蛸文(たこふみ)

35歳。男性。娘2人。主に読書記録(2020年3月note開始から299冊分)。たまに…

蛸文(たこふみ)

35歳。男性。娘2人。主に読書記録(2020年3月note開始から299冊分)。たまにエッセイ。ざっと書くので誤字脱字多め。 数学・統計学を学び直し中。 普通に暮らす事の偉大さと難しさを考えて生きています。 座右の銘は「健全なる知性は健全なる品性に宿る」

マガジン

  • 書評を書けなかった本たち

    エッセイとして書いていましたが、記事数が増えてきたので、ひとつのマガジンとしてまとめました。 様々な理由から書評や感想を書くに至らなかった本たちの紹介です。

  • エッセイ

    読書記録ではない随筆

  • 蛸文(たこふみ)の読書記録

    僕の読書記録です。月に3〜4冊ぐらいのペースで更新してます。

  • ひとくち映画レビュー

    エッセイとして書いてた映画レビューの記事数が増えてきたので、単体のマガジンとしてまとめました。

  • 数学系エッセイ

    自分のエッセイの中から数学・統計学系の記事をまとめました。

記事一覧

固定された記事

2023年下半期(7〜12月) ベスト3冊

この半年で読んだ本は39冊。 半期ごとの恒例で、この半年に僕が読んだ本の中でベスト3冊をご紹介。 なお、今回から順位をつけるのはやめました。 異星の客「この一冊で小…

79

書評を書けなかった本たち⑧

過去記事はこちらのマガジンから。 結果から原因を推理する 「超」入門ベイズ統計すいません。 この本はベイズ統計を勉強するにはオススメしません。 ミステリー仕立て…

「人の名前が覚えられない人」へ

突然だが、僕は人の名前を覚えるのが苦手だ。 頻繁に連絡を取ったり、よく会う友人や仕事仲間は当然覚えているのだが、ほとんど連絡を取らず数年会わない人はすぐに忘れて…

(五月病にならないために)GWにオススメする3冊

GWが始まった。 長期で旅行に行く予定がある人や、何の予定もなくどうしようかな決めかねている人もいるだろう。 しかし、どんな人でも毎年怖いのがGWの後にくる五月病だ。…

39

【アイデアのつくり方】アイデアは天才の特権ではない

オススメ度(最大☆5つ) ☆☆☆☆ 〜アイデアは天才だけのものではない〜本当に30〜60分あれば読めてしまう薄くて短い本なのだが、「アイデアはどのように生まれるのか?」…

43

【ダメな議論】相手にする必要のない議論を見分ける法

オススメ度(最大☆5つ) ☆☆☆☆☆ 〜議論に値しない言説をスルーするための指南書〜本書は、タイトルにある"ダメな議論"を上手に避けるための技術書である。 ダメな議論…

26

〜ひとくち映画レビュー〜 インフィニティ・プール(ネタバレあり)

「アンチヴァイラル」「ポゼッサー」に続き、あの変人映画監督デヴィッド・クローネンバーグの息子ブランドン・クローネンバーグ監督3作目を観てきた。 「最新作はぜひ劇…

25

〜ひとくち映画レビュー〜 M3GAN ミーガン〜

子育て支援のために開発されたAI人形が子どもを守るために他人を傷つけることも厭わなくなるほど暴走していくホラー映画。 題材が面白くて、現代社会への警鐘となるような…

40

【はじめての統計学】統計学の腕力を身につける

オススメ度(最大☆5つ) ☆☆☆☆☆ さて、以前このnoteにおいて「統計検定2級合格を目指す」と宣言した。 本格的に統計学を勉強するためにまず手に取ったのが本書である…

31

【四色問題】難問をめぐる数学ドラマ

オススメ度(最大☆5つ) ☆☆☆☆ 〜四色問題とは?〜本書は、「四色問題」が解かれるまでの、数学者たちの苦悩の歴史を通じた数学ドラマが描かれている。 まず、「四色問…

35

【HERE ヒア】画期的な読書体験

オススメ度(最大☆5つ) ☆☆☆☆☆ 〜新しい読書体験〜グラフィックノベル、というものを今回初めて読んでみたのだが、グラフィックノベルの中でも本作はかなり異質な作品…

41

宣言・統計検定2級合格を目指す

目標は他人に宣言すると達成しやすい、ということで、 この場で一つ宣言する。 年内に「統計検定2級」に合格する! 数学に関する何かしらの資格を取りたいとずっと思っ…

30

偏向的な「新社会人にオススメしたい本」3冊

社会人になって10年以上経つが、毎年この4月を迎えるにあたっての心のザワザワは落ち着かない。 しかし、最も心がざわつくのはなんといっても新社会人のみなさんだろう。 …

39

【統計でウソをつく法】ここがヘンだよ、この数字

オススメ度(最大☆5つ) ☆☆☆☆☆ 〜数字はウソをつく〜世の中にはやたらと人の話よりも数字を信用する「数字信奉者」「データ信奉者」がいる。 自分の職場にもやたらと…

26

【世界がわかる資源の話】資源の話を網羅的に

オススメ度(最大☆5つ) ☆☆☆ 〜資源・入門〜著者によると資源についての知識は、我が国の9割以上の若者は中学生レベルにとどまっている、とのこと。 たしかに、僕自身…

23

【入門!論理学】細かいところに手を伸ばす論理学

オススメ度(最大☆5つ) ☆☆☆ 〜論理学とは何をやっているのか?〜タイトルの通り、本書は論理学の入門書である。とはいえ、他の論理学の本のように記号を使うような記述…

53
2023年下半期(7〜12月) ベスト3冊

2023年下半期(7〜12月) ベスト3冊

この半年で読んだ本は39冊。

半期ごとの恒例で、この半年に僕が読んだ本の中でベスト3冊をご紹介。
なお、今回から順位をつけるのはやめました。

異星の客「この一冊で小説何冊分のテーマがあんのよ!?」って思うぐらいの超大作。分厚い本だけど、じっくりと時間をかけて読む価値のある名作SF。

検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?本書はナチスがどうこうというよりも、"ある事実に対する考え方"についてす

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書評を書けなかった本たち⑧

書評を書けなかった本たち⑧

過去記事はこちらのマガジンから。

結果から原因を推理する 「超」入門ベイズ統計すいません。
この本はベイズ統計を勉強するにはオススメしません。

ミステリー仕立ての愉快なストーリーを読みながら、「ベイズの定理」を中心に学んでいきます。
と書いていながら、ミステリー部分はそんなに面白くないし、統計の解説も早足簡潔過ぎて、「今、何でこれをやってんの?」という繋がりがわかりにくい。

非常に辛口で申し

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「人の名前が覚えられない人」へ

「人の名前が覚えられない人」へ

突然だが、僕は人の名前を覚えるのが苦手だ。
頻繁に連絡を取ったり、よく会う友人や仕事仲間は当然覚えているのだが、ほとんど連絡を取らず数年会わない人はすぐに忘れてしまう。
高校のクラスメイトや大学のサークル仲間など、ある程度密に過ごしてたような人も数年経てば忘れてしまう。

社会人になって間もない頃、この人の名前を覚えられないことがコンプレックスになり、人間関係に悩んだこともある。
初めて会った人を

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(五月病にならないために)GWにオススメする3冊

(五月病にならないために)GWにオススメする3冊

GWが始まった。
長期で旅行に行く予定がある人や、何の予定もなくどうしようかな決めかねている人もいるだろう。
しかし、どんな人でも毎年怖いのがGWの後にくる五月病だ。楽しい休みを過ごした人も、ダラダラ過ごしていた人も、連休明けというのはなんとなく仕事がかったるくなるものだ。ひどいケースでは、このGWをきっかけに鬱になる人もいるそうだ。

休みの日まで仕事モードになる必要はないが、連休明けから快調に

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【アイデアのつくり方】アイデアは天才の特権ではない

【アイデアのつくり方】アイデアは天才の特権ではない

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜アイデアは天才だけのものではない〜本当に30〜60分あれば読めてしまう薄くて短い本なのだが、「アイデアはどのように生まれるのか?」という疑問に対して、無駄なく簡潔に書かれている。

著者は名の知れた広告マンであり、主に広告のアイデアを生み出すためのプロセスとして書かれているのだが、その方法論はどんな分野にも当てはまるだろう。

まずそもそも「アイデア」とは何

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【ダメな議論】相手にする必要のない議論を見分ける法

【ダメな議論】相手にする必要のない議論を見分ける法

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

〜議論に値しない言説をスルーするための指南書〜本書は、タイトルにある"ダメな議論"を上手に避けるための技術書である。
ダメな議論、とは「誤ったもの」「無用なもの」「有害なもの」を含む言説のことを指し、本書ではそれらを見抜く手法をポイントを絞って指南してくれる。

本書の著者はエコノミストであり、メディアで経済や社会について言及する時に、自分の処理能力を超える

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〜ひとくち映画レビュー〜 インフィニティ・プール(ネタバレあり)

〜ひとくち映画レビュー〜 インフィニティ・プール(ネタバレあり)

「アンチヴァイラル」「ポゼッサー」に続き、あの変人映画監督デヴィッド・クローネンバーグの息子ブランドン・クローネンバーグ監督3作目を観てきた。

「最新作はぜひ劇場で観たい!」と最新作を待ち侘びてしまうほどハマってしまってるブランドン・クローネンバーグ。親父の変態性をきっちり受け継いでいて、本当に待望の新作であった。

個人的には、奇妙さ不気味さ満載のかなり自分好み映画で大満足だった。ただ、僕が満

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〜ひとくち映画レビュー〜 M3GAN ミーガン〜

〜ひとくち映画レビュー〜 M3GAN ミーガン〜

子育て支援のために開発されたAI人形が子どもを守るために他人を傷つけることも厭わなくなるほど暴走していくホラー映画。

題材が面白くて、現代社会への警鐘となるようなエピソードが散りばめられているのに、ラストは結局そうなるのか…という感想になる。

AIに対してペア登録された子どもの言葉しか通用しなくなる、という設定を考えると、違うエンディング案もあったのではないかと勘繰ってしまう。映画ではよく聞く

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【はじめての統計学】統計学の腕力を身につける

【はじめての統計学】統計学の腕力を身につける

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

さて、以前このnoteにおいて「統計検定2級合格を目指す」と宣言した。

本格的に統計学を勉強するためにまず手に取ったのが本書である。
これまで統計学関連の書籍はいろいろと読んできて、なんとなく理論は理解していたものの、実際に手を動かすことをしていなかった。

本書の著者はまずその点について「実際に平均や標準偏差や相関係数や回帰係数がらくらく計算できるように

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【四色問題】難問をめぐる数学ドラマ

【四色問題】難問をめぐる数学ドラマ

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜四色問題とは?〜本書は、「四色問題」が解かれるまでの、数学者たちの苦悩の歴史を通じた数学ドラマが描かれている。

まず、「四色問題」とは何か?
最大でも四色あればどんな地図でも隣り合う国々が違う色になるように塗り分けられるのか?という問題である。

一見簡単そうなこの問題に、多くの数学者が挑戦し、問題が解かれるまで124年の歳月を費やすこととなった。
数学の

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【HERE ヒア】画期的な読書体験

【HERE ヒア】画期的な読書体験

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

〜新しい読書体験〜グラフィックノベル、というものを今回初めて読んでみたのだが、グラフィックノベルの中でも本作はかなり異質な作品であるようだ。

あるひとつの部屋を定点とし、様々な時代を行き来する本作。その部屋では様々な人が暮らし、様々な光景があった。ページを捲るたびに、時代が入れ替わり、また、ひとつのページの中に窓のようにいくつもの時代が同時に表示されて、時

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宣言・統計検定2級合格を目指す

宣言・統計検定2級合格を目指す

目標は他人に宣言すると達成しやすい、ということで、

この場で一つ宣言する。

年内に「統計検定2級」に合格する!

数学に関する何かしらの資格を取りたいとずっと思っていて、数学検定とどちらにしようかずっと迷っていたのだが、実用的で今の仕事のスキルアップにも繋がるかもしれない統計検定を選んでみた。

平凡な1人の男が30代半ばでもがく姿を想像しながら、応援していただきたい次第である。

偏向的な「新社会人にオススメしたい本」3冊

偏向的な「新社会人にオススメしたい本」3冊

社会人になって10年以上経つが、毎年この4月を迎えるにあたっての心のザワザワは落ち着かない。
しかし、最も心がざわつくのはなんといっても新社会人のみなさんだろう。
そんな新社会人のみなさんに、稚拙ながら社会に出るにあたっておすすめの書籍を3冊ご紹介したい。

ところで、タイトルに「偏向的な」と付けさせていただいたのはワケがある。
たいてい新社会人にオススメの本という名目で紹介されるのは、「仕事のノ

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【統計でウソをつく法】ここがヘンだよ、この数字

【統計でウソをつく法】ここがヘンだよ、この数字

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

〜数字はウソをつく〜世の中にはやたらと人の話よりも数字を信用する「数字信奉者」「データ信奉者」がいる。
自分の職場にもやたらと「まずは数字を出せ!」と言って人の話を聞かない人(というか、僕の以前の上司)がいるが、そう言う人に限って「どういう数字が必要なのか」をわかっていないし、数字があればそれをそのまま何も考えずに受け入れてしまう。

数字は「数学の世界」で

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【世界がわかる資源の話】資源の話を網羅的に

【世界がわかる資源の話】資源の話を網羅的に

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

〜資源・入門〜著者によると資源についての知識は、我が国の9割以上の若者は中学生レベルにとどまっている、とのこと。

たしかに、僕自身、資源について何か語ろうとするならば、学生時代に習ったような事柄を思い出すこととなるだろう。大人になってから、資源というものに対して、わかったようなふりをしている自覚はある。

本書は、水、エネルギー、はたまた鉱物まで、資源に関する

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【入門!論理学】細かいところに手を伸ばす論理学

【入門!論理学】細かいところに手を伸ばす論理学

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

〜論理学とは何をやっているのか?〜タイトルの通り、本書は論理学の入門書である。とはいえ、他の論理学の本のように記号を使うような記述は無い。
著者もまえがきに書いているように、論理学の本としてはかなり変わっている類の本で、記号を使わず日常的な言葉と関連付けながら可能な限り記号論理学の世界を言語化することに注力した一冊である。

なので、僕のような数学アタマの人間に

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