鱏里 - Eiri

【メモ帳の肥やし】 日々メモ帳に残したこころのメモたちが、行き場をなくして蓄積する様。

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固定された記事

新章前夜、ひとりよがりの私から

ひとりが好きな私。 ひとりぼっちの私。 ひとりで生きた私。 「ひとり」を生き抜いた私。 終わりは思ったよりも、唐突に訪れるっぽいな。 この記事は、私から、私へ。 …

鱏里 - Eiri
1年前
11

ずっと空き家だと思っていた家が空き家じゃなかった

やっぱり、ぱっと見じゃ分からないものなんだなあ。  外出するとき、そしてもちろん帰宅するとき、いつもその家の前を通る。 木造の立派な二階建て。 古風な豪邸とでも…

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2日前
6

優しくぎゅっとして、もう一生離さない

今、私の身から離れつつある創作へ。 手放さないと改めて誓おう。 今は上手く出来ずとも、いずれまた花咲くと信じるから。 私はここしばらく、心療内科に通院する生活をし…

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3週間前
16

『新宝島』は卒業ソング

サカナクションの楽曲『新宝島』の考察記事 ......ではなく、私の高校時代の友人の話。 高校2年の冬の思い出。 在校生が学年末考査で気が気でない時期に、3年生の卒業式…

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1か月前
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旅の荷物に理性は要らない

行く場所も帰る場所もない旅に出る。 そういう妄想を、ときどきしている。 仕事や学校は突然休むこととする。 「休みます」なんておことわりは入れない。 スマホは、通知…

鱏里 - Eiri
1か月前
8

努力は見せびらかすものじゃないけど、見せるべきではあるらしい。残念ながら、そんな器用じゃない。

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2か月前
4

今年やれない100のこと

ねぇ、100はさすがに多いってば。   「今年やりたいこと100」。 いや、100じゃなくたって10でも50でもなんでもいい。 一年の始めに決まった数の目標をリストにするやつ…

鱏里 - Eiri
3か月前
5

どんな「始まり」も、呪いの始まり

こんな風に考えてるから全部が怖いんだろうけど、怖いもんはしょうがない。  何かを始めることが難しくなったのは、いつからだろう。 どうしようもなくネガティブな話に…

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4か月前
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特殊詐欺って、何が特殊なの?

特殊だろうが特殊じゃなかろうが、詐欺は怖い。 怖いもんは怖い。  普段、通学やら何やらには専ら電車ばかり使っているのだけれど、たまにバスに乗ることがある。 地域…

鱏里 - Eiri
5か月前
6

無毒の病

それでも私は牙を剥かない。  noteでは度々話にしてきたけれど、元気じゃない状態になってから気がつけばそれなりに長い時間を過ごしてきた。 いつから弱っていたか、な…

鱏里 - Eiri
5か月前
5

「世界」って言葉が便利すぎる

強い信念とメッセージの一貫性があればあるほど、豊富な語彙力がないと同じような作品ばかりを生み出してしまうのだろう。 「世界」を言い換える言葉をどれだけ見つけられ…

鱏里 - Eiri
6か月前
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主人公にしてくれなんて頼んだ覚えはない

「君は主人公だ」みたいなメッセージって、励まし言葉として秀逸だと思っていた。   主人公とは、猛毒を浴びせられながら生を全うする生き物だと思っている。 小説を書…

鱏里 - Eiri
7か月前
12

「究極の一枚」を、あと80億枚

「これがありのままの私の姿だ!」って疑いなく言える自分の姿がひとつでもあったなら、この強烈なモラトリアムからだって抜け出せる気がしている。  この世の全ての人ひ…

鱏里 - Eiri
7か月前
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それを「大人」と呼ぶのならば私は

夏季休暇。 似たようなことの繰り返しから逸脱した生活では、特定の人と会う頻度が下がる。 すると、「久々に会う人」「ちょっとご無沙汰な人」が増えるのだ。 「元気?…

鱏里 - Eiri
8か月前
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『うなあな』って何?

先日見た夢。 何の糧にもならない、くだらない話。  私は夢が好き。 「将来の夢」とかの夢じゃなくて、寝ている時に見る方の夢。 自分の脳内にあるものだけでできている…

鱏里 - Eiri
8か月前
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数年先の未来を見たレンズ

お盆休みのドライブ、初めてのデジタルカメラ。 美しい景色と、私の枯れた自信を観た。 今年のお盆のこと。 うちは前々からお盆休みだからといって特別何かをするような…

鱏里 - Eiri
8か月前
7
新章前夜、ひとりよがりの私から

新章前夜、ひとりよがりの私から

ひとりが好きな私。
ひとりぼっちの私。
ひとりで生きた私。
「ひとり」を生き抜いた私。

終わりは思ったよりも、唐突に訪れるっぽいな。

この記事は、私から、私へ。

振り返ってみれば、私は今までひとりで生きてきたのかもしれない。

もちろん、ごはんはずっと親に食べさせてもらってきたし、いろんな人が私を育ててくれた。
だけど、裏を返せばそのくらい。

小さい頃から、宿題を友達に付き合ってもらったり

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ずっと空き家だと思っていた家が空き家じゃなかった

ずっと空き家だと思っていた家が空き家じゃなかった

やっぱり、ぱっと見じゃ分からないものなんだなあ。 

外出するとき、そしてもちろん帰宅するとき、いつもその家の前を通る。

木造の立派な二階建て。
古風な豪邸とでも言いたくなる印象で、平成風な住宅が密集している中で一際の存在感があるおうち。

だけど長らく、人が出入りするところを見ていなかった。
それどころか、夜に通りかかっても、明かりが点いている様子もない。
他人の家なので凝視はしないけれど、ど

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優しくぎゅっとして、もう一生離さない

優しくぎゅっとして、もう一生離さない

今、私の身から離れつつある創作へ。
手放さないと改めて誓おう。
今は上手く出来ずとも、いずれまた花咲くと信じるから。

私はここしばらく、心療内科に通院する生活をしている。
これをnoteで報告するのはたぶん初めてなんだけど、既に何か月間か通っている。

様子がおかしくなり始めたのはそのさらにずっと前の話で、それでもずっと通院の勇気が出ないでいた。
ただ、遂に見兼ねた親にいろいろと訊かれて、漸く医

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『新宝島』は卒業ソング

『新宝島』は卒業ソング

サカナクションの楽曲『新宝島』の考察記事
......ではなく、私の高校時代の友人の話。

高校2年の冬の思い出。

在校生が学年末考査で気が気でない時期に、3年生の卒業式はやってくる。

卒業する3年生、見送る2年生、卒業生の保護者様方、教師陣……
そんな中で、当時放送部に所属していた私たちは、音響スタッフとして卒業式に参加していた。

体育館の中、私たちの持ち場は舞台裏、音響機材の前。
音響に

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旅の荷物に理性は要らない

旅の荷物に理性は要らない

行く場所も帰る場所もない旅に出る。
そういう妄想を、ときどきしている。

仕事や学校は突然休むこととする。
「休みます」なんておことわりは入れない。
スマホは、通知の類だけ全部切ってしまった。

荷物なんて適当だ。
なんせ、昨日の寝る前まで旅に出るなんて決めていなかったのだから。
普段から持ち歩くものと、要るのかよくわからんものを鞄に詰め込んで家を出る。

行き先は決めない。
どこに行くかもわから

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努力は見せびらかすものじゃないけど、見せるべきではあるらしい。残念ながら、そんな器用じゃない。

今年やれない100のこと

今年やれない100のこと

ねぇ、100はさすがに多いってば。  

「今年やりたいこと100」。
いや、100じゃなくたって10でも50でもなんでもいい。
一年の始めに決まった数の目標をリストにするやつを、私はこれまで一切してこなかった。

しかし去年、初めて作ったのだ。
いや、作ったというよりは、作ろうとしただけ。

というのも、去年の今くらいの時期に、他大学の学生と交流する機会があった。
そこで、とある学生が「今年やり

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どんな「始まり」も、呪いの始まり

どんな「始まり」も、呪いの始まり

こんな風に考えてるから全部が怖いんだろうけど、怖いもんはしょうがない。 

何かを始めることが難しくなったのは、いつからだろう。

どうしようもなくネガティブな話になるけど、頭の中の本当の話。

始めるということ。
それは、続けるか終わらせるかの選択を、後者を選ぶまで迫られ続けること。

当然だけど、始まったものは、終わるまで続く。
学業だろうと、その日の仕事だろうと、ひとつの命だろうと、この宇宙

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特殊詐欺って、何が特殊なの?

特殊詐欺って、何が特殊なの?

特殊だろうが特殊じゃなかろうが、詐欺は怖い。
怖いもんは怖い。 

普段、通学やら何やらには専ら電車ばかり使っているのだけれど、たまにバスに乗ることがある。

地域のバスというのは利用者層が圧倒的に高齢なもので、車内広告のターゲティングは電車のそれとまるで違う。

運転座席の背中、優先座席の近くに、特殊詐欺への警戒を呼び掛ける広告があった。

『特殊詐欺多発中!』

……ふと思った。
「特殊詐欺」

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無毒の病

無毒の病

それでも私は牙を剥かない。 

noteでは度々話にしてきたけれど、元気じゃない状態になってから気がつけばそれなりに長い時間を過ごしてきた。
いつから弱っていたか、なんて明確に線引きできたタイミングは、たぶんないけれど。

憂鬱を振り切ったり、あるいは精神科を受診したり、そういう勇気はまだない。
でも、信頼できる人にあまり元気じゃないことを打ち明けられることは少しずつ増えてきた。

いや、いくらか

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「世界」って言葉が便利すぎる

「世界」って言葉が便利すぎる

強い信念とメッセージの一貫性があればあるほど、豊富な語彙力がないと同じような作品ばかりを生み出してしまうのだろう。

「世界」を言い換える言葉をどれだけ見つけられるか。
それが私の旅路につきまとうテーマなのかもしれない。

どれだけ語彙力があるか。
自分の頭の中にある語彙の使い方をどれだけ知っているか。
言葉を使って創作をする人間にとって、ある種の財産のようなもの。
その財産が多ければ多いほど、表

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主人公にしてくれなんて頼んだ覚えはない

主人公にしてくれなんて頼んだ覚えはない

「君は主人公だ」みたいなメッセージって、励まし言葉として秀逸だと思っていた。  

主人公とは、猛毒を浴びせられながら生を全うする生き物だと思っている。

小説を書く、なんて真似をしていたからだろうか。
私にとっての「主人公」は、そういう認識だ。

人を惹きつける物語には、いろんな形がある。
その作り方に基本や定石がいくらあろうと、それらに囚われない作品は数多に存在する。
それを踏まえた上で、主人

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「究極の一枚」を、あと80億枚

「究極の一枚」を、あと80億枚

「これがありのままの私の姿だ!」って疑いなく言える自分の姿がひとつでもあったなら、この強烈なモラトリアムからだって抜け出せる気がしている。 

この世の全ての人ひとりひとりを美しく写した写真集が欲しい。

「美しく」というのは、被写体の本人が最も気に入るという意味。
一番理想の自分の写真。
それの世界全員分を集めた写真集が欲しい、という話。

人生で一度しかしないような豪華なおめかしをして、写真ス

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それを「大人」と呼ぶのならば私は

それを「大人」と呼ぶのならば私は

夏季休暇。

似たようなことの繰り返しから逸脱した生活では、特定の人と会う頻度が下がる。

すると、「久々に会う人」「ちょっとご無沙汰な人」が増えるのだ。

「元気?」

少しの間会ってなかった人と会ったとき、結構な高確率で訊かれる言葉。

「天気良いね」のような話題がない時専用のカードと同じにすることなかれ。
なんとこいつは明確な目的や他の話題がある時でさえもそれらを追い越して投げかけられるのだ

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『うなあな』って何?

『うなあな』って何?

先日見た夢。
何の糧にもならない、くだらない話。 

私は夢が好き。
「将来の夢」とかの夢じゃなくて、寝ている時に見る方の夢。

自分の脳内にあるものだけでできているはずなのに、覚醒中には到底思いつかないような混沌とした映像が生み出される。
まるで想像力の限界突破をしているようでおもしろいと思う。

起床時には忘れてしまっていることも多いけれど、何とか文章に残せそうなくらい夢の記憶が残っているとき

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数年先の未来を見たレンズ

数年先の未来を見たレンズ

お盆休みのドライブ、初めてのデジタルカメラ。
美しい景色と、私の枯れた自信を観た。

今年のお盆のこと。

うちは前々からお盆休みだからといって特別何かをするような家ではないのだけれど、今年は家族みんなでドライブに出掛けた。

最近買い替えた家の車に、家族全員で乗り込んだのはたぶん初めて。
後部座席の左側、私はデジタルカメラを抱えていた。

何年か前に、父から貰ったデジタルカメラ。
カメラが欲しい

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