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記事一覧

固定された記事

システムズアプローチを実践する上で大切なポイントを検討する

はじめに  本論では、筆者が考えるシステムズアプローチを実践する上で大切なポイントをいくつかあげて検討していくことを目的としたいと考えています。その中で、システ…

Noname
9か月前
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システム論的立場から精神をひとつのシステムとして捉えて理論化することに関心があるけれど、その精神システムから事象を捉えようとする時点でシステム論を実践で活用する際の合目的的性や柔軟的なケースフォーミュレーションといった方法論の有用性が無くなってしまうという葛藤がある。

Noname
3日前
1

類似と相違・サービス・エビデンス・学術史のメモ

 絶対的な科学が定義できない以上相対的なものになるが、その根拠や方法時代を科学とするのではなく、サービスの評価や基準とする事で、どの程度有効なのかの指標を示す事…

Noname
7日前
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コンテクストを活用した見立て

本文 1. 語り手の語る現象を時系列(現象前、現象中、現象への対応、対応後、などの時間軸の区切りを設定する)で捉えなおし、事実として何が起きたのかを見立てる。 2. …

Noname
9日前
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こころの科学増刊号 『心理臨床と政治』を読んで

 こころの科学増刊号『心理臨床と政治』を読みました。といっても、東畑開人さんの序論「心と政治―「善く生きること」についての二つのまなざし」と、信田さよ子さん×東…

Noname
3週間前
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ベルクソン 著 ドゥルーズ 編『記憶と生』を読んで

感想本文  ベルクソンは、持続のなかに多様性と単一性をみていて、作用と反作用のように、一方だけを分析しても、それは現象の一側面でしか無いと考えており、混沌や無が…

Noname
4週間前
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文献リスト〔随時更新〕

【あ】 アウエルバッハ『世界文学の文献学』みすず書房 アウエルバッハ『ミメーシス』ちくま学芸文庫 石井健吾 訳『アシジの聖フランシスコの小さき花』聖母文庫 伊藤邦武…

Noname
1か月前
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哲学書を読むための年表

 坂部恵は、『ヨーロッパ精神史入門 カロリング・ルネサンスの残光』で、以下のような時代の切れ目を示しています。  本記事では、この大きな時代の切れ目を参考に、出…

Noname
1か月前
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東豊著『マンガでわかる家族療法2 大人のカウンセリング編』を読んで

はじめに 波長合わせjoining 巻き込まれinvolvement 意味づけ(レッテル貼り・ラベリング) 仮説の作り方と介入計画 悪魔の契約 苦行療法ordeal therapy 認識されやすく…

Noname
2か月前
1

『増補新版 KAWADE夢ムック 総特集 中島らも』を読んで

中島らも シュルレアリズム 渋澤龍彦 結晶とイメージと時間 毒と呪術と旅 バロウズ『裸のランチ』 ギンズバーグ『吠える』 ケルアック『路上』 ボルヘス、南米、マ…

Noname
2か月前
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エリクソン/ロッシ著『二月の男』を読んで

二月の男のアプローチ 1945年の非公式な形のデモンストレーション ミス・キャメロン エリクソン先生の秘書で、このデモンストレーションを速記した。 フィンク医師 当時…

Noname
2か月前
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河本英夫やシステム論のメモ

自己組織化は、おのずと進行しつづける生成プロセスのネットワークである。この場合には、個々の生成プロセスでは、次の生成プロセスの開始条件となると同時に結晶を外に排…

Noname
2か月前
5

近代から現代の人名メモ

フランツ・アントン・メスメル(1732−1815)ドイツ→医師、動物磁気、メスメリズム ジャン=バティスト・ラマルク(1744−1829)フランス→博物学、生物学 ヨハン・ゴッ…

Noname
3か月前
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「借りぐらしのアリエッティ」の『借り』とは何か?

2023/08/22の日記より  「借りぐらしのアリエッティ」の『借り』とは何だろうかと考える。誰にとっての『借りぐらし』何だろうか、『借り』と『狩り』をかけているんだろ…

Noname
4か月前
26

外在ーひとつの生

 無記名の、無所属のひとりの人間、立場も、役割りもない人間が書く文章を誰が読むのだろうか。それは壁に書かれた匿名のいたずら書きと変わらない、意味のない文字の羅列…

Noname
5か月前
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ミシェル・フーコー+渡辺守章著『増補改訂版 哲学の舞台』を読んで

 ミシェル・フーコー+渡辺守章の『増補改訂版 哲学の舞台』を読みました。対談ということもあり読みやすく、フーコー自身が自分の考えや実践について解説してくれていま…

Noname
6か月前
29

システムズアプローチを実践する上で大切なポイントを検討する

はじめに
 本論では、筆者が考えるシステムズアプローチを実践する上で大切なポイントをいくつかあげて検討していくことを目的としたいと考えています。その中で、システムズアプローチの実際の面接のイメージや、学習していく上で大切なポイントを記述できればと考えています。

①なぜ観察が大切なのか
 まずシステムズアプローチでは人間関係の変化の促進を目的としていることもあり、セラピストは面前のコミュニケーショ

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システム論的立場から精神をひとつのシステムとして捉えて理論化することに関心があるけれど、その精神システムから事象を捉えようとする時点でシステム論を実践で活用する際の合目的的性や柔軟的なケースフォーミュレーションといった方法論の有用性が無くなってしまうという葛藤がある。

類似と相違・サービス・エビデンス・学術史のメモ

 絶対的な科学が定義できない以上相対的なものになるが、その根拠や方法時代を科学とするのではなく、サービスの評価や基準とする事で、どの程度有効なのかの指標を示す事は出来るのでは?

 エビデンスの問題は、実証主義や科学哲学、ソーカル問題などの哲学史の事件から学ぶ事が多いのかもしれない。また、権威や科学を安易に信じるのにに、それらを認めないような傾向がある集団においては、アカデミックな言説と世間で流布

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コンテクストを活用した見立て

本文
1. 語り手の語る現象を時系列(現象前、現象中、現象への対応、対応後、などの時間軸の区切りを設定する)で捉えなおし、事実として何が起きたのかを見立てる。

2. 現象はどのような状況で、どのように始まり、どれくらいの量と質で、どのように終わったのかを見立てる。

3. その現象を話し手がどのように捉えているか(枠組み/フレーム)を見立てる。

4. 現象を変数と変数の関係として見立てる(現象

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こころの科学増刊号 『心理臨床と政治』を読んで

 こころの科学増刊号『心理臨床と政治』を読みました。といっても、東畑開人さんの序論「心と政治―「善く生きること」についての二つのまなざし」と、信田さよ子さん×東畑開人さんの対談「心理臨床にとって政治とは何か」の章だけですが。簡単な感想を書いておきたいと思います。

 東畑さんの序論は、政治からみた心理臨床の歴史が4つの時代に定義されていました。学会の分裂、ロジャーズ、河合隼雄さんの仕事、ケアの元年

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ベルクソン 著 ドゥルーズ 編『記憶と生』を読んで

感想本文
 ベルクソンは、持続のなかに多様性と単一性をみていて、作用と反作用のように、一方だけを分析しても、それは現象の一側面でしか無いと考えており、混沌や無が、秩序や実在より少ないと考えるのではなく、混沌や無は、知覚の主観的な記憶の収縮が分割する以前であり、混沌と無からなる虚無の誤謬に陥らないような努力を携えながら、《直観》という、動き自体に内在しつつも主観的な体験、記憶を一旦外した、純粋持続と

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文献リスト〔随時更新〕

【あ】
アウエルバッハ『世界文学の文献学』みすず書房
アウエルバッハ『ミメーシス』ちくま学芸文庫
石井健吾 訳『アシジの聖フランシスコの小さき花』聖母文庫
伊藤邦武/山内志朗/中島隆博/納富信留『世界哲学史3―中世Ⅰ 超越と普遍に向けて』ちくま新書
伊藤邦武/山内志朗/中島隆博/納富信留『世界哲学史5―中世Ⅲ バロックの哲学』ちくま新書
伊藤邦武/山内志朗/中島隆博/納富信留『世界哲学史別巻―未来

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哲学書を読むための年表

 坂部恵は、『ヨーロッパ精神史入門 カロリング・ルネサンスの残光』で、以下のような時代の切れ目を示しています。

 本記事では、この大きな時代の切れ目を参考に、出来事を整理して年表にしてみたいと思います。
 ちなみに、現状での個人的な理解を述べると、3世紀にプロティノスの新プラトン主義、9世紀にカール大帝によるカロリング・ルネサンスで自由学芸が誕生し、10世紀頃のアヴィセンナとアヴェロエスの活躍が

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東豊著『マンガでわかる家族療法2 大人のカウンセリング編』を読んで

はじめに

波長合わせjoining
巻き込まれinvolvement
意味づけ(レッテル貼り・ラベリング)
仮説の作り方と介入計画
悪魔の契約
苦行療法ordeal therapy
認識されやすくなる(目につく) 
一番に見立てるべきはセラピスト自身の頭の中
利用法utilization(症状、行動、ルール、癖、嗜好、価値観や考え方など)
都合のよいように現実を切り取る
問題持続システムの一部

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『増補新版 KAWADE夢ムック 総特集 中島らも』を読んで

中島らも

シュルレアリズム

渋澤龍彦

結晶とイメージと時間

毒と呪術と旅

バロウズ『裸のランチ』

ギンズバーグ『吠える』

ケルアック『路上』

ボルヘス、南米、マジックリアリズム

自失願望

鈴木創士(EP-4)

ジル・ドゥルーズ…

なんだかバラバラだったものがつながり始めた。

 河出書房新社から出ている、中島らもさんの特集本がとても良くて気に入っている。厳選されたエッセイと

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エリクソン/ロッシ著『二月の男』を読んで

二月の男のアプローチ

1945年の非公式な形のデモンストレーション

ミス・キャメロン
エリクソン先生の秘書で、このデモンストレーションを速記した。

フィンク医師
当時はインターンであり、患者であるミスSをエリクソン先生に任せた医師であり、デモンストレーションに同席した。

新規にケースの精神力動を調べる際に、自発的な無意識の連想に頼ったという点においては、確かにエリクソンは直感的でした。催眠

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河本英夫やシステム論のメモ

自己組織化は、おのずと進行しつづける生成プロセスのネットワークである。この場合には、個々の生成プロセスでは、次の生成プロセスの開始条件となると同時に結晶を外に排出する働きも行う。この事例では、この二つが二重の働きになっており、二重作動の一つのモードである。
「システム的思考」

システム的思考は、つねに新たな経験領域に踏み込むための課題設定ができなければならない。そうした課題設定のもとで次々と新た

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近代から現代の人名メモ

フランツ・アントン・メスメル(1732−1815)ドイツ→医師、動物磁気、メスメリズム

ジャン=バティスト・ラマルク(1744−1829)フランス→博物学、生物学

ヨハン・ゴットリープ・フィヒテ(1762−1814)ドイツ→哲学者、ドイツ観念論

ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル(1770−1831)ドイツ→哲学者、ドイツ観念論

フリードリヒ・シェリング(1775−1854)ド

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「借りぐらしのアリエッティ」の『借り』とは何か?

2023/08/22の日記より

 「借りぐらしのアリエッティ」の『借り』とは何だろうかと考える。誰にとっての『借りぐらし』何だろうか、『借り』と『狩り』をかけているんだろうか、『借り』とはどんな意味が込められているんだろうかなどの疑問が思い浮んでくる。登場人物は個性的で主人公の台詞は唐突で意味ありげだし、ハルさんの行動も善悪で動いている訳でもない。それでも、人間と小人の、動物や自然との関係を匂わ

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外在ーひとつの生

 無記名の、無所属のひとりの人間、立場も、役割りもない人間が書く文章を誰が読むのだろうか。それは壁に書かれた匿名のいたずら書きと変わらない、意味のない文字の羅列と考える人もいるだろう。その文章や文体、言葉やその間や拍子に魂が宿ると信じる人ならば、その文章の意味から魂が、そこに宿るのを見るのかもしれない。考古学者のように、その痕跡から、その人間が過ごした生活を、社会を、読み取ろうとする人にとっては、

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ミシェル・フーコー+渡辺守章著『増補改訂版 哲学の舞台』を読んで

 ミシェル・フーコー+渡辺守章の『増補改訂版 哲学の舞台』を読みました。対談ということもあり読みやすく、フーコー自身が自分の考えや実践について解説してくれています。この本では、キリスト教の〈告解〉の形態が現代の主体という問題に引き継がれていることを言及していて、ここだけでも読む価値のある本だと個人的には思いました。今回の記事はこの本を紹介していきます。まず、フーコーは自身の関心について、以下の引用

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