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「拳論!」ボクシング・格闘技の裏側

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公式ブログ「拳論ときどき猫論」の限定版記事がNOTEで読めるようになった。マスコミが報じないボクシングや格闘技、興行ビジネスの舞台裏や最新情報を、元格闘家・プロレスラーでジャーナ… もっと読む
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記事一覧

井上尚弥、サウジアラビア登場の可能性!現地広報に聞いた

井上尚弥、サウジアラビア登場の可能性!現地広報に聞いた

 元世界王者でコメンテーターのショーン・ポーター氏が、動画番組で、井上尚弥に、「なぜアメリカで戦わないのか」と言った発言に、井上が反論。「今や軽量級の本場はここ日本にある。試合が見たいのなら日本に来ればいい。日本のマーケット以上の物がアメリカにあるのなら喜んで行く」と返した。まったくそれは正しい回答だったのだが、この発言は、裏を返せば、「報酬が上がるのなら国外でも試合する」ということになる。そこで

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穴口一輝さんボクシング事故(2)過酷スパーと、新たな疑問

穴口一輝さんボクシング事故(2)過酷スパーと、新たな疑問

 昨年12月の日本バンタム級タイトルマッチ出場後、穴口一輝さん(真正)が、右硬膜下血腫のために開頭手術を受け、2月2日に死去した。ボクシング廃止論まで飛び交っていた、このリング事故は、関係者や医師に話を聞き、考察すればするほど原因の特定が難しくなったが、逆に言えば、それだけ幅広い見直しの余地があるということ。その後、さらに新しい「懸念」が見つかったことを、ここで報告する。

 前回に続き、故人の遺

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穴口一輝さんボクシング死亡事故、脳外科医の分析と、新たに分かった「兆候」

穴口一輝さんボクシング死亡事故、脳外科医の分析と、新たに分かった「兆候」

「ボクシングは危険、競技を廃止すべき」

 そんな意見がネット上をたくさん飛び交った。プロボクシングに「廃止論」が聞かれたのは、昨年12月の日本バンタム級タイトルマッチ後、日本ランカーの穴口一輝さん(真正ジム所属)が、右硬膜下血腫のために開頭手術を受け、2月2日に死去したからだ。
 この訃報には、反射的に「ボクシングは競技の目的が、人の頭部にダメージを加えて脳震盪を起こして勝負を決めるのだから、廃

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英マッチルーム・ボクシング、消えた「3・31神戸スタジアム」計画

英マッチルーム・ボクシング、消えた「3・31神戸スタジアム」計画

 1月31日、イギリスの大手プロモーション、マッチルーム・ボクシングが3月31日の名古屋国際会議場で日本興行「ミドル級トーナメント」を行なうことを発表した。実は、このトピック、早くから動きをキャッチしていて正式発表より早く出したかったのだが、ギリギリまで情報を集めていた中での公式発表に遅れてしまった。

 しかし、イギリスの関係者も含めて昨年から情報を集めていただけに、表にならなかった話があり、本

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ボクシング判定工作とは何か? 来年計画の試合も「疑い」が

ボクシング判定工作とは何か? 来年計画の試合も「疑い」が

 井上尚弥の2階級4団体統一で大きく盛り上がった日本ボクシング界、その功績は説明するまでもないが、さらに言うと、とても納得しがたい判定やランキング操作などボクシングで起こる不当な力を一切、借りずに実力でその凄さを見せつけたことである。

 なにしろプロボクシングでは、政治力が競技性を捻じ曲げることがある世界。中でもファンがストレスを溜めるのが不当判定で、「ジャッジの主観」という理由で不正工作までも

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「パスポート紛失はウソだ」 亀田3150興行中止、関係者が反論!

「パスポート紛失はウソだ」 亀田3150興行中止、関係者が反論!

 11月11日に愛知県武道館で予定されていたプロボクシング興行「3150FIGHT SURVIVAL Vol.9」が延期になった。亀田興毅の亀田プロモーションの発表は、その理由をこう説明した。

「メインイベントに出場する予定のカルロス・フローレス選手(メキシコ)が、パスポートの盗難に遭い、日本への渡航不可となり来日できなくなりました。そのためメインイベントが中止となりました。本件を受け、関係各所

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SHOWTIME撤退でも日本はバブル!ボクシング中継大変動の内情

SHOWTIME撤退でも日本はバブル!ボクシング中継大変動の内情

 フロイド・メイウェザーとマニー・パッキャオの再戦が日本の格闘技団体、RIZINで行なわれるという計画が浮上、その資金として期待されていたのが、アメリカのケーブルテレビ局、SHOWTIMEのPPV(ペイ・パー・ビュー)での収益だった。15年の対戦では470万の記録的セールスで600億円ともいわれる巨額収益を生んだ両者、すでに引退している身だから、価値はそこまで大きいはずがないが、それでも2人を納得

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隠蔽された有罪判決!ボクシング元東洋王者、暴行事件の沈黙

隠蔽された有罪判決!ボクシング元東洋王者、暴行事件の沈黙

 プロボクシングの元東洋太平洋王者が姿を消して1年以上。これについては一切、何も報じられていないし、何も発表になっていない。元チャンピオンが突然、いなくなったのに、関係者はそれについて「よく分からない」というばかりだが、実は「ある事件」で有罪判決を受けていたことが分かった。それならば、なぜコミッションの処分などの話もないのか。一体、何があったのか、そして、なぜこれについて誰も何も言わないのか。ボク

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フルトン戦の裏で…井上尚弥「海賊版グッズ」トラブルと驚愕の現物!

フルトン戦の裏で…井上尚弥「海賊版グッズ」トラブルと驚愕の現物!

 井上尚弥(大橋)が7月25日の東京・有明アリーナで、WBC・WBO世界スーパーバンタム級王者・スティーブン・フルトン(米国)を8回TKOで下した試合は、輝かしい彼の実績の中でも突出した反響が見られた。海外ボクシングサイトや、SNSでの反応は別格に大きかった。それだけに、その人気を悪用する非公式の「海賊版グッズ」でひと儲けを企んだ人物がいたことが分かったのだが、思わぬトラブルにも発展。そこで海賊版

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ボクシング替え玉事件「ナイジェリア仲介者」は日本に!八百長依頼を告白

ボクシング替え玉事件「ナイジェリア仲介者」は日本に!八百長依頼を告白

 5月14日の札幌興行で、リングに上がったナイジェリア人の2選手が、実際には別人の素人だったという「替え玉事件」は、主催者とコミッション役員が謝罪したが、まるで「仲介人に騙された。自分たちも被害者」という風な話で終わらせていた。じゃあ、その騙した人間は誰なんだと言えば、名前すら出てこないのである。タレントのボビー・オロゴンも「ナイジェリアの仲介人」が独断でやったようなことを言っているが、よくこの

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井岡一翔の大麻検出、JBCが発表に至った「危ない理由」

井岡一翔の大麻検出、JBCが発表に至った「危ない理由」

 6月24日、東京・大田区総合体育館で、ジョシュア・フランコとの再戦に勝ってWBAスーパーフライ級王座を獲得した井岡一翔(志成)、その3日前、JBCが昨年末の試合でのドーピング検査で大麻成分が検出されたことを発表して、大騒ぎとなった。

 検出量は世界基準となっている検査機関WADAの基準値を下回っており、違反にはならないが、JBCはこの科学的根拠から「違法な薬物の使用は一切認めていません」と、別

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タイ人王者は「仮病」だったのか、世界戦ドタキャンに「亀田に騙された」

タイ人王者は「仮病」だったのか、世界戦ドタキャンに「亀田に騙された」

 4月16日、東京・代々木競技場第二体育館で行なわれた亀田プロモーションによる世界戦興行で、メインに出場予定だったWBCミニマム級王者のパンヤ・プラダブスリ(タイ)が、インフルエンザ感染の体調不良で、来日をキャンセルした。代わって元WBO王者の7位・ウィルフレド・メンデス(プエルトリコ)が来日、試合は暫定王座決定戦となり、4位・重岡優大(ワタナベ)が7回KOで王座を獲得した。 

 通常、王者が負

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那須川天心が世界戦より「メイン」になりかけた「衝撃の数字」

那須川天心が世界戦より「メイン」になりかけた「衝撃の数字」

 2023年4月8日のプロボクシング興行、寺地拳四朗と井上拓真、それぞれが出場した2つの世界タイトルマッチが行なわれたが、最も注目を集めていたのは、前座でデビュー戦を行なった元キックボクサーの那須川天心だった。当初、主催者と、放送したAMAZONプライムビデオは、那須川の試合をメインイベントにすることを検討していたが、それはただの話題性だけではない。試合直前で判明した「衝撃の数字」があったのだ。ど

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井岡一翔は、なぜ中谷潤人から逃げたのか…「敵前逃亡」の真相

井岡一翔は、なぜ中谷潤人から逃げたのか…「敵前逃亡」の真相

 4階級で世界王座を獲得した日本のトップボクサー、井岡一翔(志成)が、指名挑戦者である1位・中谷潤人(MT)との対戦を避けるために、持っていたWBO世界スーパーフライ級王座を返上したのである。いわば敵前逃亡、より強い相手を求めていたはずが、ここではなぜ「逃げた」のか。プロモーターやスポンサーの思惑、そして対戦実現のための「工作」、ファンの知りえない真相に迫った。

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