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「過去の自分や自分の周囲の人々に教えることが出来たら」
毎日の通勤中、そんな考えがふと頭に浮かぶことがあります。しかも、一度ならず何度も。それは突然やってきます。
色んなことを考えます。このSLEという病気と出会わずに済ませてあげられるアドバイスを。
と言っても、原因が一つ特定出来るものでもないから難病なので、そのアドバイスが解決策になるのかどうかは分かりません。
でも考えます。
そして、いつも同じ結論に辿り着きます。
「もし、あ
「だから」を「でも」に変えてみる
このnoteを書き始めた動機は、再燃時の記録、その経験のシェアだったので、それ以外のことを書き続けるつもりは無かった。だが、このnoteの公開をきっかけにTwitterでシェアする事を考えて、そこで多くのSLE患者、難病患者の方々と交流することが出来るようになった。
日常的なやり取りや沢山の方の日々の呟きを見るにつれ、自分自身、生き抜く中で自然と出来上がってきた独自の思考法があることに気がつ
目醒めー記憶喪失、歩行不能、嚥下障害を経て/SLE(全身性エリテマトーデス)という難病とともに生きる(32)
<2018年4月>
いよいよ運転の実技を審査される段階となり、まずはシミュレータを受けた。若い頃の記憶が呼び起こされた。この試験はいわゆる危険回避がテーマで、有り得ないバイクの横入りや歩行者の無茶な横断を予測して、事故を回避する訳だ。その記憶がきちんとあった私は、まず難なくこの課題をクリア出来た。あの平面的な絵を見ながら運転し続けるので、多少胃酸が込み上げる様な感覚はあったが、ただそれだけの事
目醒めー記憶喪失、歩行不能、嚥下障害を経て/SLE(全身性エリテマトーデス)という難病とともに生きる(31)
<2018年4月>
「ちょっと時間がかかり過ぎている様です」
とても面食らった。いよいよリハビリが終了するに違いないと、高をくくっていたからだ。
総体的に私の正答率は悪くなく、元々の能力を評価される様な結果だったのだが、唯一回答に時間が掛かり過ぎていた所が見られて、その点で通常の平均値より劣っていたと説明された。特に後半になるとパフォーマンスが落ちるという事だった。
対して私は、自分が
目醒めー記憶喪失、歩行不能、嚥下障害を経て/SLE(全身性エリテマトーデス)という難病とともに生きる(30)
<2018年3月>
待ちに待ったリハビリが、本格的に始まった。これまでソーシャルワーカーとの面談、主治医の初診とあった二度の通所では殆ど何の進展もなかったが、いよいよ本当のリハビリのステージに入ったのだ。
まず最初に受けたのは心理の検査だった。心理と言っても、TVや映画で観たり、心理テストでイメージする様な性格行動パターンを探る様なものではない。脳に損傷を受けている場合、理解力、判断力、記
目醒めー記憶喪失、歩行不能、嚥下障害を経て/SLE(全身性エリテマトーデス)という難病とともに生きる(29)
妻たち一行が自宅に到着して、一番にドアを開けたのは義母だった。私の車が既にあるのを見て驚きながら、私の母がもう戻ったのかと聞いてきた。
私自身で取りに行って運転して帰ってきた事を話すと、何してるのかと私の行動を否定した。続いて入ってきた妻も義父も、驚きとも呆然とも取れる様相で、溜息をつきながら私を見据えていた。
「何がダメなんですか」
「別に俺、免許剥奪された訳じゃないんだよ?」
「別に
目醒めー記憶喪失、歩行不能、嚥下障害を経て/SLE(全身性エリテマトーデス)という難病とともに生きる(28)
<2018年3月>
ついに待ちかねていたリハビリセンターでの初診の日となった。簡単に入院の経緯と現状を確認する質問を医師から幾つかされ、意思疎通などは問題無いが、文字の書き取りや暗算などが即座に出来ない状態になっていた事、とは言え、ドリルを続けており、徐々に記憶が蘇っていく感覚がある事などを伝えた。また、傷病手当の支給が遅れていることからも、早く復職したい意向を伝えると、流れとしては、数回に