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ほしまるのエッセイ。

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ほしまるが綴るエッセイのまとめです。
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#母

元彼の運転する車で、小雨の中のお墓参り

元彼の運転する車で、小雨の中のお墓参り

関東・甲信で梅雨入り。
梅雨になると思い出すエピソードがある。

あの時、季節は梅雨を迎えていた。

その年の春に、両親と妹を一度に亡くした私は、
その頃、母方の祖父母と伯父伯母家族の暮らす家に身を寄せていた。
一人、相続やら死後の様々な手続きに追われていたからだ。

日本にいるのに、異邦人の気分だった。
というのも、当時、夫の仕事の関係で私たちは数年間南米で暮らしていたからである。

葬儀後しば

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タミオさんが本当の姿で居られる空間、存在。

タミオさんが本当の姿で居られる空間、存在。

私の父方の叔父にタミオさん (仮名)という人がいる。

色々あって、もう長いこと会っていない。

しかし、ネットで調べると、まだ元気に店を切り盛りしているようだ。

タミオさんのお店に来店した人が口コミを書いていた。

お客様との写真に写ったタミオさん。

70代らしい老け方をしながらも、
頭にバンダナをまいた姿の 洒落て粋な 生粋の江戸っ子のまんまで、
そして私の亡き父にそっくりな顔をしていた。

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一人で悩まずにいられた、母の言葉

一人で悩まずにいられた、母の言葉

あの時、手で患部にじかに触れた感触は今でも忘れられない。

なんで、こんなことに。

そんなにも私は、身も心も、ストレスに蝕まれていたなんて。



大学卒業後、新卒で働いていた当時のことだ。

私の所属していた職場は、担当営業部署の経理。

「頼むから、この部署で、まともに休もうなんて思わないでね。」

「有給休暇の取得もお盆休みも、あり得ないから」

入社早々、先輩や上司たちから、
口々に

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母の初恋は時空を超えて。

母の初恋は時空を超えて。

今、私が洋楽を
ここまで愛しているというきっかけは沢山あるけれど。

やはり一番は両親、特に母親からの影響が
とてつもないくらい大きい。

私がお腹にいるときの母は主にどんな曲を聴いていたんだろう。
よくよく振り返るとその質問はしたことがなかったが、
その頃 特に聴いていたであろう曲やグループ、バンドは不思議と歳が経つほどに自然と想像できるほど、母の好みも幅広く、そしてそれぞれへの愛は熱いものだっ

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人それぞれ、様々な愛のカタチ

人それぞれ、様々な愛のカタチ

よく、昔からテレビドラマや映画で 見かけるものに、
「昔の恋人に思いや未練が残ったまま、別の人と結婚し、結ばれる」という場面があります。

昔の名作と呼ばれる映画作品にもありましたよね、
結婚式に駆け込んで、花嫁をかっさらってしまうというシーン。

...あの状況で花嫁と男性に去られてしまった
花婿さんはもちろんだけれど、
両家の親御さんの立場は居たたまれないよな...
と冷静になると考えてしまい

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母の日に白いカーネーションを買う勇気をもらった話

母の日に白いカーネーションを買う勇気をもらった話

両親と妹を亡くしてから、まだ数年しか経っていない頃の、ある年の母の日。

私は当時、住んでいた家から近い花屋さんに 予約していた花を取りに行っていた。

その花屋さんには、度々お世話になっていた。

当時は、友人や知人の結婚などお祝い事も多かったので、花束を買うときはいつも予約して 取りに行ってから会場に向かった。

また 家族のお墓参りに行く前に、いつもお供えの花を買っていた。

母は花が大好き

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珈琲の味は大人の味

珈琲の味は大人の味

こんばんは。
ほしまるです。

私が昨年2月からリモート、外出は最低限(通院や買い物など)という生活になってもうすぐ一年。
夫も同じ頃からリモートでしたが、初夏からは週に数回は都内への出勤という生活です。

今日はリモートの夫。
今、ちょうど夫が淹れてくれたコーヒーを飲みました。
コロナ禍で家に居る時間が多くなったせいもありますが、夫がコーヒーなど淹れてくれることが
多くなり、ありがたいです。

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ルーツを失くしていく私

ルーツを失くしていく私

※この投稿には家族との死別(喪失)体験のことについても書いてあるものです。ですので、私同様、過去にご家族やご友人、大切な方との死別を経験された方にとっては悲しい思い出を想起させてしまったり、心の状態によっては辛い思いをなさるかもしれません。なのでその恐れのある方はどうかスルーしてくださいませ。

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こんばんは。ほしまるです。

たまたま先ほどぼーっとしながら観ていたテレビ番組のロケ地が、私

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