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大阪在住の医師/医学博士。脳卒中専門医、神経内科専門医、総合内科専門医。 大学病院、市…

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大阪在住の医師/医学博士。脳卒中専門医、神経内科専門医、総合内科専門医。 大学病院、市中の基幹病院、高度専門医療センターで多くの患者さんを診療してきました。 私のミッションは、脳卒中や認知症で悲しい思いをする人を減らすことです。 「脳を守る」ための情報を中心に発信しています。

記事一覧

緑茶と認知症

今日のポイント緑茶は認知症予防に対して有効性が期待できる 1日1杯以上摂取する人は認知機能低下が起きにくい 緑茶に含まれるカテキンなどのポリフェノールが認知症予防…

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10か月前
30

初期救急、二次救急、三次救急とは

今日のポイント初期救急は休日夜間の軽症救急患者さんに外来で診療をする 二次救急は救急車で搬送される先の75%を占める 三次救急は救命救急の最後の砦であり、病院の数…

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10か月前
14

健診の受診率

今日のポイント成人の健康診断あるいは人間ドックの受診率は70%程度 正規職員>非正規職員(パートや派遣)>その他の順に受診率が高い 健康維持のため、年に1回は健診や人…

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10か月前
20

動脈硬化の検査 CAVI とは

今日のポイントCAVI は動脈硬化の検査の一つで、動脈の硬さを評価する 検査は短時間かつ負担が少ない簡単なものである 動脈の硬さから血管年齢や将来の重篤な病気のリス…

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10か月前
12

アルツハイマー型認知症の既存薬

今日のポイントアルツハイマー型認知症の既存薬は脳内の神経伝達物質を標的としている 既存薬はアルツハイマー型認知症の進行を遅らせる効果は乏しい 生活の質を高め、介…

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10か月前
14

認知症の方と運転

今日のポイント医師の立場からみた認知症による運転卒業 認知症で運転をやめる事になると現実的、心理的な問題が生じうる 予め「いつ頃、どうなったら運転をやめるのか」…

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10か月前
23

認知症リスクを下げる食事:和食

今日のポイント大豆、海藻、野菜、魚が多い和食は認知症リスクを下げる 和食を継続する場合は米などの糖質と塩分の過剰摂取に注意する 認知症リスクを下げるためには超加…

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10か月前
41

介護付き有料老人ホームとは

今日のポイント介護付き有料老人ホームとは、高齢者向け住宅サービスの民間施設で比較的介護が必要な度合いが大きい方まで対応出来る施設である。 24時間介護が受けられ、…

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10か月前
18

認知症リスクを下げる食事:地中海食

今日のポイント地中海食は認知症リスクを低下させる 地中海食を食べていると動脈硬化や脳の異常タンパク質蓄積が進みにくい 認知症リスクを上げる食品を少なくして、代わ…

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10か月前
16

脳梗塞の症状

今日のポイント脳梗塞の主要な症状は運動麻痺、運動失調、感覚障害、視野異常、言語障害、構音障害、注意障害、半側空間無視などがある ポイントは脳梗塞を疑う症状が"突…

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10か月前
13

認知症リスクが高い、避けるべき食品

本日のポイント超加工食品は認知症リスクを上昇させる 超加工食品とは糖分、塩分、脂肪が多く、味や利便性が重視された加工の度合いが大きい食べ物である 超加工食品を減…

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10か月前
19

スポーツと認知症

今日のポイント一部のスポーツは認知症のリスクを上昇させてしまう 認知症リスクが上がる原因は慢性外傷性脳症と言われている 慢性外傷性脳症は頭部への衝撃が繰り返され…

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10か月前
17

心房細動の治療とは

今日のポイント心房細動の主な治療目的は症状軽減か脳梗塞の予防である 内服薬、注射薬、アブレーション治療、手術など治療方法は様々である 心房細動のアブレーション治…

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10か月前
11

心房細動の診断について

今日のポイント心房細動の診断は心電図で行う 発作性心房細動の診断にはホルター心電図、携帯心電計、植え込み型心電図モニターなどが有効 スマートウォッチや AIでの心…

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10か月前
9

心房細動とはどのような病気か

今日のポイント心房細動とは心臓の一部が震えるような動きになる不整脈である 心房細動は脳梗塞の原因となる病気で、認知症のリスクも高くなる 心房細動は適切に診断し治…

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10か月前
9

アルコール、カフェインと片頭痛

今日のポイント片頭痛のある人はアルコールで頭痛が生じやすい カフェインの習慣的な摂取は片頭痛のリスクを高める 個人差が大きいため、自身の経験則も大切にすると良い…

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10か月前
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緑茶と認知症

緑茶と認知症

今日のポイント緑茶は認知症予防に対して有効性が期待できる

1日1杯以上摂取する人は認知機能低下が起きにくい

緑茶に含まれるカテキンなどのポリフェノールが認知症予防に良い

参考文献
[Nutrients. 2019 May; 11(5): 1165.]
[Public Health Nutr. 2020 Apr;23(6):1049-1057.]

本文緑茶は私たち日本人にとって馴染み深い飲み

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初期救急、二次救急、三次救急とは

初期救急、二次救急、三次救急とは

今日のポイント初期救急は休日夜間の軽症救急患者さんに外来で診療をする

二次救急は救急車で搬送される先の75%を占める

三次救急は救命救急の最後の砦であり、病院の数自体は多くはない

本文初期救急、二次救急、三次救急という言葉をご存知ですか?日本の救急医療体制が整備されてきた中、1977年 (昭和52年) に発足され、現在も継続されているのが初期、二次、三次救急医療体制です。今日はこれらの違いに

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健診の受診率

健診の受診率

今日のポイント成人の健康診断あるいは人間ドックの受診率は70%程度

正規職員>非正規職員(パートや派遣)>その他の順に受診率が高い

健康維持のため、年に1回は健診や人間ドックを受けるようにしましょう

本文まず、健康診断の原則についてお話します。学校の健康診断は学校保健安全法で定められており、市町村の教育委員会は就学前に健康診断を実施し、学校は毎学年定期的に児童および学校職員の健康診断を実施す

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動脈硬化の検査 CAVI とは

動脈硬化の検査 CAVI とは

今日のポイントCAVI は動脈硬化の検査の一つで、動脈の硬さを評価する

検査は短時間かつ負担が少ない簡単なものである

動脈の硬さから血管年齢や将来の重篤な病気のリスクが推測できる

参考文献
[J Am Heart Assoc. 2021 Aug 17; 10(16): e020103.]

本文動脈硬化がどの程度進んでいるのかをみる検査は複数あり、動脈の硬さ、プラーク (動脈硬化で血管の内側

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アルツハイマー型認知症の既存薬

アルツハイマー型認知症の既存薬

今日のポイントアルツハイマー型認知症の既存薬は脳内の神経伝達物質を標的としている

既存薬はアルツハイマー型認知症の進行を遅らせる効果は乏しい

生活の質を高め、介護負担を減らす目的には有効なことが多い

参考文献
[Clin Neurol Neurosurg. 2022 Feb;213:107134.]

本文2023年7月現在、日本でアルツハイマー型認知症の治療薬として使用されている薬剤は4種

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認知症の方と運転

認知症の方と運転

今日のポイント医師の立場からみた認知症による運転卒業

認知症で運転をやめる事になると現実的、心理的な問題が生じうる

予め「いつ頃、どうなったら運転をやめるのか」家族で相談しておく

本文先日、おすすめに挙がっていた [高齢ドライバーと認知症] という note 記事を拝読しました。家族が認知症と診断され運転を卒業した経緯や思いについて執筆されており、拝読できて大変良かったと感じました。

今回

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認知症リスクを下げる食事:和食

認知症リスクを下げる食事:和食

今日のポイント大豆、海藻、野菜、魚が多い和食は認知症リスクを下げる

和食を継続する場合は米などの糖質と塩分の過剰摂取に注意する

認知症リスクを下げるためには超加工食品を減らし、地中海食と和食の要素を取り入れると良い

参考文献
[J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2016 Oct;71(10):1322-8.]
[Am J Clin Nutr. 2013 May;9

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介護付き有料老人ホームとは

介護付き有料老人ホームとは

今日のポイント介護付き有料老人ホームとは、高齢者向け住宅サービスの民間施設で比較的介護が必要な度合いが大きい方まで対応出来る施設である。

24時間介護が受けられ、常勤の看護師ないし介護士の配置義務がある。

費用とサービスの幅が極めて広いので、条件を比較して利用する施設を検討するのが良い。

本文介護付き有料老人ホームをご存知でしょうか。高齢者向けの入居サービスは色々ありますが、違いが分かりにく

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認知症リスクを下げる食事:地中海食

認知症リスクを下げる食事:地中海食

今日のポイント地中海食は認知症リスクを低下させる

地中海食を食べていると動脈硬化や脳の異常タンパク質蓄積が進みにくい

認知症リスクを上げる食品を少なくして、代わりにリスクを下げうるとされる食品を取り入れることが大事

参考文献
[Adv Nutr. 2016 Sep; 7(5): 889–904.]
[Neurology. 2023 May 30;100(22):e2259-e2268.]

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脳梗塞の症状

脳梗塞の症状

今日のポイント脳梗塞の主要な症状は運動麻痺、運動失調、感覚障害、視野異常、言語障害、構音障害、注意障害、半側空間無視などがある

ポイントは脳梗塞を疑う症状が"突然"出現したかどうか

脳梗塞を疑ったら急いでかかりつけ医に相談すること

本文脳卒中のおよそ 4分の3を占める脳梗塞ですが、実は脳梗塞は発症後すぐに治療をすることで劇的に症状が改善する可能性があります。迅速な治療には早期受診が不可欠です

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認知症リスクが高い、避けるべき食品

認知症リスクが高い、避けるべき食品

本日のポイント超加工食品は認知症リスクを上昇させる

超加工食品とは糖分、塩分、脂肪が多く、味や利便性が重視された加工の度合いが大きい食べ物である

超加工食品を減らし、自然の食材を調理して食べる機会を増やしましょう

参考文献
[Neurology. 2022 Sep 6;99(10):e1056-e1066.]
[JAMA Neurol. 2023 Feb 1;80(2):142-150.]

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スポーツと認知症

スポーツと認知症

今日のポイント一部のスポーツは認知症のリスクを上昇させてしまう

認知症リスクが上がる原因は慢性外傷性脳症と言われている

慢性外傷性脳症は頭部への衝撃が繰り返されることによって生じる

参考文献
[J Alzheimers Dis. 2017;60(4):1209-1221.]
[Front Neurol. 2019 Jul 3;10:713.]
[Metabolism. 2019 Nov;10

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心房細動の治療とは

心房細動の治療とは

今日のポイント心房細動の主な治療目的は症状軽減か脳梗塞の予防である

内服薬、注射薬、アブレーション治療、手術など治療方法は様々である

心房細動のアブレーション治療で認知症リスク上昇を抑制できる

参考文献
[Circ Arrhythm Electrophysiol. 2015 Feb;8(1):18-24.]
[Eur Heart J. 2020 Dec 14;41(47):4483-4493

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心房細動の診断について

心房細動の診断について

今日のポイント心房細動の診断は心電図で行う

発作性心房細動の診断にはホルター心電図、携帯心電計、植え込み型心電図モニターなどが有効

スマートウォッチや AIでの心房細動診断も開発が進みつつある

参考文献
[N Engl J Med. 2019 Nov 14;381(20):1909-1917.]
[Lancet. 2019 Sep 7;394(10201):861-867.]

本文今日は心

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心房細動とはどのような病気か

心房細動とはどのような病気か

今日のポイント心房細動とは心臓の一部が震えるような動きになる不整脈である

心房細動は脳梗塞の原因となる病気で、認知症のリスクも高くなる

心房細動は適切に診断し治療することで、脳梗塞を予防することができる

本文心房細動とはどんな病気か、ご存知でしょうか。心房細動とは心臓の一部である心房が小刻みに震えるような動きになってしまう不整脈の一種です。心房細動が生じると、自覚的には何も感じないこともあり

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アルコール、カフェインと片頭痛

アルコール、カフェインと片頭痛

今日のポイント片頭痛のある人はアルコールで頭痛が生じやすい

カフェインの習慣的な摂取は片頭痛のリスクを高める

個人差が大きいため、自身の経験則も大切にすると良い

参考文献
[Lancet Neurol. 2022 Oct;21(10):911-921.]
[Headache. 2019 Oct;59(9):1566-1581.]

本文片頭痛患者さんの多くが「頭痛の原因になるかもしれない」と

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