【医療コラム】【子育てコラム】【48歳からのコラムニスト】子育て小児科医そして児童精神科医

現役小児科医そして児童精神科医として4人の我が子の子育てしながら総合病院勤務しておりま…

【医療コラム】【子育てコラム】【48歳からのコラムニスト】子育て小児科医そして児童精神科医

現役小児科医そして児童精神科医として4人の我が子の子育てしながら総合病院勤務しております。

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記事一覧

【医師コラム】仕事に対する姿勢が変わった瞬間  小児科研修医

■こそこそしてばかりの研修医 長年医療業界にいると変化していくことはたくさんあります。たとえば、今の研修制度ですと、小児科に新入局員が10人を超えるというようなこ…

【医師コラム】「正解ばかりを選べる人生なんてないよ」

■私にしかわからない私の内情 「正解ばかりを選べる人生なんてないよ」 たとえそれを誰かに言われたとしても、それを受け入れる余裕などなければ結局意味はありません。…

【小児医療コラム】自律訓練法 不安緊張やストレスの緩和に有効なトレーニング

心と体をつなぐ神経と言われる自律神経。この自律神経は興奮したりストレスを感じたりした時に優位になる交感神経と、リラックスした時に優位になる副交感神経からなります…

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【小児医療マンガ】起立性調節障害① 病気の概要 (OD:Orthostatic Dysregulation)

 起立性調節障害は小学生の約5%、中学生の約10%の10 ~16歳に有病率があると考えられている、非常に一般的な身体疾患です。男女比は男:女=1:1.5 ~2です。  自律神…

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【医師コラム】

■いつも1人でいる彼女の姿 私はこれまでにも様々な人たちと出会ってきました。その中で、仕事に対する姿勢が変わったきっかけといえば、ある人が頭に浮かんできます。今…

【医師コラム】多様性社会の子ども

■日本に住む外国人の数は増加傾向にある 国内外国人が増えていますね。2020年に日本に在留外国人は約300万人。2015年から比較すれば50%増です。ですがそれに社会が適応し…

【児童精神科コラム】受験うつの実情 後編

■受験うつの症状とは 今回は前回の続きです。前回は、受験うつとはどういう症状のことを言うのかをお伝えしてきました。今回はさらに掘り下げていきたいと思います。 受…

【児童精神科コラム】受験うつの実情 前編

■受験うつの定義 「受験うつ」とは受験勉強が思い通りにいかない、自分には価値がないなどと思うことが典型例です。強いストレスを受け続けることで脳の機能障害が発症機…

【児童精神科コラム】「過保護」「過干渉」が子どもに及ぼす 悪影響そして対処法

子育て中のみなさん、気づかないうちに「過保護」や「過干渉」になっていませんか? わが子のためと信じてやっていることが、場合によっては「過保護」「過干渉」となり、…

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【小児医療コラム】利益の少ない小児医療の課題 医療機器開発が進まない

■小児医学と医用工学 工業技術の発展と共に私たちの生活にはさまざまな工業製品が関わっています。 日常生活ではパソコンや家電がない生活は考えられないものとなってお…

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【医療コラム】日本の医療費は高い? 医療システムの海外比較

最近、税金で話題といえば「子育て」に関することですが、日本の医療費は増大の一途をたどっていること、ご存知ですか? 医療費が増大すると、高齢化社会とともに保険料を…

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【医療コラム】見てるか?  研究者の命である研究を盗むヤカラ。

研究者の命である研究を盗む。盗まれてしまうドラマ。 ありがちと言えばありがちですが、これはよくあることなのです。 例えばある研究を見出だし学会で発表する。 すると…

【医療コラム】医療も政治も上に立つ者が大事 

■ポジティブからネガティブに移行する会話 私の大好きなTV番組「ザワつく金曜日」で、東大生が選ぶ総理大臣になってほしい人ランキングをやっていました。 ブレない。周…

【児童精神科コラム】いじめ現場の目撃  そして児童精神科医へ・・。

■今でも忘れられない小学校時代の事件  私が通っていた小学校には、「養護学級」(現在の特別支援学級)というクラスがありました。  私が小学1年生だった時、養護学級…

【医師コラム】自分自身を叱咤激励 

■「お仕事」にはいろんな側面がある みなさんは「お仕事」は好きですか? 子どもの頃は私のように「お医者さん」のみならず、「プロ野球選手」や「Jリーガー」を目指し…

【児童精神科コラム】【子育てコラム】親として小児科医として思う

■しつけの質が落ちている現在 子どもを育てるのはとても大変です。子どもの気持ちを理解しながら、しつけなければいけません。子どもの気持ちを無視することなどあり得な…

【医師コラム】仕事に対する姿勢が変わった瞬間  小児科研修医

【医師コラム】仕事に対する姿勢が変わった瞬間  小児科研修医

■こそこそしてばかりの研修医
長年医療業界にいると変化していくことはたくさんあります。たとえば、今の研修制度ですと、小児科に新入局員が10人を超えるというようなことはないでしょう。指導医がいて。それに合わせた入局者ということになるはずです。しかし、以前は労働基準法に照らし合わせれば明らかに問題ありと言われてしまうような無給医局員の存在があり、そうすることで少しでも医局員を確保しようとしている医局な

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【医師コラム】「正解ばかりを選べる人生なんてないよ」

【医師コラム】「正解ばかりを選べる人生なんてないよ」

■私にしかわからない私の内情

「正解ばかりを選べる人生なんてないよ」

たとえそれを誰かに言われたとしても、それを受け入れる余裕などなければ結局意味はありません。どん底にいるときは、周りが見えておらず、ただ一人で辛い現実を抱えている状態です。そこから抜け出すには、何も言わずに寄り添ってくれる人がいるか、音楽や本など分かりあえるものと自分が出会うしかないのかもしれません。

私にとっての医師人生の

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【小児医療コラム】自律訓練法 不安緊張やストレスの緩和に有効なトレーニング

【小児医療コラム】自律訓練法 不安緊張やストレスの緩和に有効なトレーニング

心と体をつなぐ神経と言われる自律神経。この自律神経は興奮したりストレスを感じたりした時に優位になる交感神経と、リラックスした時に優位になる副交感神経からなります。ストレスに晒された状態が続いているとこの自律神経のバランスが崩れてしまい強いストレスにさらされます。交感神経が活発になりすぎて心身が疲弊するのを防ぐことが重要です。
自律訓練法は、心と体をつなぐ自律神経を自分でコントロールし、リラックス状

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【小児医療マンガ】起立性調節障害① 病気の概要 (OD:Orthostatic Dysregulation)

【小児医療マンガ】起立性調節障害① 病気の概要 (OD:Orthostatic Dysregulation)

 起立性調節障害は小学生の約5%、中学生の約10%の10 ~16歳に有病率があると考えられている、非常に一般的な身体疾患です。男女比は男:女=1:1.5 ~2です。
 自律神経の働きが悪くなり、起立時に身体や脳への血流が低下する病気です。 そのため、朝になかなか起きることが出来ない、朝の食欲不振、全身倦怠感、頭痛、立っていると気分が悪くなる、立ちくらみなどの症状が起こります。 症状は午前中に強く、

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【医師コラム】

【医師コラム】

■いつも1人でいる彼女の姿
私はこれまでにも様々な人たちと出会ってきました。その中で、仕事に対する姿勢が変わったきっかけといえば、ある人が頭に浮かんできます。今回は、その人のことについて書いていこうと思います。

私には学生の頃から知っている女性がいます。彼女は、教室の中で常に1人でいました。誰かと一緒に行動するどころか、誰かと話をしているところも見かけたことがありません。ですが、彼女はイジメられ

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【医師コラム】多様性社会の子ども

【医師コラム】多様性社会の子ども

■日本に住む外国人の数は増加傾向にある
国内外国人が増えていますね。2020年に日本に在留外国人は約300万人。2015年から比較すれば50%増です。ですがそれに社会が適応しきれていません。児童精神科医という仕事をしていると、日本の子どもだけではなく、在日の子どもたちと話す機会も多いのでつくづくそう感じてしまいます。

外国人ということでいじめにあった。文化の違いを言われることやもしくは自ら孤独を

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【児童精神科コラム】受験うつの実情 後編

【児童精神科コラム】受験うつの実情 後編

■受験うつの症状とは

今回は前回の続きです。前回は、受験うつとはどういう症状のことを言うのかをお伝えしてきました。今回はさらに掘り下げていきたいと思います。

受験うつの症状とは、ストレスがかかって、頑張ってもうまく成果が上がらないともなると、
「受験が近づいているのに、まったく勉強する気が起きない」
「問題集や塾の授業に集中できなくなった」
「あれほど繰り返し勉強したところなのに、思い出せない

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【児童精神科コラム】受験うつの実情 前編

【児童精神科コラム】受験うつの実情 前編

■受験うつの定義

「受験うつ」とは受験勉強が思い通りにいかない、自分には価値がないなどと思うことが典型例です。強いストレスを受け続けることで脳の機能障害が発症機序となります。多感な時期である10代~20代前半は、周りの大人にとっては些細なことが深刻な悩みになり得ます。自身の状態を正しく理解して、言葉にすることができればいいのですが、できないことも少なくありません。

「新型うつ」の主な原因として

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【児童精神科コラム】「過保護」「過干渉」が子どもに及ぼす 悪影響そして対処法

【児童精神科コラム】「過保護」「過干渉」が子どもに及ぼす 悪影響そして対処法

子育て中のみなさん、気づかないうちに「過保護」や「過干渉」になっていませんか?
わが子のためと信じてやっていることが、場合によっては「過保護」「過干渉」となり、お子さんに悪影響を及ぼすことがあります。

そこでこの記事では、「過保護」や「過干渉」が子育てに及ぼす影響について、また、「過保護」や「過干渉」にならないようにするにはどうしたらよいのかについて解説します。
ぜひ参考にして、ご自身の子育てを

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【小児医療コラム】利益の少ない小児医療の課題 医療機器開発が進まない

【小児医療コラム】利益の少ない小児医療の課題 医療機器開発が進まない

■小児医学と医用工学

工業技術の発展と共に私たちの生活にはさまざまな工業製品が関わっています。
日常生活ではパソコンや家電がない生活は考えられないものとなっており、仕事でもあらゆる業種でロボットやコンピュータが必須になっています。
医学の世界でもさまざまな工業製品が使われており、日々新しい医療機器が開発されています。
このような工業製品の開発では製品を作成する工学系の技術者と、実際現場でその製品

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【医療コラム】日本の医療費は高い? 医療システムの海外比較

【医療コラム】日本の医療費は高い? 医療システムの海外比較

最近、税金で話題といえば「子育て」に関することですが、日本の医療費は増大の一途をたどっていること、ご存知ですか?

医療費が増大すると、高齢化社会とともに保険料を払える世代が減少し、国民負担が増えることになります。

ただし、少子・高齢者問題を抱えているのは日本だけではありません。他の先進国も同じ傾向をたどっているのです。

では、諸外国と比べて日本の医療費は高いのでしょうか?それとも安いのでしょ

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【医療コラム】見てるか?  研究者の命である研究を盗むヤカラ。

【医療コラム】見てるか?  研究者の命である研究を盗むヤカラ。

研究者の命である研究を盗む。盗まれてしまうドラマ。
ありがちと言えばありがちですが、これはよくあることなのです。

例えばある研究を見出だし学会で発表する。
すると興味を持った雑誌社があの研究を特集したいので記事を執筆して下さいと依頼をしてくるわけなのだが、このとき研究を発見した者にその依頼が来るわけがない。そんな記事は誰も読まないし雑誌が売れないからだ。
だから共同研究者のトップに依頼が来る。論

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【医療コラム】医療も政治も上に立つ者が大事 

【医療コラム】医療も政治も上に立つ者が大事 

■ポジティブからネガティブに移行する会話

私の大好きなTV番組「ザワつく金曜日」で、東大生が選ぶ総理大臣になってほしい人ランキングをやっていました。

ブレない。周りに気配りがきく。
といった視点から、様々な人が挙げられていました。たまたま当直で医局で見ていたので、⚫️⚫️はまだ若いだろうとか、◯◯なんていいねーなんて、医局でも盛り上がっていました。ただ、そのときは楽しかったんですが、段々と話は

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【児童精神科コラム】いじめ現場の目撃  そして児童精神科医へ・・。

【児童精神科コラム】いじめ現場の目撃  そして児童精神科医へ・・。

■今でも忘れられない小学校時代の事件
 私が通っていた小学校には、「養護学級」(現在の特別支援学級)というクラスがありました。

 私が小学1年生だった時、養護学級には自閉症の子が1人だけいたそうですが、それは後から知った話です。当時の私は、そのクラスがなんのためにあって、何をしている所なのかは、わかっていませんでした。

 でも、教室の存在だけは知っていました。ただ、そのクラスは職員室と同じ1階

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【医師コラム】自分自身を叱咤激励 

【医師コラム】自分自身を叱咤激励 

■「お仕事」にはいろんな側面がある

みなさんは「お仕事」は好きですか?

子どもの頃は私のように「お医者さん」のみならず、「プロ野球選手」や「Jリーガー」を目指して夢見た方も多いと思います。「好きだからできる仕事」ってそうはないんだよ。好きでも仕事として続けるとちょっとなぁ・・。そんな言葉は、苦い思いをした大人しか言えないし、逆に誰にも言えないことかもしれません。

仕事はいろいろなことにチャレ

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【児童精神科コラム】【子育てコラム】親として小児科医として思う

【児童精神科コラム】【子育てコラム】親として小児科医として思う

■しつけの質が落ちている現在

子どもを育てるのはとても大変です。子どもの気持ちを理解しながら、しつけなければいけません。子どもの気持ちを無視することなどあり得ないし、そのためには時間をかけて育てなければならないからです。

公共の場で子どもがルールを守らなかった場合、近くに親がいれば親が怒るのが当然です。しかし、最近の親は注意しません。親が注意しなければ、周りの大人が代わりに注意をするということ

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