を道兼が刺し殺すこと自体、脚本家・大石さんの創作であり、その悪行は死ぬ間際の道兼の聖人化を際立たせる前振り

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古代メキシコの独自すぎる感性

古代メキシコの独自すぎる感性

前回記事にした「四天王寺 聖霊会」の翌日の4月23日にかねてから前売り券を購入していて行く気満々だった「古代メキシコ展」へ行ってきました。

実は一度、間違えて休館日に行ってしまい、急遽ハルカスの「円空展」へ行くという事態にもなったので、今回は念願の鑑賞でもあります。

最初にお断りしておきますが、私は世界史や古代史には疎く基本的な流れも理解できていないので、記事内の表現がもし間違っていたらすみま

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伊藤野枝豆し

伊藤野枝豆し

出来るだけ旬の素材を使って料理することを心掛けています。
しかし、感銘を受けた映画のことを書きたくなり、それを料理しながら妄想するためにわざわざ冷凍の食材を買ってきた。

枝豆(冷凍) 好きなだけ
人参     1/3
油揚げ    1枚
出汁醤油   大匙1
マヨネーズ  大匙1
ご飯     1・5合

「風よ あらしよ」【劇場版】
大正時代の女性解放運動家、伊藤野枝(吉高由里子)の生涯を追っ

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【映画レポ】好奇心は人を殺す|クリストファー・ノーラン監督「オッペンハイマー」

【映画レポ】好奇心は人を殺す|クリストファー・ノーラン監督「オッペンハイマー」

3月29日に日本でも封切りとなった映画「オッペンハイマー」。
「原爆の父」と呼ばれる物理学者・オッペンハイマーの半生を描いた伝記作品である。

観るか否か少々迷っていたのだが、ちょうど時間が出来たのでひとりで観に行ってみた。
すでに多くの方が感想を発信しているので、私はこの映画の背景や観るに当たっての注意点に重きを置いて書いてみようと思う。

日本での公開が延期になった理由「オッペンハイマー」は2

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老いぼれても兼家はやはりドンだった!

老いぼれても兼家はやはりドンだった!

兼家(段田安則)は息子三人を呼んで、明日、出家すると宣言し、後継者に道隆(井浦新)を指名すると、道兼の顔色が急変しました。

道兼:「父上の今日があるは、私の働きがあってこそ」

兼家:「黙れ!お前のような人殺しに一族の長が務まるか!」

はて? →「虎に翼」風に(笑)
この兼家の言葉はボケなのか正気なのか?

一瞬、判断に困りましたが、私は「正気」で言ったと思います。
自分の寿命が尽きるのを悟っ

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奇っ怪極まる水戸藩~尊攘思想と派閥争い(後編)

奇っ怪極まる水戸藩~尊攘思想と派閥争い(後編)

前編は「尊王攘夷思想の誕生」について、中編は「水戸藩内の派閥争いの系譜」について、解説しました。

そして今回は、横浜鎖港問題に始まり、他藩の尊攘派との交流、そしてなぜあの悲劇につながっていったか、解説してみます。

水戸藩の尊王攘夷思想と幕末の社会情勢横浜鎖港問題

問題の位置づけが案外難しいのが、この横浜鎖港問題です。政治イデオロギー的に見れば、「神州日本にいる外国人を排斥する」ということにな

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奇っ怪極まる水戸藩~尊攘思想と派閥争い(中編)

奇っ怪極まる水戸藩~尊攘思想と派閥争い(中編)

前編では、「攘夷思想」の発祥とその分類について解説しました。今回は、
前回の続きとなります。

徳川斉昭のリーダーシップと水戸藩の動向
さて、先に出てきた「徳川斉昭」についてです。先に述べたように、斉昭は文政12年9代水戸藩主となりました。諡が「烈公」と言われるくらい激烈な感情の持ち主なわけですが、従来の門閥主義を破って下士の中から人材登用を図るなど、幕末における改革派のリーダーでもありました。会

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奇っ怪極まる水戸藩~尊攘思想と派閥争い(前編)

奇っ怪極まる水戸藩~尊攘思想と派閥争い(前編)

現在連載中の「鬼と天狗」も、鳴海が番頭に就任すると同時に、水戸藩の動きもいよいよきな臭くなっていきます。
作品冒頭で書いたように、文久2年の夏頃には既に尊王攘夷思想が生まれていたのですが、その後の動きについては、非常にわかりにくいと感じる方が多いのではないでしょうか。
書いているワタシですら各人の思想についてはかなり迷うところも多く、今回第三章(常州騒乱)に入る前に、水戸藩の尊攘派の動きと派閥の関

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文献から見える「光る君へ」の時代背景

文献から見える「光る君へ」の時代背景

「妾」ではなく北の方がいい~!」
「二人で駆け落ちなんていや~!」
あれでは結局、玉の輿が目当てみたいで道長が怒っても当然だと思います。

「まひろさん、道長さまの北の方になりたいなんて厚かましいですわよ。」

by倫子

まひろは何を勘違いしてるんだろ?「恋は盲目」とはこのことか⁈

それに新天皇即位の日の高御座にあった子供の生首。
怪事件ですよね~!
誰の首かはわかりませんが、失脚した花山天皇

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気まぐれ創作裏話④~八月十八日の政変の舞台裏~波山義挙前

気まぐれ創作裏話④~八月十八日の政変の舞台裏~波山義挙前

只今、毎月1話ペースで更新中の「鬼と天狗」。
スローペースですが、プロット自体は割と早くからできているので、完結せず……ということはないです、多分(笑)。

本業で色々手出ししているのもさることながら、「直違の紋~」のときよりも、政局の動きを細かく追っているので、執筆者本人も全体像の把握が大変!……というのが、時間がかかっている主な原因です。なるみんは何気に二本松藩の要人なので、藩政というか国政に

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今回の大河は攻めの姿勢だ!

今回の大河は攻めの姿勢だ!

驚いた!まさかの展開です!
道長とまひろが和歌のやり取りをしているのを眺めていたら、急展開ですんなりベッドインです。

兼家ファミリーの陰謀の行方を見守るつもりだったので完全に油断していました。

突然抱きしめただけでなく、情熱的なキス!

なかなかやるな、道長。

「まひろと生きていくこと、それ以外に望みはない」

しかし、まひろは道長を断わり、

「道長さまが政によってこの国を変えていく様を死

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独断と偏見で語る大河ドラマへの思い2

独断と偏見で語る大河ドラマへの思い2

今から2年ほど前にNHK大河ドラマについての総評記事を書かせていただきました。

この記事で私の勝手な独断で選んだランキングは、

第1位「いだてん」2019年(8.2%)
第2位「龍馬伝」2010年(18.7%)
第3位「平清盛」2012年(12%)

()内は視聴率:社会実情データ図録より

私が1位に選んだ「いだてん」は、ビデオリサーチ(関東地方)によると歴代大河のうちでワースト記録だったそ

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小田原幕府のロマン

小田原幕府のロマン

ブラタモリより

◆記事リンク

江戸の都市機能は中世の中で最も優れていたと評価されています。 その原点になったのが「小田原」だったというコメントが本文にありました。

「小田原合戦」にて全国の有力大名が豊臣軍として攻囲陣に加わった経験から、 城下町としての機能や総構えなどの防御施設を参考にした、という説もあります。

そこから、「江戸幕府ではなく小田原幕府ができたのでは?」という歴史ロマ

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お前も同じ闇の一族だ

お前も同じ闇の一族だ

俺たちの影は皆同じ方向を向いている。

一族の闇だ。

道兼(玉置玲央)のゼリフにぞっとするような韻が含まれていましたね。
同時に道長(柄本佑)は父がすべてもみ消していたことも聞き、リアルな一族の「闇の深さ」を知ります。

道兼は一族の泥かぶり役を意志を持って、自ら担っていることを宣言しながらも、
「お前だって同じ一族の人間なんだからな。」
と、念を押しているようでもありました。

ドン兼家(段田

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