記事一覧
【連載】「灰かぶりの猫の大あくび」#18【RPG編~黄泉がえりは突然に~】第1話
登場人物
夏目愛衣
黄昏新聞の新米記者。アニメ好き。今期のオススメは、『ガールズバンドクライ』。『アイドル編』では、アイドル育成補助金の100万円目当てに、385プロダクションのアイドルオーディションに参加。しかし目論見は外れ、貯金を切り崩す羽目に。
モノリス
灰かぶりの猫の自宅のAIスピーカー。現在は義体化済み。主人公の猫の復活のため、『クロノ・スタシス』という曰く付きのゲームを用意する。
【連載】「灰かぶりの猫の大あくび」#17【アイドル編~なんとかしてアイドルに!~】エピローグ
前回のあらすじ
385プロのプロデューサー冬元が企画したアイドルオーディションの実態は、アイドル候補生たちを良いように弄ぶリアリティーショーだった。問答無用でオーディエンスによるアイドル投票が行われていく中、夏目はオーディションの中止を求め、何故か観覧席に来ていたモノリスの助けを借り、冬元を地獄の底に叩きつける。
登場人物
夏目愛衣
黄昏新聞の新米記者。アニメ好き。『学校編』のエピローグで
【短編小説】「人生劇場」最終話
タクシー運転手の小門政明は、「とりあえず出してください」と男に言われた通り、交差点を右折し、O竹橋通りをN暮里駅方面に走り出した。小門は運転手歴13年目になるが、経験を重ねるにつれて、自然と身に着いた乗客に対する目配り気配りに加え、邪な関心だと自覚しつつも、一人一人の素性を観察するのが習慣になっていた。
小門は客を乗せてまず、後ろを振り向いて行き先を聞く際に、客が素面なのか酒が入っているのかを
【短編小説】「人生劇場」第4話(全5話)
ビルの壁のパネルに、休憩90分3000円~、120分3500円~、と書かれていたホテルの前の壊れかけた室外機は、相変わらず唸るようなエンジン音を立てて、オートバイのアクロバットショーを繰り広げていた。
森野と別れた松田は、現場百篇の言葉通り、最初の現場に立ち戻っていた。現場検証というほどではないが、松田は中腰になり、辺りに何か犯人につながるようなものは無いかと、目を凝らして探し物をしてみた。排
【短編小説】「人生劇場」第3話(全5話)
6月20日。午前11時。
昨日の夜9時から深夜の1時過ぎまで、景子は1時間おきに、夫正則のスマートフォンに電話を掛け続けていたが、正則が出る気配は全くなかった。
LINEに何度メッセージを送っても既読が付かず、今朝になってから会社に電話を入れ、上司の坂本さんに「夫は出社してますか」と聞いてみたが、「え? 景子さんも知らないんですか? 私の方も何度も掛けては見ているんですが、まったくのなしのつぶ
【短編小説】「人生劇場」第1話(全5話)
仁村岳弘の頭頂部すれすれを、喚きたてるようなエンジン音をさせながら、何台ものオートバイの前輪、そして後輪が次々と通り過ぎていく。地面に委ねられている仁村のからだは、オートバイの重力に合わせ、柔らかな豆腐のように小刻みに揺れ動く。一瞬、頭上からオートバイの気配が遠のいたかと思えば、引き返すようにすぐさまエンジン音が近づき、今度は左から右へと頭の上を通り過ぎていく。一思いにではなく、断片的に命を刈り
もっとみる【連載】「灰かぶりの猫の大あくび」#18【アイドル編~なんとかしてアイドルに!~】第四話
前回のあらすじ
真っ暗闇の中で始まった、アイドル候補生たちによる「アイドルを哲学せよ!」の討論。夏目グループの5人は、それぞれが思うアイドルについて語り合った後、このオーディションに対する疑義を持ち出し、結果、オーディションを否定するという結論を導き出すのだった。
登場人物
夏目愛衣
黄昏新聞の新米記者。アニメ好き。『学校編』のエピローグで、モノリスが無断で義体を購入したため、急遽「10
【ショートショート】試作品4「三振の裏に」
グラウンドの土で汚れたユニフォーム姿の翔太が、半べそを掻きながら、駄菓子屋の前を通り過ぎる。
――おい、なんだ。また、三振して帰ってきたのか。
煙草を吸いながら、油を売っていた駄菓子屋の親父の声に、翔太が足を止める。
――お前は知らないだろうが、あのミスターはな、初めての試合は4打席連続三振だったんだぞ。
翔太は、心ここにあらずと言った表情で、ぼんやりと足元を見つめていた。
――良
【連載】「灰かぶりの猫の大あくび」#17【アイドル編~なんとかしてアイドルに!~】第三話
前回のあらすじ
第一次選考を無事通過した夏目。続く第二次選考では、385プロの敏腕プロデューサーの冬元から、新たな難題が提示される。それは「アイドルを哲学せよ!」というものだった。突如、照明が落とされ、ベタ塗りのような真っ暗な空間で、お互いの顔も名前も分からない中、第一次アイドル候補生たちは文字通り、手探りでアイドルとは何かを考え始める。
登場人物
夏目愛衣
黄昏新聞の新米記者。アニメ好
【連載】「灰かぶりの猫の大あくび」#16【アイドル編~なんとかしてアイドルに!~】第二話
登場人物
灰かぶりの猫
久しぶりに小説を書き始めた、岩手県出身の三十代。『学校編』で三島創一との問答の最中、この物語から姿を消す。
夏目愛衣
黄昏新聞の新米記者。アニメ好き。『学校編』のエピローグで、モノリスが無断で義体を購入したため、急遽「100万円」を用意しなければならなくなり、アイドルの育成補助金目当てに、385プロダクションのアイドルオーディションに参加する。
モノリス
灰かぶりの