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セイのカクリツ:「多様“性”」に満ちた未来をいきる

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太古の時代、生物の「性」は一つのみであり、細胞分裂や株分けで自分のクローン体を増やすだけだった。そこから「メス」と「オス」に分化し、遺伝子交換によって生殖するようになったのは「多… もっと読む
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2020年4月の記事一覧

「ジェンダーギャップ121位」の記者会見

南  彰(新聞労連委員長、MIC議長)

まるでジェンダーギャップ指数121位の日本社会を投影するような記者会見だった。

「1世帯当たり30万円」

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、政府が「緊急事態宣言」に踏み切った4月7日。男性の政権幹部や専門家と一緒に会見に臨んだ安倍晋三首相が、支援策として真っ先に挙げたのは、「世帯主」の所得を基準にした給付だった。

2011年の東日本大震災のときに

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男の子もセーラームーンを楽しんでいいじゃない

男の子もセーラームーンを楽しんでいいじゃない

「美少女戦士セーラームーン」の3つのアニメシリーズが、YouTubeで公開される。

sailormoon-officialチャンネルで、随時公開。

この機会に、少しずつセーラームーンを観直している。

公開された30年程前に観たときには、どこか後ろめたい思いがあった。なぜなら、私が男の子だったからだ。

最初は、特に気にしていなかったんじゃないかと思う。ありふれた子どもが、不思議な力を手に入れ

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「愛と性と存在のはなし」第8回 〔男か女に生まれることの避けられない痛み〕 赤坂真理

「愛と性と存在のはなし」第8回 〔男か女に生まれることの避けられない痛み〕 赤坂真理

※連載第1回から読む方はこちら

 わたしのことを話さなければならない。わたし自身の最も深い苦悩について。
 わたしの苦悩と、そのいちばんの核に隠された可能性について。
 その可能性について語るために、わたしはこのすべてをしている。

耐え難さと生きていくために
 それは、そうすべき対話の時間だった。相手が、誠心誠意そうしてくれるのを聞いていた。驚くべき告白を、聞いていた。息をするのも忘れて。わず

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「愛と性と存在のはなし」第7回 〔最も深い苦悩を語るということ〕 赤坂真理

「愛と性と存在のはなし」第7回 〔最も深い苦悩を語るということ〕 赤坂真理

※連載第1回から読む方はこちら

 「あなたの秘密を書いてください」
 そう言われたら、あなたは何を書くだろうか。
 正直になれるだろうか? 目の前の人に。
 いや、
 正直になれるだろうか? ほかならぬ自分に。
 自分のために。
 
 そんな課題を、2019年度、教えていた大学生の創作の課題に出した。

 何年か創作の教師をして、創造性には、この課題がいちばんよかった。いちばん変容が起きた。いろ

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お産は素晴らしいもの、とまわりが押し付けてはいけないかもしれない

お産は素晴らしいもの、とまわりが押し付けてはいけないかもしれない

お産は女性にとって素晴らしい経験、母になる通り道、と神秘的で、良さげな響きの、綺麗事を言うのは簡単だ。私は助産師として、お産された女性にとって、そのお産が、その人にとって受け入れることができ、育児にすすんでいけるようにケアをしていきたいと思う。でも、決して、お産は素晴らしいものだったでしょ?赤ちゃんは可愛いでしょ?と綺麗事の、押しつけるような関わりをしてはいけない、と思うのだ。

“陣痛を耐えて産

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今、学生が論文のテーマに選ぶ「ロマンティック・ラブ・イデオロギー」とは。

今、学生が論文のテーマに選ぶ「ロマンティック・ラブ・イデオロギー」とは。

突然だが、あなたはロマンティック・ラブ・イデオロギーという言葉を知っているだろうか?

実は、検索窓に「ロマンティックラブイデオロギー」と入力すれば、学生たちの書いた多くの論文がヒットする。

なぜ今、学生たちはこのテーマを研究対象に選ぶのか?

今日はそんな話。

■恋愛トークの3点セットロマンティック・ラブ・イデオロギーとは何なのか?

詳しくは論文に書いてあるのだが、論文を読むには体力も時間

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女らしさってなんだ。

女らしさってなんだ。

女性らしさとはなんだろう。
ファッションやメイクに気を使って
清楚で、言葉遣いが綺麗で
ヒールを履いて、スカートを履いて
結婚して子供を産んで
それが女性らしさなのだろうか?

私は小3でサッカーと出会い
それ以降4年間、
小学校にはサッカーのジャージで行くことが多かった。
昼休みには男子とサッカーやドッチボールをしたし、
放課後には男子と遊◯王やゲームをした。
誰にも何も言われなかった。

中学

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それぞれのプライドを、胸に。東京レインボープライドの時期に思うこと。

それぞれのプライドを、胸に。東京レインボープライドの時期に思うこと。

先日、2020年の東京レインボープライドが開幕した。今年は形式が違って、オンラインでの開催。コロナの影響で外出自粛が促される中「#おうちでプライド」というハッシュタグで、SNSを通じて誰もが参加できるような仕組み。パレード当日は、たくさんのカラフルな投稿が、タイムラインに溢れた。

私が、初めてレインボープライドにスタッフとして参加したのは、2018年。「性別関係なく」とか「ありのままの自分で」と

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日本の教育にダイバーシティを〜今の教育で教えられていることは、生きていくために本当に立つのだろうか〜

日本の教育にダイバーシティを〜今の教育で教えられていることは、生きていくために本当に立つのだろうか〜

「次に学校に行くときには桜ないんかな」という声を聞いてなんだか僕もしみじみ感じました。

自宅で過ごす1日が多いと思いますが、学生の皆さん自分の今を全力で頑張ってください。

応援しています。

教育に関する意見はいろいろとあると思いますが、その中でも僕がずーっと疑問に思っていることは

「今の教育で教えられていることは、生きていくために本当に立つのだろうか」

ということです。

今の日本の教育

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ある白人至上主義者の手記

ある白人至上主義者の手記

元白人至上主義者で、ヘイト系バンドのリーダーだった男が、なぜ人種差別運動もバンドもやめたのかを、自分で説明している告白文があった。

http://www.aljazeera.com/indepth/features/2015/08/reflections-white-supremacist-150828100415193.html

めったに見ないほど、心の奥から出てくる言葉をつづった感じがする

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劇場版セーラームーン3作観て.

劇場版セーラームーン3作観て.

セーラームーンは幼稚園の頃ちょーっとだけ観てたので断片的な記憶はあったけど
本格的に見たことはなかった。ただ、最近聴く音楽やら友人との会話やらで触れることが多く、極め付けの「フェミニズム的にどうなんだろ?」って疑問から世界へ足を踏み出すことになりました。映画 R,S,SSの順にメモ感覚で綴ります。
(⚠︎ネタバレを含みます)

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セーラムーンR. 「孤独」・「美しき花も歪んだ心

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#StayHome ができない/しんどい人へ

#StayHome ができない/しんどい人へ

緊急事態宣言が発表されて、さらに「外出自粛」の雰囲気は高まってくるんだろう。

外出自粛といえど、スーパーやコンビニはもちろん利用するし、運動がてら少し家の周りを散歩することもあるし、この土日は薬が切れてしまうので病院に行かざるを得なかった。

元から私はインドア気質なので、家に引きこもってるのが苦手な方ではないんだけど、強制される”引きこもり”にはストレスを感じるということが今回の件で学べた。

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女性の容姿とビジネス上の評価の関係

「生まれ変わるとしたら、男に生まれたいか? 女に生まれたいか?」。
こんな古典的な問いに対して、かつては男女ともに「男に生まれたい」と答える人が多かったものの、最近は完全に逆転して「女に生まれたい」という人が多いといいます。

この傾向は「子どもを産むとしたら、男女どちらがよいか?」という問いでも同じであり、かつては同じ姓を受け継ぎ後継者になりやすい男の子を希望する人が多かったものの、最近は「育て

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アメリカは本当の意味でLGBTに寛容か

アメリカは本当の意味でLGBTに寛容か

「日本はLGBTや性のあり方に対する認識が低すぎる」

これは帰国子女や留学経験者が多く在籍する僕の学部でよく耳にしていた言葉です。自分が留学に行くまでは「へえ、そうなんだ」ぐらいにしか思っていませんでしたが、ある程度自分の目を通してアメリカのLGBT社会を観察した中で一概にそうとも思えないように感じましたので簡単にまとめておこうと思います。

結論としましては「権利などのハード面ではおおよそ認識

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