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  • 24年目16番目~

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齢と孫子(続き)

   日記より28-3「齢と孫子」 (続き)        H夕闇                  四月十四日(日曜日)晴れ                   …

夕闇
1か月前
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齢と孫子

     日記より28-2「齢と孫子」         H夕闇                 四月十四日(日曜日)晴れ  この春は、桜(さくら)の並み木道を一人で散歩…

夕闇
1か月前
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学友

     日記より28-1「学友」           H夕闇               令和六年四月九日(火曜日)雨  首都圏は緑が少ない、との先入観に反して、車…

夕闇
1か月前
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財布3

     日記より27-21「財布」3         H夕闇 **              三月二十四日(日曜日)晴れ  一族でA温泉へ梅見に出掛(でか)けた。  長…

夕闇
1か月前
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財布2

     日記より27-20「財布」2         H夕闇            三月二十一日(木曜日)曇り(続き)  金銭に代え難い貴重品を危(あやう)く失い掛(か…

夕闇
1か月前
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財布1

     日記より27-19「財布」1         H夕闇                三月二十一日(木曜日)曇り  財布(さいふ)を無くした。  新聞の折り込み散…

夕闇
1か月前
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灯台3

     日記より27-18「灯台」3         H夕闇             二月七日(水曜日)晴れ後に曇り  又これらの報道を僕らは決して忘れまい。かれら…

夕闇
3か月前
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灯台2

     日記より27-17「灯台」2         H夕闇             二月七日(水曜日)晴れ後に曇り  ミニかまくらの灯(とも)し火(び)にも、同様の思…

夕闇
3か月前
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灯台1

     日記より27-16「灯台」1         H夕闇             二月七日(水曜日)晴れ後に曇り  きのうの雪は(半月前に比べると、)ズッと少な…

夕闇
3か月前
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幸先(続き)

     日記より27-15「幸先」(続き)      H夕闇  その夕刻、久々の緊急地震速報が鳴った。この地では空騒ぎに過ぎなかったが、能登半島に死者二百人を越える…

夕闇
4か月前
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幸先

     日記より27-14「幸先」            H夕闇              令和六年正月十四日(日曜日)晴れ  年賀状を呉(く)れた教え子と旧同僚へ、…

夕闇
4か月前
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阪神大震災

   日記より27-13(2-31)「阪神大震災」       H夕闇                 平成七年一月二十四日 火曜  日本中を震撼(しんかん)させるニュース…

夕闇
4か月前

孫の花(続き)

   日記より27-12「孫の花」(続き)          H夕闇  ここ一月程ガザ地区の病院から届くニュース映像は、残酷だ。発電所の爆撃で保育器が止まり、未熟児た…

夕闇
5か月前

孫の花

     日記より27-11「孫の花」         H夕闇        十一月十五日(水曜日)小春日和りの七五三  娘から久しぶりのSOS。早朝の電車で出掛(でか…

夕闇
6か月前
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熱帯夜の夢

  日記より27-10「熱帯夜の夢」             H夕闇    八月三十一日(木曜日)晴れ+熱帯夜(今夏三十日目:最多更新中)  夜中に目が覚めた。暑くて…

夕闇
8か月前
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キャンプ孝行3

     日記より27-9「キャンプ孝行」3        H夕闇                   八月十二日(土曜日)雨  噴火口(カルデラ)に背を向けて腰を下ろ…

夕闇
9か月前
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齢と孫子(続き)

   日記より28-3「齢と孫子」 (続き)        H夕闇
                 四月十四日(日曜日)晴れ                                                                                      

 人にも依(よ)るのだろうし、深い浅いの差(感受性の度合い)も有るかも知(し)れないが、巧(たく)

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齢と孫子

     日記より28-2「齢と孫子」         H夕闇
                四月十四日(日曜日)晴れ
 この春は、桜(さくら)の並み木道を一人で散歩した他、夫婦でも随分(ずいぶん)あちこち花を愛(め)でて回った。但し花は桜とは限らない。
 先ず今月五日に末の娘の案内で横浜の山下公園へ出掛(でか)けた。港のハイ・カラな洋風庭園で、「赤い靴(くつ)履(は)いてた女の子」の像が異国情

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学友

     日記より28-1「学友」           H夕闇
              令和六年四月九日(火曜日)雨
 首都圏は緑が少ない、との先入観に反して、車窓から眺(なが)める沿線は桜の花が多く目に付いた。ちょうど新幹線から花見した今月四日(木曜日)東京は桜が満開になったと聞く。花に祝福されるかの如(ごと)く、畏友と再会する旅だった。
 数年前の初対面では、我が家で文学や学問に就(つ)い

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財布3

     日記より27-21「財布」3         H夕闇
**
             三月二十四日(日曜日)晴れ
 一族でA温泉へ梅見に出掛(でか)けた。
 長女の桜好きと一対で、婿(むこ)殿は梅が好きらしい。前から誘われていたのだが、天気が悪くて、二度も延期。三度目の本日、偶々(たまたま)むすこ父子が我が家に一泊していて、車二台で三世帯七人の一行と相(あい)なった。幼稚園を卒業したばか

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財布2

     日記より27-20「財布」2         H夕闇
           三月二十一日(木曜日)曇り(続き)
 金銭に代え難い貴重品を危(あやう)く失い掛(か)けたこと、その上その事実を忘れてさえいたことを、僕は改めて思い知らされた。大切な思い出も、時の重みに流れ去る。そうして過去は失われ行く。軈(やが)て僕の人生その物も同様になるだろう。そうした冷たい認識が、暫(しば)し僕を自失させ

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財布1

     日記より27-19「財布」1         H夕闇
               三月二十一日(木曜日)曇り
 財布(さいふ)を無くした。
 新聞の折り込み散らしにSドラッグの割り引きクーポンが入り、それで昼前に乳児用の果汁を買った。更にスーパーBへ行って、週末対策の商品を選び、レジに並んだ所で、はたと紛失に気が付いた。
 慌てて、来た道を逆に辿(たど)り、、、煩(わずら)わしいから、

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灯台3

     日記より27-18「灯台」3         H夕闇
            二月七日(水曜日)晴れ後に曇り
 又これらの報道を僕らは決して忘れまい。かれらは人々が軈(やが)て出来事を忘れてくれるのを待ち、この世から事件が風化することを望んでいるのだ。ほとぼりが冷めたら、頃合いを見計らって、次ぎの手に出よう、とて虎視(こし)を眈々(たんたん)と身構えているのだ。だから、僕らは対抗手段とし

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灯台2

     日記より27-17「灯台」2         H夕闇
            二月七日(水曜日)晴れ後に曇り
 ミニかまくらの灯(とも)し火(び)にも、同様の思い入れが有った。例えば、人が傷心の旅に出たとしよう。眠れず所在ない夜汽車の窓には、遠く底の知れない闇(やみ)が続く。或(ある)いは、氷った月が雪の原を照らして、ボンヤリ青く雪明りがしているかも知(し)れない。暫(しば)らく眺(なが

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灯台1

     日記より27-16「灯台」1         H夕闇
            二月七日(水曜日)晴れ後に曇り
 きのうの雪は(半月前に比べると、)ズッと少なかった。夜来の積雪は五センチとか。裏の道の雪掻(ゆきか)きが(隣家の前も含め)三十分程で済んだ。前回は薄明から一時間半も掛(か)かったことを思えば、遥かに楽だった。集めた雪の山も、(この前の半ば融(と)けた残雪に積み上げたのだが、それ

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幸先(続き)

     日記より27-15「幸先」(続き)      H夕闇
 その夕刻、久々の緊急地震速報が鳴った。この地では空騒ぎに過ぎなかったが、能登半島に死者二百人を越える大きな被害が出た。活断層に因(よ)る最大震度七、津波も約四メートル。僕らは十二年前を思い出し、冷え込みを思(おも)い遣(や)った。心底から温もりが恋いしかった。
 翌日夕方、その被災地へ支援物資を運ぶ海上保安庁の飛行機が、羽田空港C滑

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幸先

     日記より27-14「幸先」            H夕闇
             令和六年正月十四日(日曜日)晴れ
 年賀状を呉(く)れた教え子と旧同僚へ、きのう寒中見舞いを投函して、ホッとした。ここ数年来は虚礼廃止の方針で、こちらからは出さないのだが、それでも新年の挨拶(あいさつ)が来る相手は、有り難く、必ず答礼することにしている。
 肩の荷が下りた、と言えば、きのう七回目の新型コロ

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阪神大震災

   日記より27-13(2-31)「阪神大震災」       H夕闇
                平成七年一月二十四日 火曜
 日本中を震撼(しんかん)させるニュースが走って、既に一週間。この間、僕は家に居(い)る限りはテレビに齧(かじ)りついていた。
 一年前に米国カリフォルニア州ロス・アンジェルス市の高架ハイ・ウエイが地震で陥没した時、日本ではこのような事は絶対に起こらないと、何人もの学

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孫の花(続き)

   日記より27-12「孫の花」(続き)          H夕闇
 ここ一月程ガザ地区の病院から届くニュース映像は、残酷だ。発電所の爆撃で保育器が止まり、未熟児たちが力なく手足を動かす姿など、正視に堪(た)えない。あの子たちの親は強い敵意を募らせるに違い無い。
 親が死んで子が生き残った場合いも、悲惨だろう。物心が付いて直ぐ、(他の子と違って)自(みずか)らに親の無い事実を、身を以(も)って痛

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孫の花

     日記より27-11「孫の花」         H夕闇
       十一月十五日(水曜日)小春日和りの七五三
 娘から久しぶりのSOS。早朝の電車で出掛(でか)る筈(はず)だった。
 前日からの呼び出し予約だったので、予(あらかじ)め握りめしやら稲荷(いなり)ずしやら、妻は前夜から用意周到(しゅうとう)、おさおさ怠(おこた)り無かった。所(ところ)が、当日の朝、いつも早起きの夫婦が(こん

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熱帯夜の夢

  日記より27-10「熱帯夜の夢」             H夕闇
   八月三十一日(木曜日)晴れ+熱帯夜(今夏三十日目:最多更新中)
 夜中に目が覚めた。暑くて、寝苦しい。この夏は、枕頭(ちんとう)の小机(こづくえ)に水筒を用意して寝る。冷たい飲み物を口に含むと、救われた気分になるが、昨夜それだけでは済まなかった。
 手足などに執拗(しつよう)な不快感が有るのは、蚊(か)に喰(く)われたらし

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キャンプ孝行3

     日記より27-9「キャンプ孝行」3        H夕闇
                  八月十二日(土曜日)雨
 噴火口(カルデラ)に背を向けて腰を下ろすと、足下の駐車場とレスト・ハウス。その向こうで、小火口が噴煙を上げる。周辺は地肌が黄色い。硫黄(いおう)の臭いも懐かしい。
 三好達治の詩「艸(くさ)千里(せんり)浜(はま)」が胸に浮かんだ。登った山その物は(阿蘇山(あそさん)と

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