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とりとめのない感想文

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本が中心になるとは思います。
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どーかついでがあったら

うらにわのアルジャーノンのおはかに花束をそなえてやてください。

10年ぶりに読んだ。
めちゃくちゃ悲しいことはわかっていたのだけれど、喉元過ぎれば熱さを忘れる選手権在独邦人トップ独走のエンデは「うわ~なつかし~これいい本ですよね~」と同僚から借りて読んでしまった。
結果として「うえ~~悲しすぎる…うっうっ」となっているので、親に会う際などは忘れた熱さをしっかり呼び覚まし今度こそ火傷しないよう警戒

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論語

論語

大学の専攻がそれっぽい(?)から詳しいと勘違いされることが多かったけど、
論語さんも孔子ちゃんも孫子くんも、ほんとに一つも詳しく知らない。

けど日本という国に蔓延する年功序列的なのの祖っぽいし、マンガでわかるで3%だけわかってみた。
の、感想。

結論から言って、孔子ちゃん自身が悪いわけじゃないと思った。当たり前か?
孔子ちゃんの「親を敬え、年上を大事にしろ」だけをスクショした人がいて、
それを

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『漁港の肉子ちゃん』/西加奈子

『漁港の肉子ちゃん』/西加奈子

私にはもう10年近くずっと仲良くしてくれているファビラスなお姉さんがいるんですけど、その人が先週贈ってくれた本を読んだ感想文を書きます。

私がマジでマジでマジで世界に押しつぶされてた時とか、本当に死んでた時とか、何もできないって泣きわめいてた時とか、いつもものすごいタイミングで連絡をくれて、

エンデちゃんは感受性が豊かなだけだからそれでいいんだよとか、そうだよね疲れるよねとか、羨ましくさえ思う

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貧乏ゆすりの形而上学

貧乏ゆすりの形而上学

カント先生の話を布教しようと思います。
私もあんまりよくわかってないけど、わかってないから書きます。

まず、人間には感性・悟性・理性という三つの認識能力が備わっています。

「感性」は何かを目にしたときに何かをただ「感じる」こと、まあ「直感」とだいたい同じですね。

「悟性」は、その感じた何かを「これはなんぞや」と考えるもの、そこで生まれるのが「概念」です。

わかりにくいことの説明には卑近な例

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「野の医者は笑う-心の治療とは何か?-」/東畑開人

「野の医者は笑う-心の治療とは何か?-」/東畑開人

2年くらいオススメされ続けてようやく読んだ。

新たな発見がある!ハイパー役に立つ!人生変わった!とかではないけど面白かったので短めに感想文のようなものを書く。

最近ドイツのこともわたしの感情の揺れも思考も書けてなくて悲しい、でもでもだって眠いもん。

優秀っぽい臨床心理士が、沖縄に多く存在する謎の医療を施すスピリチュアルな人々を取材し、自分についても知る、って感じのソーシャルワーク的なレポート

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冷え物/小田実(とても長い感想文と自戒、その3)

冷え物/小田実(とても長い感想文と自戒、その3)

差別の話題から、第三項排除、についてって感じのアレです。

旅の中でも、定住してても思うのは、私は差別とかされてるとあまり感じないしむしろ外国人はめちゃくちゃ親切にしてくれてるな、っていうのと、むしろ日本人同士の見栄の張り合いや牽制とかマウンティングみたいなのの方がよっぽど無理だなっていう、まあ当たり前といえば当たり前なことです。

この間まで住んでいた街は、日本人街から30分くらいの距離なので、

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冷え物/小田実(とても長い感想文と自戒、その2)

冷え物/小田実(とても長い感想文と自戒、その2)

続き。差別について、ですね。

いろいろと思うところはあるけれど、このお話の中で私が一番えぐられたというか、泣きそうになるくらいの衝撃を受けたのは、岡本とお信さんの差別の投げ合いについてでした。
主人公の周りにいる岡本という男とお信さんと呼ばれる女が、互いに「あの人は◯◯(部落の蔑称)らしい」と蔑み合うところ。

ほんとうはお互い部落出身じゃないし、部落出身じゃないとも知っているのに、部落が差別に

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冷え物/小田実(とても長い感想文と自戒、その1)

冷え物/小田実(とても長い感想文と自戒、その1)

ひょんなこと(ただのネットサーフィン)から小田実さんの存在を知り、調べてみたらものすごく興味がわいて試しに読んでみたらものすごくすごくてすごすぎた。何も言えないけどがんばってこの感情を言葉として残しておきたい。
小田実さんの顰に倣って、私も出来る限り正直に書こうと思います。

私の中の「近年読んだものすごい小説ランキング」暫定一位に躍り出ました。二位は閉鎖病棟かな。

相手がどんなに素晴らしい人で

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ドナウの旅人/宮本輝

ドナウの旅人/宮本輝

kanaさんから勧めてもらって読んだ本。

文庫はこちら↓

Kindleはこちら↓

ドナウ河に沿って旅をする2組のカップルが主人公(なのかな?)のお話です。
西ドイツからずーーーーーっと河沿いに下って何ヶ月もかけて旅をして。
設定だけ見るととても「いいなー」って感じたし、ストーリーとしてもとても「いいなー」って感じでした。

3つの河が混じりあうパッサウにも行きたくなったし、一気にくるというバ

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生が死を受け入れたとき、生は生を受け入れる

生が死を受け入れたとき、生は生を受け入れる

Wann das Leben akzept den Tod, das Leben akzept das Leben.
あってるかはわからないドイツ語。

買おうか悩んで買ってなかった本、きっかけをもらって買ったらすぐ読めたし書きたいことが溢れ出してきた。

Kindle↑紙↓

旅と生死と狩猟とお金、ってkuripかよ。って思ったけど、全体的に生き方を肯定されてる気がしてよかった。
肯定してくれる

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Note creator meetupに参加しました

Note creator meetupに参加しました

いや普通に子どもたちと遊ぶ予定(仕事)が19時半まで入ってて遅刻してしまったんですけど。
まじほんと、無理言ってでもはやく上がればよかったって思いますね。

仕事(今日は大縄跳びとシルバニアに精を出しました)が終わってからダッシュで着替えて顔も体もどろどろのままダッシュで会場に向かったんですけどね、20時前には着いたし、時間的にまだいろいろ聞けるかなとは思っていたんですけどね、甘かったな〜。
内容

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口笛とまばたき

口笛とまばたき

最近読んだ本の話

紙↑Kindle↓

2冊とも重松清さんの本で、積読と言うか昔読んだけどあんまり記憶に残っていなかったもの、だと思う。

「四十回のまばたき」は売れない翻訳家が妻に不倫されて奥さんが事故で死んでその妹の季節性うつ病みたいな子(耀子)と寝て子どもができて、翻訳した本の原作者のチェーンソーが似合いそうな熊みたいな男に気に入られて励ましあってなんだかいい感じって感じの話。
耀子の言う

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僕の中の壊れていない部分/白石一文(2)

僕の中の壊れていない部分/白石一文(2)

感想文を書くためにパラパラと再読しているわけですが、やっぱりすごい本だなあと思います。
だって、直人にも枝里子にも雷太にもほのかにも、大西夫人にも朋子にも拓也にも寺内にもパクイルゴンにも、どこかで共感できてしまうから。
共感というよりかは、私の中に彼らがみんな住んでいるかのような、そんな錯覚を起こす。そう感じるように、誰もが共感してしまうように書かれているのかな、なんて思ったりもするけれど、私はま

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僕の中の壊れていない部分/白石一文(1)

僕の中の壊れていない部分/白石一文(1)

7年くらい積読だった本。
そろそろ本棚をどうにかしなければならないので、読み終わった本は人にあげたり図書館に寄贈したりしようと思う。Amazonとかブックオフで売ってもいいけど、好きな本は届いてほしい人に届いてほしいし、まずは知人から布教していきたい。16年くらいお世話になってる区も好きだから、好きな区の好きな図書館に好きな本があるといいな、とも思うし。まあ単純に売るのが手間だっていうのもある。た

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