ペテンの配達人

1988年生まれ。遊び人から賢者に転職するためにロンドンでレベル上げ中。元(落ちこぼれ…

ペテンの配達人

1988年生まれ。遊び人から賢者に転職するためにロンドンでレベル上げ中。元(落ちこぼれ)グローバル人材。 BA in Economics(2012)/MPhil in Philosophy(2025)。ポランニー、アーレント、バタイユを繋ぐ本をいつか書きたいな。

記事一覧

固定された記事

ねぇねぇ、デーツって食べたことある?

結構前にゴミ箱に捨てたはずのネタについてこれから書こうと思う。酔ってる時にゴミ箱を漁ってこの題名の原稿を見つけ元に戻した上、なぜか分からないが優先順位を高くつけ…

5

在ロンドン大学院生のとある1日

起床からウォーキングとビリー小鳥のさえずで眼を覚ますというベタなドラマのオープニングのような朝から私の1日は始まる。ヴィム・ヴェンダース監督のPerfect Daysで役所…

30

在ロンドン大学院生のデスク環境②実績編

前回の予算編を改めて写真で振り返ろう。こんな感じになっていた。 実績評価:良かった点さて、実際の実績評価に移っていきたいと思う。 8.PCモニター・液晶ディスプレイ…

22

在ロンドン大学院生のデスク環境①予算編

いかに合理的に「不合理」というものを考え得るのか、という問いを1つの可能性の中心に置いている私にとって、合理的に物事を管理していくという行為は割と好きである。「…

8

かまいたちの「タイムマシン」的なものを組み直す

「爆笑オンエアバトル」と私と姉の影響でNHKお笑い番組、「爆笑オンエアバトル」を番組開始当初である1999年(もしくは翌年の2000年)から毎週のように観ていたと思う。当…

2

そしてまたONCE AGAINを歌い出す

3、2、1、Liftoff!!3月21日に合わせて、もう一度Noteを書き始めようと思っていた。2年と4ヶ月と19日ぶりの19回目の更新である。20年前の今日、私の人生における最も愚…

6

あなたにジョーカーを愛しているとは言わせない

私にとって大切な映画としての『ジョーカー』私は2019年に公開された『ジョーカー』という映画が好きだ。あの『ロード・トリップ』、『アダルト♂スクール』、『デュー・…

肉としての身体からの突然の合図(シグナル)

今年7月に寝違えて首を痛めた。15才の頃から3~4年周期ぐらいで必ず寝違える。この前はたしか、3年前の中東へ出張する際のエミレーツ航空の36H。割と座り心地の良いシートで…

『シンエヴァ』から見えた交換原理の変化

私、締切を守らないのに生きている。なぜ? その火を飛び越して来い海外にいると映画が安くしかも割と早く観ることができるのでいい。しかし、邦画にとことん疎くなる。今…

Creepy Nuts試論③:日本のヒップホップの頂点としての「Case」

3冠を狙うCreepy Nuts今年の「キングオブコント」で3冠を狙う者がマヂカルラブリーの野田クリスタル以外にもう“1組”いた。それは準決勝敗退した霜降り明星の粗品ではな…

Creepy Nuts試論②:Rへの異常な愛情

Creepy Nutsの古参は新参に優しいということなので、消しカスの山は小さく抑えてペンを走らせたいと思う。 『明日のたりないふたり』へのアンサーとしての最新アルバム「C…

Creepy Nuts試論①:結局、明日のたりないふたりとは誰だったのか

コロナ後に、日本のお笑いとの距離が近くなった。オンラインライブのおかげである。先月末に、ゴッドタンのオンラインライブ を晩酌しながら観てて、ゲラゲラ笑っていてい…

採るのはつらいよ

今年の初めに、久しぶりに日本人の採用に携わった。改めて、採用するってのはつらいなぁと感じた。人事が上げてきた候補者リストの5人から1人を選ぶという、その人の人生(…

のんと能年の神隠し

「ごめんなさい、こういう時どんなことをすればいいの分からないの」 「書けばいいと思うよ」 コロナ禍の肌荒れコロナ禍に入って外出時に常時マスクをつけるようになって…

こんまりのときめきとベンヤミンの天使

在宅勤務とこんまりの足音2021年も半分が過ぎたというのに、オフィスには今年で数えて3回ほどしか行っていない。ずっと在宅勤務だ。前までは日本のラジオを聞きながら仕…

『ゲンロン戦記』という東浩紀の英雄譚:序

(インク切れや切手代不足により、発送の遅延が発生したことを深くお詫び申し上げます。) 千分の一の顔をもつ『ゲンロン戦記』 大学時代の教養課程、たしか文学か映画の…

ねぇねぇ、デーツって食べたことある?

ねぇねぇ、デーツって食べたことある?

結構前にゴミ箱に捨てたはずのネタについてこれから書こうと思う。酔ってる時にゴミ箱を漁ってこの題名の原稿を見つけ元に戻した上、なぜか分からないが優先順位を高くつけられており、今のタイミングで訳もわからず執筆に取りかかっている。どんな意図があったのか、過去の自分との決闘である、望むところだ。ところで問いたい、デーツって食べたことある?、と。

上の写真は、2022年10月時点でのサウジアラビアにある建

もっとみる
在ロンドン大学院生のとある1日

在ロンドン大学院生のとある1日


起床からウォーキングとビリー小鳥のさえずで眼を覚ますというベタなドラマのオープニングのような朝から私の1日は始まる。ヴィム・ヴェンダース監督のPerfect Daysで役所広司が演じる平山にとってのそれが近所の路地を掃く竹箒の音であったように、野生化したインコ(正確には、リングネックパラキート)のさえずりが私にとっての目覚まし時計になっている。
時間は大体6時を少し過ぎている。それで起きれなくて

もっとみる
在ロンドン大学院生のデスク環境②実績編

在ロンドン大学院生のデスク環境②実績編

前回の予算編を改めて写真で振り返ろう。こんな感じになっていた。

実績評価:良かった点さて、実際の実績評価に移っていきたいと思う。

8.PCモニター・液晶ディスプレイ

やはり、8.PCモニター・液晶ディスプレイについてまず触れておきたい。27インチから34インチにするだけで世界が変わったことは認めざるを得ないだろう。例えば、画面(思考)の広さのそのおかげで、画面の真ん中で文献を読み、その左側で

もっとみる
在ロンドン大学院生のデスク環境①予算編

在ロンドン大学院生のデスク環境①予算編

いかに合理的に「不合理」というものを考え得るのか、という問いを1つの可能性の中心に置いている私にとって、合理的に物事を管理していくという行為は割と好きである。「合理的な役立たなさ」というものがもしあれば、それを採掘していきたいとも思っている。というのも、合理的に管理してい(るという素振りを見せてい)ない限り、「不合理」という女神は私に顔も見せてくれないからである。まったく、全くに、まったくである。

もっとみる
かまいたちの「タイムマシン」的なものを組み直す

かまいたちの「タイムマシン」的なものを組み直す


「爆笑オンエアバトル」と私と姉の影響でNHKお笑い番組、「爆笑オンエアバトル」を番組開始当初である1999年(もしくは翌年の2000年)から毎週のように観ていたと思う。当時、地上波でのネタ見せ番組というのは今と違ってかなり珍しく、「ごっつ」を失った後にぽっかりと空いてしまった穴を「笑う犬」とこの「爆笑オンエアバトル」だけが優しく、そしてちょっとずつ埋めてくれた。
江戸むらさき、Over Driv

もっとみる
そしてまたONCE AGAINを歌い出す

そしてまたONCE AGAINを歌い出す


3、2、1、Liftoff!!3月21日に合わせて、もう一度Noteを書き始めようと思っていた。2年と4ヶ月と19日ぶりの19回目の更新である。20年前の今日、私の人生における最も愚かな行為が私の人生を変えたように、ちょうど1年前の今日、私の人生における最も賢い
行為が人生を変えてしまった。それは約10年ほどのグローバル人材(落ちこぼれ)としてのキャリアを(投げ)捨て、哲学者見習いとして新しい人

もっとみる
あなたにジョーカーを愛しているとは言わせない

あなたにジョーカーを愛しているとは言わせない


私にとって大切な映画としての『ジョーカー』私は2019年に公開された『ジョーカー』という映画が好きだ。あの『ロード・トリップ』、『アダルト♂スクール』、『デュー・デート』で知られるトッド・フィリップスが監督する、あの『容疑者、ホアキン・フェニックス』、『ザ・マスター』、『her/世界でひとつの彼女』、『インヒアレント・ヴァイス』で知られるホアキン・フェニックス主演の、これまでジャック・ニコルソン

もっとみる
肉としての身体からの突然の合図(シグナル)

肉としての身体からの突然の合図(シグナル)

今年7月に寝違えて首を痛めた。15才の頃から3~4年周期ぐらいで必ず寝違える。この前はたしか、3年前の中東へ出張する際のエミレーツ航空の36H。割と座り心地の良いシートでだった。アブダビに着いて1つ面談をこなして、その次の面談まで間の1時間ぐらいを使って医者に診てもらった。塗り薬と鎮痛剤をもらってその出張をしのぐ。その時も年々治るスピートが遅くなるはうすうす感じていたが、日常は回転数を上げてそんな

もっとみる
『シンエヴァ』から見えた交換原理の変化

『シンエヴァ』から見えた交換原理の変化

私、締切を守らないのに生きている。なぜ?

その火を飛び越して来い海外にいると映画が安くしかも割と早く観ることができるのでいい。しかし、邦画にとことん疎くなる。今回書こうと思った『シン・エヴァンゲリオン劇場版』もその例に漏れない。2021年3月に日本で公開された本映画もアマゾンプライムでようやく8月あたりに観ることができた。ただ、書こうと思えたのはこの5カ月ものブランクがあったからだろう。もし日本

もっとみる
Creepy Nuts試論③:日本のヒップホップの頂点としての「Case」

Creepy Nuts試論③:日本のヒップホップの頂点としての「Case」


3冠を狙うCreepy Nuts今年の「キングオブコント」で3冠を狙う者がマヂカルラブリーの野田クリスタル以外にもう“1組”いた。それは準決勝敗退した霜降り明星の粗品ではなく、Creepy Nutsだ。どういうことかというと、『M-1グランプリ2020』のスペシャルコラボ動画にCreepy Nutsの楽曲「板の上の魔物」が採用され、『R-1グランプリ2021』のテーマソングに「バレる!」が起用さ

もっとみる
Creepy Nuts試論②:Rへの異常な愛情

Creepy Nuts試論②:Rへの異常な愛情

Creepy Nutsの古参は新参に優しいということなので、消しカスの山は小さく抑えてペンを走らせたいと思う。

『明日のたりないふたり』へのアンサーとしての最新アルバム「Case」伝説のオンラインライブ『明日のたりないふたり』の最後にゲストとして登場したCreepy Nutsは、彼らの代表曲「たりないふたり」をボロボロに泣きじゃくりながら披露し、「明日のたりないふたり」のバトンを受け取る。伏線は

もっとみる
Creepy Nuts試論①:結局、明日のたりないふたりとは誰だったのか

Creepy Nuts試論①:結局、明日のたりないふたりとは誰だったのか

コロナ後に、日本のお笑いとの距離が近くなった。オンラインライブのおかげである。先月末に、ゴッドタンのオンラインライブ を晩酌しながら観てて、ゲラゲラ笑っていていた。やっぱり、自分語りというか、歴史って本当に重要だなーって思った。誰かにとっての悪役が、他の誰かにとっての恩人だったりする映画にありそうなプロットが、そのまま芸人のエピソードとして語られていたのが印象的だった。確かにケンドーコバヤシが言う

もっとみる
採るのはつらいよ

採るのはつらいよ

今年の初めに、久しぶりに日本人の採用に携わった。改めて、採用するってのはつらいなぁと感じた。人事が上げてきた候補者リストの5人から1人を選ぶという、その人の人生(特に、現在の日本での環境を変えて、海外で挑戦してみたいと思う人たちだから猶更である)を左右するかもしれない決断を下さなくてはならないかった。しかも彼/女らからすると、日本の新卒採用市場にも参戦しなかった人に評価されるなんて、なんて王様ゲー

もっとみる
のんと能年の神隠し

のんと能年の神隠し

「ごめんなさい、こういう時どんなことをすればいいの分からないの」
「書けばいいと思うよ」

コロナ禍の肌荒れコロナ禍に入って外出時に常時マスクをつけるようになってから、肌荒れがすごい。でも、在宅勤務だし、人に会う機会も少ないし、しかも会ってもマスク取らないしということもあり、別になんの対策もとらずに、いつも使っている基礎化粧品で1年ほど過ごしていた。

ストレスなのか、食生活なのか、それともやはり

もっとみる
こんまりのときめきとベンヤミンの天使

こんまりのときめきとベンヤミンの天使



在宅勤務とこんまりの足音2021年も半分が過ぎたというのに、オフィスには今年で数えて3回ほどしか行っていない。ずっと在宅勤務だ。前までは日本のラジオを聞きながら仕事をしていたが、最近はNetflixでドラマシリーズを音だけ流しながらランダム再生している。音だけで面白い・気になった作品はその場で停止し、ちゃんと後ほどじっくり観ることにしている。結構な確率でこれが面白い。

ふと気が付くと、やけに

もっとみる
『ゲンロン戦記』という東浩紀の英雄譚:序

『ゲンロン戦記』という東浩紀の英雄譚:序

(インク切れや切手代不足により、発送の遅延が発生したことを深くお詫び申し上げます。)

千分の一の顔をもつ『ゲンロン戦記』
大学時代の教養課程、たしか文学か映画の授業の参考図書だっとか、はたまた友達に薦められて読んだかは定かではないが、ジョーゼフ・キャンベルの『千の顔をもつ英雄』を初めて読んだ時の胸騒ぎだけはFakeじゃなかったって気がしている。要は、すべての<物語>(神話)は三幕構成であると、日

もっとみる