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宗教2世として育った私の過去

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宗教2世として育ち18歳の時に脱会。体験ストーリー。宗教組織と両親から離れて生きる事を決めて自立したものの、その後の人生も生きづらさは消えず。年齢を重ねる毎に生きづらさは募る事に… もっと読む
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記事一覧

私の過去①~どうしてうちだけ~

私の過去①~どうしてうちだけ~

どうしてうちだけ…
どうして私だけ…

と、子供の頃に思っていました。

今日は、私の幼少期の頃の事を書いてみようと思います。長くなるかもしれないので、幾つかに分けて、投稿するかもしれないです。

私が、4歳になった頃に、父親が宗教勧誘を受けて、入信。数年後に母親も入信しました。

幼かったので、父親が入信した頃の記憶は断片的ですが、父親が夜に出掛けて遅くに帰宅する(宗教の勉強に行っていた)音を布

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私の過去②~どうしてうちだけ~

私の過去②~どうしてうちだけ~

①の続きです。

宗教上の理由で課された制限、我が家は父親の信仰心がとても強かったために、かなり厳しく制限されました。

・国家、校歌を歌ってはいけない。
・選挙に参加してはいけない。
・格闘技をしてはいけない。
・誕生日や七夕、クリスマスや季節の行事、地域のお祭りなど、一切参加したり祝ってはいけない。
・放課後のスポーツ活動などには参加せず(小学生の頃は陸上練習や水泳練習など)、すぐに帰宅しない

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私の過去③~祖父と曽祖母の死~

私の過去③~祖父と曽祖母の死~

私の祖父は、無口で厳しく、でも優しい人でした。
私が4歳の頃に、大きな病気をして入院し、退院後の通院をする時、ほぼ毎週、数ヶ月間、母親(当時はペーパードライバー)と私を車に乗せて、片道約35kmの道のりを送迎してくれました。

幼い私は病院の雰囲気と、白衣と、注射がとても怖くて、ただ体温を測る事から嫌がって、診察の順番が来る前から泣いていました。とても母の手を焼かせただろうと思います。

受診を終

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私の過去④~洗脳からの目覚め~

私の過去④~洗脳からの目覚め~

曽祖母が亡くなった後、私は少し不思議な感覚になりました。

家族として、ずっと一緒に住んで、共に生活してきた人が、ある日亡くなり、存在が消えてしまう...。
不在感が大きく、目の前の空間にも、心の中にも、ポッカリ穴が開いたような感じです。
でも、それなのに、日常は止まる事なく、時間はどんどん流れて行く...。
人が亡くなるって、どういう事なんだろう...。
この間までは、ここに、すぐ近くに、居たよ

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私の過去⑤~洗脳からの目覚め~

私の過去⑤~洗脳からの目覚め~

その後、両親の事は、一歩引いた視線で見るようになっていました。
そして、自分でなんとかするしかない、自分で生きていくしかない、と感じた気持ちは強くなり、
その気持ちは、自分の生活全般について、本当の自分はどう感じて、どう思っているのか。そして自分はどうしたいのか。その気持ちと向き合わせる事になりました。
私自身の本音は??
私自身、今までのいろんな事、どう感じて、どう行動してきた??
そう考えるよ

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私の過去⑥~両親との衝突~

私の過去⑥~両親との衝突~

気づいてしまった以上、
自分の気持ちに嘘をついて、宗教活動を続けていく事はもう考えられませんでした。

そして、辞めると決意した以上、
両親に言わねばならないと思いました。
自分の本当の気持ちを伝え、
これからの自分はどうしたいか、どうするかを話さねばと思いました。
同時に、その事を両親に伝えれば、聞いた両親が、間違いなく大反対してくるだろうと、怒り倒し荒れ狂うかもしれないと、避けて通れない、越え

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私の過去⑦~両親との衝突~

私の過去⑦~両親との衝突~

本当に、父親は、完璧に洗脳されきっている状態でした。
父親に、洗脳という言葉を投げかけると、ほかの宗教と一緒にするな!、と猛烈な勢いで暴言を吐いてきました。
頭の中が教義で凝り固まっている父親に、私が何を言っても、まったく通じませんでした。
そして、私が引き下がらず、行いを変えない事にまた怒り、私から悪影響が及ぶからと、妹に近づかないよう言ってきました。
私は ' 悪魔サタンの手中に落ちた者 '

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私の過去⑧ ~卒業・決別~

私の過去⑧ ~卒業・決別~

その後、父親の居ない所で、母親が話してきました。
私が幼い頃、父親が入信した頃、離婚して、私と妹を連れて、実家に帰ろうかと真剣に考えた事があった事。
母親の実家の家族も交えて話し合った結果、結局帰る事はせず、夫婦関係を継続し、生活を続けていく事を選んだ事。そうするしか、なかったと。
そして父親の勧めに従って自分も宗教の勉強をして、宗教の教義は真理だと、本当に信じるようになった事。
今も、これからも

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私の過去⑨~結婚・排斥~

私の過去⑨~結婚・排斥~

あれからもう...約30年。
こう書いていて、驚きます。
そんなにも月日が経ったんだ...と思います。

私が実家を出て以降、
父親や母親、妹と出会い言葉を交わしたのは、数回だけです。

社会人になってから、数年のうちは、
年末大晦日にだけ、帰省していました。
職場内で、皆が年末年始用のオードブルの注文をする習慣があり、私も注文。
普段全く実家に帰省しない私を見た上司が、
「たまには帰るもんだわ~

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私の過去⑩~子育て・両親への葛藤~

私の過去⑩~子育て・両親への葛藤~

自分は絶対に両親のようにはならない、と思って子供に接していましたが、子育てとは本当に簡単なものではありませんでした。
マニュアルのような、そんなものはないし、相手は小さくても意志を持った生身の人間で、本当に日々試行錯誤で、手探りしながらでした。

自分の子育てが、適切だったのかどうかはわかりませんが、意識をしたのは、子供の話しをちゃんと聴こうという事でした。
完璧ではないし、足らなかったでしょうし

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私の過去⑪~劣等感・生きづらさ~

私の過去⑪~劣等感・生きづらさ~

昨年の夏の痛ましい事件の後、
思いがけなく見聞きするようになった宗教2世問題。
この一連のニュースなどを観た時、私はまさに体験してきた当事者だと思いました。
私より若い世代の方が、この問題について声を発して、実体験を語り、国に救済措置を求めている。
その勇気に、衝撃を受け、言葉が...出ませんでした。
そして同時に、このような体験をした人が、
一定数いらっしゃるという事実を知り、私だけじゃなかった

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私の過去⑫~再びの葛藤・中庸へ~

私の過去⑫~再びの葛藤・中庸へ~

宗教2世関連のニュースを、きっと両親も目にしているはず...と思いました。
ニュースを観て、両親はいったいどういう気持ちでいるのだろう、どう思っているのだろう...と思いました。

2022年12月末に厚生労働省から出された
「宗教の信仰等に関係する児童虐待等への対応に関するQ&A」に、昔、両親が私や妹に行った体罰や様々な制限が、ほぼ全て身体的また心理的虐待にあたるという事が明言されていました。

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私の過去⑬~再びの葛藤・中庸へ~

私の過去⑬~再びの葛藤・中庸へ~

私が実家を出た後、妹に、もしも宗教を辞めたい、実家を出たいと思ったら私に話してほしいと伝えた事がありましたが、妹はずっと宗教組織を離れる事なく、両親と同じように宗教教義を信じて過ごしていました。
過去に父親から、私が悪影響を及ぼさないよう妹に近づくなと言われてから、妹との関係性は微妙なものになって時間が経過しましたし、
両親と同じように、妹ともお互いの考え方を話すとその違いが歴然となり、傷つけ合う

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私の過去⑭~自己受容・赦し~

私の過去⑭~自己受容・赦し~

私は、宗教と両親から離れて生きて行く道を選んで、日々生きていく中で、自分で選んだ道とは言え、どうしても生きづらさを感じると、
自分の力ではどうする事も出来なかった幼少期の体験のせいだと、そんな体験を私に与えた両親のせいだと、ずっとそう思い、ずっと両親を恨んできたように思います。

両親が私にした事のせいで、私は私の人生前半の貴重な時間を奪われ、自分の心身が傷つき、心の奥深く根底に闇を抱え、それが根

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