フォローしませんか?
シェア
高屋敷坂
2023年8月10日 11:21
ピッピッピきらきら ひかるとがった花パッパッパまんまる おおきくひやけた顔シャリシャリシャざらざら すれるみどりのりぼんサンサンサンほこほこ いっぱい陽をめぐる
2023年8月9日 11:09
貸したものは 返ってこなかったそれに気づかず毎日をすごした 自分がいた「返してくれ」とお前にいっても「なんのことかね」としらをきる私はお前を信用しないそれが二年 それが二年お前はある日「貸してくれ」といったかな 夏の夜「貸したくないお前には」そしたらお前は物にあたる 物にあたる駄々をこねて みっともないお前の行いが 今になって返ってきたのだよ
2023年8月8日 11:24
さむい さむい雨がふるまえの曇天はさむくて さむくて頭がいたいさむい さむい雨がふるまえの曇天はさむくて さむくて身体があついさむい さむい夏まっただなかの曇天はさむくて さむくて東北の風
2023年8月7日 11:16
物語の主人公になりたかった舞台の真ん中に 仁王立ちスポットライトは 君の心物語の悪役になりたかった舞台の真ん中に 一人ぼっち袖の暗闇は 君の心ぼくは何者でもないぼくは何者でもないぼくは何者でもないきれいな台詞もくるしい台詞も口はないからながれ星より不鮮明にはしからはしへ 消えてゆくそれが ぼく戦う主人公を倒れる悪役をうしろ姿の逆行を みていた物語の誰
2023年8月6日 10:45
夜中に目覚めてこわくなって また目をつむったあるはずの世界がまっくらやみふと思い出したずうっと昔に読んだ星空の絵本まっくらやみにきらきら星目をあけてまっくらやみをみたぐんぐん空は さがってくるでも その向こうにきらきら星ああ あの オリオンはまだ まだ 夜中を冒険しているああ あの 白鳥はまだ まだ 湖に降り立てない星ぼしは 悲しい物語の 詰めあわせ
2023年8月5日 11:26
ぼくらの恋は不純だってしょうがない しょうがない夏のおわりに出会ったから大人の心が枯れていったんだ きっと同じ手をつなぐことも同じ目をあわせることも同じ空気をすうことも同じ時代を生きることも同じ君に恋することもゆるされないのかなこの時代はぼくらより不純だ君はだめだというのにぼくに一言告げたね「遠くへ行くんだ」って最初で最後にしめした君からの愛情頬に滲んだ
2023年8月4日 11:27
人はいつまでも生まれたときから死ぬときまで幼子の心をもっている駄々をこねるのは昔から今日まで変わらないそして泣くことも一つちがうことそれは我慢すること夢をみることたくさん泣いた悔しくて 悲しくて嬉しくて 温かくて雨より ふかく ふかくたくさん描いた楽しくて 喜ばしくて知らなくて 弱くて虹より ながく ながく今は雨より あさく虹より みじかく目
2023年8月3日 11:48
青い夏青い海青い空青い花それは朝顔青い船青い鳥青い夜青い星それは花火青い音青い光青い風青い葉それはきみ夏は力強い青悲しくなんてないや夏は力強い青悲しくなんてないや
2023年8月2日 11:05
小さな硝子コップにゆらめいているとうめいな水その向こうはゆがんでなにがあるのかわからない風もないので船はすべらず人工物なので生き物は暮らさずふつふつとコップは悲しく泡を浮かばせ私はぬるまったコップを肌でかんじかさついた唇ですすすっとのみほすコップの向こうは失ったあの日の私が映っていた
2023年8月1日 11:17
夏の夜にくさむらのかげでこおろぎがコロリン リコロンカリン ポリンひとりさみしく 作詞する夏の夜にくさむらのかげでこおろぎがポロロン クルルンプルン コロンひとりさみしく 歌うたう秋の朝兄弟たちがキロン ツルンだれも あのこおろぎのことはしらないないしらないないで歌うたう
2023年7月31日 11:58
私の心が霧になったのは十三のころ祖父の死で鉄砲で撃たれたかのように穴があき冷風がふいた私の心が霧になったのは十五のころ愛犬の死で丸太で突き刺されたかのように穴があき春風が走った私の心が霧になったのは十六のころ絵画の死で散弾銃で削られたかのように穴があき木枯しが苦しかった私の心が晴れたのは十八のころ心の死で銃で撃つ肉もないくらいにからっぽでやませが
2023年7月30日 11:48
花が枯れてしまうから水をあげましょう床が汚いからお掃除しましょう人が困っているから助けてあげましょうこれは優しさの裏目の行動です正しい行いをして正しい心をもちてにこやかに暮らしてきましたでもいつからか優しさは干ばつして地割れがおきて溜め息ばかりつくように水がほしくて懇願しても涙は目のふちにこぼれ落ちるだけで消滅してゆく優しい行いをしたのにあの人からもあ
2023年7月29日 11:54
海をみると帰っていった 人々を思いだす地平線の手のとどくところへ陽炎の人々が鏡のように 後ろ姿で後世を語っていた海は広大で 灯火のごとく小さな昼の 星々を吸収した
2023年7月28日 11:50
カルクルと金剛石は弧を描く色水のなか白いつぶ輝きを立ちとけてゆくおててに冷える夏のいし