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Hannahのイチオシ

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私が何度も読み返したくなる記事を集めました。ジャンルは様々です。
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記事一覧

放課後の書道室に漂うコロンビアコーヒーの香り

放課後の書道室に漂うコロンビアコーヒーの香り

高校1年生の時に初めて淹れたてのコーヒーを飲んだ。

放課後のことだった。
書道の授業中に提出物が完成しなかったため居残りになってしまった。
生徒は私ひとり。先生は控え室にいた。
誰もいない書道室でもくもくと作業した。30分ほどで仕上がった。

一文字で表現しなさいといわれて書いた漢字が『花』と『破』。
ただなんとなく選んだ文字だったけれど、それを見た先生は
「花が破れるなんてねぇ」
と笑った。

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明日の自分に感謝されるためにやっている

明日の自分に感謝されるためにやっている

夕ご飯の後の食器洗いが面倒。

でも、やる。

明日の自分に感謝されるためにやっている。

大体夜は少し飲んでいるので片付けが面倒になる。

でも、やる。

もしそのままにして寝てしまったら翌日の私に申し訳ない。朝はシンクが綺麗な状態で朝ごはんとかお弁当を作りたいから。

週末は洗濯物が多い。

子供の学校の体操服セットとか上靴とか給食エプロンとか。つけこんで洗ったり、アイロンかけたり、いろいろ面

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週末にドライブした話

週末にドライブした話

娘が仕事を始めて、初めての土日休み。
土曜日は、ドライブを兼ねて、珈琲豆を買いに出かけた。

珈琲専門誌にもよく登場する焙煎屋さんで、数年前に1度行ったことがある。いつも使っている「高速手回し」ミルもその時に買ったものだ。

方向はなんとなく記憶していたものの、たどり着けるか自信がないので娘にスマホでナビしてもらった。

肌寒くて湿度が高く、霞たなびく山の中を行く。
晴天のドライブ日和ではないが、

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未来に先回りする思考法

未来に先回りする思考法

職業柄教育関連の本を読むことが多いのですが、偏った人間にならないために様々な知識の習得に努めています。中でもテクノロジー関連の知識は、今後生徒や自分の子供たちが生きていく世界を理解する上で非常に重要であり、しっかり理解したいと考えています。

本書はメタップスという会社の経営者で、「お金2.0」というベストセラー(だいぶ前に読みました)の著者でもある佐藤航陽氏が2015年に上梓した本になります。

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雪のある生活から学んだこと ①ヒーターの温度設定

雪のある生活から学んだこと ①ヒーターの温度設定

* みんなのフォトギャラリーよりお写真お借りしました。ありがとうございます。 撮影者は写真右下のphoto by~にあるリンクより確認できます。

どちらかと言えば常夏の国が好き。旅行にでも行かなければ雪に出会うこともほとんどなかったこれまでの生活から、今年は初めて雪に囲まれる生活を送ることになりました。

まだもう少し雪の降る日もあるようだけれど、ここに長く住む大先輩によるとピークは過ぎたのでは

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心がガサガサして聴きたくなった曲

心がガサガサして聴きたくなった曲

「こういう時もあるよね。」が続いてしまって、

「こういう時が長いときも・・・あるよね。」

と自分に語りかける。

そして聴きたくなった曲。

『MaMuse』の『Chico Gospel』。

9年くらい前・・・かな、旅先のオシャレな雑貨屋さんで流れていた曲です。ステキだな~と思って、ものすごい勇気を出して店員さんにアーティストと曲名を教えてもらったのでした。

数少ない私の武勇伝の1つです。

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共感力以上に大切かもしれないもの

共感力以上に大切かもしれないもの

共感力はあったほうがいい。
共感できる人の存在は、自分はひとりじゃないという安心感が生まれる。
当事者にしかわからないこと、当事者になって初めてわかることは多い。
だから共感してくれる人の存在はありがたい。だた、当事者同士でも意見が分かれることがある。当事者とそうでない者の間は、最初から見えない線で分断されている。この場合、共感力は機能しなくなる。

その共感力は人間関係に必要なスキルといわれてい

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まあるいめがねとぎざぎざめがね

まあるいめがねとぎざぎざめがね

まあるいめがねをかけたまるこちゃん。

ぎざぎざめがねをかけたぎざおくん。

2人はなかよしなんだけど。

おんなじものをみているけれど。

いつもなんだかぜんぜんちがう。

あおいそらにしろいくも。

まるこちゃんはいう。

きょうはとってもいいてんき。きもちがいいなとにこにこわらう。

ぎざおくんはいう。

あのくもは あまぐもなのかもしれないよ。
あめがふるかもしれないな。しかめつらで
ため

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反省なくして成功なし

反省なくして成功なし

「私、”反省はしても後悔しない人生”にしたいんです」

20年以上前に会社の後輩に言われた言葉。その時彼女は20代半ばで、私は
アラサーだった。すごいこと言ってるけど、核心突いているなと思った。
その時から私は反省と後悔は似て非なるものと考えている。

私が考える反省とは振り返り。なぜ自分が思ったような結果にならなかったのか?見直して違う方法や調整でやり直し...を繰り返して納得できる
着地点を見

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くろしろと暮らす街

くろしろと暮らす街

私は、自分が生まれ育った家にずっと住んでいる。
正確に言うと、独身時代に仕事のため一人暮らしをした1年間と、結婚してから長男を授かるまでの8年間を除いて。
結婚してからの8年間も、今住んでいる家の隣(住所も同じ)に住んでいたので、同じ街の、同じ場所に、40年以上ずっと住み続けていることになる。

築90年の木造家屋
長男を授かるまで夫婦ふたりで住んでいた家は、築90年の今にも壊れそうな木造家屋だっ

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人生はルービックキューブ

人生はルービックキューブ

次男が高校生のころ、急にルービックキューブをやり始めたことがあった。

なんでもクラスメイトで瞬時にルービックキューブをそろえられる子がいて

憧れたらしい。自分もできるようになりたいと練習を始めた。

父親というのはなぜだろう。何かというと息子と張り合う。

あちら側には一切その気はなく、平和的交流を望んでいるにもかかわらず、すぐに戦いを挑もうとするのだ。

全ての面をそろえるには、キューブを回

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ジャズとコーラとポテトチップス

ジャズとコーラとポテトチップス

月曜日の朝、部屋の窓から雨を見ていた。

窓の向こうには丘の下の家々の屋根があって、そのどれもが白っぽく輪郭をぼやけさせている。

住宅街の中にポツンと立つ小学校の屋根は、一部が煙突のように飛び出ていて、その上に三角屋根が乗っかっている絵本に出てくるような建物なのだけれど、雨の日にはまるで傘をかぶっているように思えて可愛い。

雨はまるで、古い映画フィルムのノイズのような縦線を作りながら落ちていく

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おいなりさんから始まる物語

おいなりさんから始まる物語

6年前、私がノルウェーに住んでいた頃の物語です。せっかくなので全てノンフィクションにしました。

とあるバーで働いていたとき、お客さんの一人と仲良くなった。その男性は、レストランを新しく始めようとしているスウェーデン人で、フュージョン料理を専門に修行を重ねてきた人だった。私がアジア人ということでオスロでは珍しく、さらに料理好きと知って名刺を渡してきた。面白い料理を紹介したかったらいつでも連絡して、

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転校生、恵方巻

転校生、恵方巻

 20数年ほど前のこと。
 年度末が近いにもかかわらず、先生に連れられてやってきた転校生は、挨拶もそこそこに

「ワテ、恵方巻いうねん。仲良うしてや!」

 と、一番前の真ん中の席に、ドン!とカバンを置いた。
 見た目も派手で、デンブのピンク色が、他の生徒にはない輝きを放っている。その美味しそうな海苔の香りが、教室中に漂い、クラスに新しい風が吹いたことを感じさせた。

 そんな恵方巻を、後ろの席か

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