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国立国会図書館デジタルコレクション個人送信サービスで読む歴史学書籍【西洋史・海外翻訳書】
@MasakiUetaさんを承け、歴史学系の書籍を作成してみました。
このほど新規に搭載される以前からあったものも含みます。
おおむね20世紀後半以降の著作が中心。
随時追加します(2024/05/21)
アードーズ,リチャード
リチャード・アードーズ 著 ほか『大いなる酒場 : ウエスタンの文化史』,晶文社,1984.12. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.n
いつか「○○と××」の洋書フェアを
外国人観光客が増えています。
しかし私の職場は洋雑誌や洋書をほとんど置いていません。
一方で、洋書を扱うのなら国内作家の著作にフォーカスしたい気持ちがあります。
海外の方からたびたびお問い合わせを頂戴するのは、村上春樹や太宰治、三島由紀夫など。代表作のペーパーバックを仕入れたらたぶん売れます。日本人でも興味を抱く人がいるかもしれない。私も学生時代に夏目漱石「坊っちゃん」の英語版を読みましたし
ハードボイルド書店員日記【186】
「五月病を吹き飛ばしてくれる本、集めました」
期間限定の小規模なフェアが始まった。場所は心理・哲学書コーナーの一列のみ。すべて棚に面陳して手書きのPOPを添えるゆえ、置けるのは五冊だけである。
店長が三冊、私が二冊を選んだ。
前者はいずれも「自己肯定感」や「マインドフルネス」に特化したベストセラー本だ。いわば和食における白いご飯。だから私は味の濃い小鉢を用意させていただいた。
「これ、どう
「排除」はしたくない。でも「一線」は守りたい
3~4年ほど前。
ある人が政府の某感染症対策に対し、疑問を投げ掛ける本を出しました。
読み込んだうえで当時は少数派だった彼の主張に同意し、多くの人に紹介したいと平積みにしました。しかし休み明けに出勤すると平台から姿を消し、2冊だけ棚差しになっている。売れたのかと思いきや、データを見るとごっそり返品されていました。発売されたばかりなのに。
店長に訊ねたら「右の人の本を置きたくない」「そういう店
「壊れたトロフィー」&「箱の中のケーキ」
トロフィー、また壊れちゃいました。
しかもリーグ戦が始まる前日の公開会見で。
決して褒められたことではないけど、悪い運を使い切ったという感じで前向きに捉えます。全選手が怪我なく完走できますように。
最初はSHO選手がアクシデント的にフロアへ落とし、次に石森選手が故意に叩き落としました。SHO選手、顔や態度には出さなかったけど内心焦ったのでは?
このシーンに、なぜか私は石森選手の優しさを見ま
2023年12月~2024年4月
※同人誌づくりと私生活のバタバタが重なって、この時期なかなか読書と紹介の時間がとれず……遅れちゃってごめんのだ。
539.勇者と探偵のゲーム (大樹連司/一迅社文庫)『勇者と探偵のゲーム』とてつもない怪作なのだ!
勇者と探偵を巡る物語が無限発生する地方都市で、一人の少女が無意味に死んだ
拡大主義や学生運動的ロマンチズム、果ては物語消費までも否定して焼き尽くす、野心的なメタ構造の「反小説」。ベ
鉄道会社と書店の「QR事情」
従来型の紙の切符のことを「磁気乗車券」と呼ぶらしいです。交通系ICカードのことではなく。
↑によると、磁気乗車券に対応する自動改札機の機械駆動部は非常に複雑で、メンテナンスコストが鉄道会社の負担になっているとのこと。たしかに切符が中に詰まり、開けられている光景をしばしば目にします。というか、子どもの頃に私もやらかしました。スイマセン。携帯電話のない時代だったせいか、手持無沙汰だとつい切符を曲げて
「本屋併設型ローソン」と「専門書店」は共存できる
今度は富山県立山町ですか。
ローソン&日販による本屋併設店、着実に増えています。これで30店目とのこと。
「24時間いつでも本を買えるのかな? だとしたら便利だな」と思ったのですが、↑の記事によると、同店舗の営業時間は午前6時~午後10時とのこと。
でもおそらく「ローソン マチの本屋さん」の多くは24時間営業のはず。調べたところ、2021年6月に同プロジェクトの第1弾としてリニューアルオープ
ハードボイルド書店員日記【185】
こんなお客さんがいた。
「ここ本なくね?」
大学生らしきふたり組の男性。ビジネス書の棚を眺めながらひとりがつぶやく。もうひとりは「本屋なんてこんなもんだろ」と仁王立ち。
おそらく十数年前の自分も、周囲の大人にいまの私が彼らに抱いているような印象を与えていた。与えた側は無自覚。でもいつか客観的に振り返り、それと認識するに違いない。思い出し赤面の案件だ。
「すいません」
資格書のエリアで品出し
「人生初のシェア型書店」で出会った2冊
心地良い空間でした。
直木賞作家・今村翔吾さんが、神保町にオープンしたシェア型書店「ほんまる」です。先日行ってきました。
シェア型書店へ足を踏み入れるのは初めての経験。ひとつひとつの棚をじっくり眺めました。
時代小説、純文学、ミステリィ、ビジネス書、歴史書、絵本、料理書、旅行書、写真集、アート関連、コミック……想像していたよりも多様なジャンルの本が置かれていました。版元は大きい会社もあるし初
イチ書店員が「町で唯一の本屋」に思うこと
嬉しいニュースです。
北海道・南西部の白老町(しらおいちょう)に、町の本屋「またたび文庫」がオープンしました。同町に本屋ができるのは30年ぶりらしいです(5年前までは文具店が一部書籍を扱っていたとか)。
↑いわく「話題の小説など新刊約800冊を扱い、学術書などの専門書や児童書、実用書の古書も約1000冊置く」とのこと。町で唯一の本屋だから、あらゆるジャンルをひと通り押さえている感じでしょうか。
「1か月を3で割る」&「最終的には○○○○」
沢木耕太郎さんの本が好きです。
営業マン時代、仕事をさぼって飛び込んだ町の本屋で「深夜特急」に出会い、救われたのが最初でした。
同作ではなかったかもしれないけど、彼の書いたこんなニュアンスの文章に共感したことを覚えています。「1か月を3で割り、それぞれを仕事、旅、酒に充てたい」
我が身に置き換えるなら「書店員、物書き、読書&プロレス観戦」でしょうか。安定の低空飛行とはいえ、できてなくもないで
紅テントで輝いた「誤読の魔術師」
「マジックリアリズム」という言葉をご存知ですか?
私もよくわかっていません。なんとなく「日常と非日常、リアリズムと幻想が当たり前のように共存する世界観」だと捉えています。
ウィキペディアを見ると、日本人作家では安部公房の名が最初に出てきます。
「壁」や「カンガルー・ノート」はそんな感じでした。カフカ的と評されがちだけど、もう少しダリの絵画に近いような。村上春樹だと「ねじまき鳥クロニクル」「海