見出し画像

夜の魔物。


「げつようび、またあそぼうね!ぜったいだよ…」

……そう言い、お互いにハグをした。


子どもの頃、

金曜日は、永久の別れのよう…。


悲しくて、切なくて、寂しくて…、

バイバイの手が、弱々しくなる。



……空は、紅色。

夕日が、

僕たちの背中を、赤く染める…。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


子どもの頃、夜、

死ぬのが怖くて、眠れなくなったことがある。


「明日って、本当に存在するのかな…」

「今、目をつぶって、、

    二度と、起きられなかったらどうしよう…」


真っ暗な部屋に一人。


ベットに横になった僕は、

窓から見える星空を、じっと眺めていた。


……夜は、終わり。

……夜は、死、絶望。



…大きな魔物が、心の中にスーッと入って、

僕の心臓を掴む。


そして、心臓をむしり取って、

ゴクリ…と、飲み込んだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「…ん、、」

眩しい光、小鳥のさえずり…


……目を開くと、白い天井が見える。


「あぁ、良かった…。夢か…。」


右手を胸に当てると、

ドクン、ドクン…と、音を立てていた。




…空が、だんだん明るくなる。


僕は、ベットから立ち上がり、

窓の外を眺めた。



白い雲の隙間から、光の筋が差す。



あぁ、、良かった…

目が覚めて、良かった…。





今日も生きていて、、



……本当に、、良かった。








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?