弟切千隼

生物学、神話・伝説、漫画・アニメなどについて書くライターです。専門は、神話や伝説にしか…

弟切千隼

生物学、神話・伝説、漫画・アニメなどについて書くライターです。専門は、神話や伝説にしか登場しない、幻想植物です。おそらく、日本唯一の幻想植物研究家です。二〇二二年現在で、百種以上の幻想植物の伝承を確認しています。 noteでは、昭和の時代の漫画・アニメ文化について書くつもりです。

マガジン

  • 妖怪、妖精、神、悪魔などに関する本のレビュー集

    妖怪、妖精、神、悪魔、精霊、幻獣など、超常的な存在に関する本のレビューを集めてあります。

  • 弟切千隼のレビュー集

    弟切千隼が読んだ本のレビューを集めてあります。ジャンルはばらばらですが、動植物関係と、神話・民話・伝説関係が多いです。

  • 宗教に関する本のレビュー集

    仏教、神道、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教など、あらゆる宗教に関する本のレビューを集めてあります。

  • ヨーロッパに関する本のレビュー集

    ヨーロッパの自然や文化に関する本のレビュー集です。すべて、私、弟切千隼が読んで書いたものです。

  • 神話、民話、伝説などに関する本のレビュー集

    神話、民話、伝説など、古来の口承文芸に関する本のレビューをまとめてあります。日本に限らず、世界各国のものです。

記事一覧

仮面―ヨーロッパの祭りと年中行事 (現代教養文庫)

仮面―ヨーロッパの祭りと年中行事 (現代教養文庫)  ヨーロッパに息づく、仮面の文化を紹介した本です。  ヨーロッパと言えば、キリスト教に染まった社会ですね。です…

弟切千隼
2日前
10

笑うカイチュウ―寄生虫博士奮闘記

笑うカイチュウ―寄生虫博士奮闘記  寄生虫博士として有名な、藤田紘一郎さんの著書です。  カイチュウをはじめとした、寄生虫についてのエッセイ集です。  とにか…

弟切千隼
6日前
8

日本の憑きもの―俗信は今も生きている

日本の憑きもの―俗信は今も生きている  日本の憑きものについての、古典的名著です。  日本の憑きものを調べるにあたって、本書を抜きにすることは、考えられません。…

弟切千隼
9日前
13

宗像大社・古代祭祀の原風景 (NHKブックス 1119)

宗像大社・古代祭祀の原風景 (NHKブックス 1119)  福岡県にある有名な神社、宗像【むなかた】大社について、書かれた本です。  宗像大社の歴史と、その果たしてきた役…

弟切千隼
13日前
4

よくわかる「世界の幻獣・ドラゴン」大事典―ドラゴン、ゴブリンから、ナーガ、八岐大蛇まで (廣済堂ペーパーバックス)

よくわかる「世界の幻獣・ドラゴン」大事典―ドラゴン、ゴブリンから、ナーガ、八岐大蛇まで (廣済堂ペーパーバックス)  世界の幻獣を紹介した本です。コンビニ本の一種…

弟切千隼
2週間前
8

超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか

超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか  超常現象とは、どんなことでしょうか?  本書には、例えば、以下のようなことが載っています。 1)占い師のところへ行…

弟切千隼
2週間前
6

鳥630図鑑

鳥630図鑑  題名のとおり、600種以上もの鳥が載っている図鑑です。  日本で見られる鳥は、すべて網羅されていると言って、過言ではありません。日本では、まれにし…

弟切千隼
3週間前
8

霊をよぶ人たち (ちくま少年図書館 96 社会の本)

霊をよぶ人たち (ちくま少年図書館 96 社会の本)  かつて、山形県の一部にあった、死者の霊と交信する文化を紹介した本です。  「死者の霊と交信する」というと、恐山…

弟切千隼
3週間前
10

徹底図解 幻獣事典―神話・伝説を彩ってきた、個性豊かなモンスターたち

徹底図解 幻獣事典―神話・伝説を彩ってきた、個性豊かなモンスターたち  この世に実在しない、神話や伝説に登場する生き物を、紹介した本です。  図鑑形式で、たくさ…

弟切千隼
1か月前
7

河童考―その歪められた正体を探る

河童考―その歪められた正体を探る  河童の正体について、いろいろと考察した本です。  過激な論はなく、穏当で、おおむね、理解できる論でした。  河童の名称、河…

弟切千隼
1か月前
6

スチール・ビーチ〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

スチール・ビーチ〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)  SF長編小説『スチール・ビーチ』の下巻です。上巻から、先にお読み下さい。  舞台は、二十二世紀とおぼしき月です。人類…

弟切千隼
1か月前
4

スチール・ビーチ〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

スチール・ビーチ〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)  SF長編小説です。  舞台は、二十二世紀とおぼしき時代の月です。この時代、地球は、謎の侵略者によって破壊され、人類は…

弟切千隼
1か月前
4

海に暮らす無脊椎動物のふしぎ 歩くホヤ、夜遊びする貝、踊るクモヒトデ……沖縄の海に生きる動物たちのびっくり仰天!な生き方…

海に暮らす無脊椎動物のふしぎ 歩くホヤ、夜遊びする貝、踊るクモヒトデ……沖縄の海に生きる動物たちのびっくり仰天!な生き方 (サイエンス・アイ新書)  生き物が好きな…

弟切千隼
1か月前
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ハンガリー民話集

ハンガリー民話集  ハンガリーの民話を集めた本です。ハンガリー民話の中でも、よりすぐりが集められているそうです。  読んでみて、それは、本当だと思いました。ハン…

弟切千隼
1か月前
16

日本の幽霊

日本の幽霊  日本人が、「幽霊」というものを、どのようなものだと思ってきたのかを、解説した本です。  というと、堅苦しい本のようですね。決して、そんなことはあ…

弟切千隼
1か月前
6

爬虫・両生類ビジュアルガイド ヤドクガエル

爬虫・両生類ビジュアルガイド ヤドクガエル  カエルの中の、ヤドクガエル科だけに特化した図鑑です。マニアックで、いいですね(^^)  図鑑であるとともに、飼育法のガ…

弟切千隼
1か月前
6
仮面―ヨーロッパの祭りと年中行事 (現代教養文庫)

仮面―ヨーロッパの祭りと年中行事 (現代教養文庫)

仮面―ヨーロッパの祭りと年中行事 (現代教養文庫)

 ヨーロッパに息づく、仮面の文化を紹介した本です。

 ヨーロッパと言えば、キリスト教に染まった社会ですね。ですから、祭りや年中行事も、キリスト教に関わるものばかりです。

 ところが、その下には、キリスト教より前の、古い多神教の文化が、残っています。
 本書を読むと、それが、よくわかります。

 まず、たくさんの「キリスト教的でない」

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笑うカイチュウ―寄生虫博士奮闘記

笑うカイチュウ―寄生虫博士奮闘記

笑うカイチュウ―寄生虫博士奮闘記

 寄生虫博士として有名な、藤田紘一郎さんの著書です。
 カイチュウをはじめとした、寄生虫についてのエッセイ集です。

 とにかく、面白いです(^^)
 知られざる寄生虫の生態や、それに関わる人間模様が、具体的に書かれています。
 笑いながら、寄生虫についての知識が付きます。楽しめるうえに、お得な本ですね(^^)

 藤田さんは、「日本人にアレルギーが増

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日本の憑きもの―俗信は今も生きている

日本の憑きもの―俗信は今も生きている

日本の憑きもの―俗信は今も生きている

 日本の憑きものについての、古典的名著です。
 日本の憑きものを調べるにあたって、本書を抜きにすることは、考えられません。決して欠かせない基礎文書です。

 本書を読めば、日本の憑きものについて、基本的な知識は、押さえたことになります。
 ただし、内容がぎっしりなので、読み通すには、時間がかかります。

 狐憑き、犬神憑き、蛇憑きなど、憑きものには、

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宗像大社・古代祭祀の原風景 (NHKブックス 1119)

宗像大社・古代祭祀の原風景 (NHKブックス 1119)

宗像大社・古代祭祀の原風景 (NHKブックス 1119)

 福岡県にある有名な神社、宗像【むなかた】大社について、書かれた本です。
 宗像大社の歴史と、その果たしてきた役割について、とてもよく、まとまっています(^^)

 宗像大社は、今でこそ、福岡県宗像市が本拠地のようになっています。
 が、その祭祀の原点は、遠い海上の島にありました。玄界灘に浮かぶ沖ノ島です。

 沖ノ島は、二十一世

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超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか

超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか

超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか

 超常現象とは、どんなことでしょうか?
 本書には、例えば、以下のようなことが載っています。

1)占い師のところへ行って、占ってもらったら、自分のことを、ずばずば当てられた! これって、超能力じゃない?

2)うとうとしている時に、自分の体から意識が抜け出して、天井に浮かんでた! これって、幽体離脱っていうやつじゃない?

3)子供の頃、「こっ

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鳥630図鑑

鳥630図鑑

鳥630図鑑

 題名のとおり、600種以上もの鳥が載っている図鑑です。
 日本で見られる鳥は、すべて網羅されていると言って、過言ではありません。日本では、まれにしか見られない種も、載っています。

 種数のわりに、本書は、コンパクトです。野外へ持ってゆくことを、想定しているからでしょう。気軽に手に取れるサイズって、いいですね(^^)
 そのぶん、一種一種の説明の量は、少ないです。でも、最低

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霊をよぶ人たち (ちくま少年図書館 96 社会の本)

霊をよぶ人たち (ちくま少年図書館 96 社会の本)

霊をよぶ人たち (ちくま少年図書館 96 社会の本)

 かつて、山形県の一部にあった、死者の霊と交信する文化を紹介した本です。

 「死者の霊と交信する」というと、恐山のイタコを思い浮かべる方がいるでしょう。イタコも、死者の霊を呼び出して、交信できるといわれます。日本古来の形を伝える巫女【みこ】ですね。
 イタコに相当する者は、昔の日本には、各地にいました。山形県の一部では、それは、オナカマ

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徹底図解 幻獣事典―神話・伝説を彩ってきた、個性豊かなモンスターたち

徹底図解 幻獣事典―神話・伝説を彩ってきた、個性豊かなモンスターたち

徹底図解 幻獣事典―神話・伝説を彩ってきた、個性豊かなモンスターたち

 この世に実在しない、神話や伝説に登場する生き物を、紹介した本です。
 図鑑形式で、たくさんの幻獣の絵が載っています。しかも、全部、カラーです。『徹底図解』の名に恥じません。

 ヨーロッパと西アジアの幻獣が、多く載ります。日本や中国などの、東アジアの幻獣は、少ないです。

 類書は、多いですね。その中でも、良いほうだと

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河童考―その歪められた正体を探る

河童考―その歪められた正体を探る

河童考―その歪められた正体を探る

 河童の正体について、いろいろと考察した本です。
 過激な論はなく、穏当で、おおむね、理解できる論でした。

 河童の名称、河童の性質、民俗学から見た河童、美術の中に現われる河童など、さまざまな面から、河童に迫っています。
 「河童に似て非なるもの」についても、取り上げています。河伯【かはく】、ミズチ、猿、川獺【かわうそ】、カメなどです。

 ただし、こ

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スチール・ビーチ〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

スチール・ビーチ〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

スチール・ビーチ〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

 SF長編小説『スチール・ビーチ』の下巻です。上巻から、先にお読み下さい。

 舞台は、二十二世紀とおぼしき月です。人類は、謎の侵略者によって地球から追われ、月や、その他の太陽系の惑星に住んでいます。

 主人公のヒルディは、物語が始まった時には、男性でした。それが、途中で、女性に性転換します。
 また、二十一世紀の現代ならば、致命的な重傷を負

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スチール・ビーチ〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

スチール・ビーチ〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

スチール・ビーチ〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

 SF長編小説です。

 舞台は、二十二世紀とおぼしき時代の月です。この時代、地球は、謎の侵略者によって破壊され、人類は住んでいません。人類は、月や、その他の太陽系の惑星に、分散して暮らしています。

 主人公は、そこで新聞記者をやっているヒルディという人物です。新聞? そう、二十二世紀の月にも、新聞はあります。もちろん、紙に印刷された新聞ではあ

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海に暮らす無脊椎動物のふしぎ 歩くホヤ、夜遊びする貝、踊るクモヒトデ……沖縄の海に生きる動物たちのびっくり仰天!な生き方 (サイエンス・アイ新書)

海に暮らす無脊椎動物のふしぎ 歩くホヤ、夜遊びする貝、踊るクモヒトデ……沖縄の海に生きる動物たちのびっくり仰天!な生き方 (サイエンス・アイ新書)

海に暮らす無脊椎動物のふしぎ 歩くホヤ、夜遊びする貝、踊るクモヒトデ……沖縄の海に生きる動物たちのびっくり仰天!な生き方 (サイエンス・アイ新書)

 生き物が好きな方でも、「無脊椎動物が好き」という方は、少ないですね。
 「生き物好き」という方でも、お話を聞いてみると、たいていが、「犬・猫などの哺乳類好き」か、「インコ・ブンチョウなどの鳥好き」か、どちらかです。

 それは、とてももったいな

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ハンガリー民話集

ハンガリー民話集

ハンガリー民話集

 ハンガリーの民話を集めた本です。ハンガリー民話の中でも、よりすぐりが集められているそうです。
 読んでみて、それは、本当だと思いました。ハンガリー民話、面白いです!

 民話には、だいたい、パターンがあります。
 「見るな」と言われたものを必ず見てしまうとか、お姫さまを救った勇者が、お姫さまと結婚するとか、そういうパターン、たいていの方は、覚えがありますよね?

 ハ

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日本の幽霊

日本の幽霊

日本の幽霊

 日本人が、「幽霊」というものを、どのようなものだと思ってきたのかを、解説した本です。

 というと、堅苦しい本のようですね。決して、そんなことはありません。
 文章が平易で、読みやすいです。話題も、世俗的なことを、うまく取り上げています。頭でっかちの学者さんが書いた、という感じではありません。

 本書が最初に世に出たのは、一九六二年(昭和三十七年)です。それから何回か再版さ

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爬虫・両生類ビジュアルガイド ヤドクガエル

爬虫・両生類ビジュアルガイド ヤドクガエル

爬虫・両生類ビジュアルガイド ヤドクガエル

 カエルの中の、ヤドクガエル科だけに特化した図鑑です。マニアックで、いいですね(^^)
 図鑑であるとともに、飼育法のガイドブックにもなっています。

 ヤドクガエル科のカエルたちは、とにかく、美しい種が多いです。日本人が普通に思い浮かべる「カエルの色」では、ありません。
 コバルトヤドクガエルなど、種名のとおり、コバルトブルーに輝きます。イチゴ

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