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To my diary. 57「I got flowers today.」
私は今日、花をもらいました。
私の誕生日でも、何か特別な日だったわけでもありません。
私達は昨夜、初めて喧嘩をしました。
彼はひどいことをたくさん言って、私を本当に傷つけました。
彼が申し訳なく思って、彼が言ったことは本気ではないと、私には分かりました。
なぜなら、今日、彼は私に花を贈ってくれたから。
私は今日、花をもらいました。
私達の記念日でも、何か特別な日だったわけでもありませ
To my diary. 56「若者はアナーキー」
我々にとって"秘密"という存在がそうさせる。
これは代わり映えしない日々の中で、我々が作り上げてきた大人厳禁の世界だ。
この世界では外の世界の方が無秩序だ、そう感じる者でないと立ち入れない。
我々は目を光らせて、厄介者または裏切り者を排除することに必死になりすぎている。
何もかも似ていなければならない。
似た境遇で似た価値観、そして共通の友達だ。そうゆう者でないと皆信用してはくれないのだ。
To my diary. 55「mellow」
あぁ、とろりと甘くてピリッと刺激的で誰もが欲しがる味にあたしはなりたかった。
手の届きそうで届かない、そんな存在に。
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背を向けていった男たちをみて、どれだけ嫌味な視線を送っていたことだろう。
友人に家族、仕事に頼れる上司に慕ってくれる部下までいるあたり、充分すぎるようにみえてたの?
そんな、いきなり"貪欲"とまで言われる筋合いはないと思うけど?
はじめからから傍にあるものにどう
To my diary. 54「ラズベリーを踏む。」
彼女が横たわる白い部屋。
甘酸っぱい香りが閉じ込められて、見るに耐えない鮮やかさは彼女から精を奪い、咲き乱れているようだ。
床と壁に紫がかった赤色が艷られていた。
これは彼女の狂気と理性、そして官能を表し、彼女の中で壮絶な物語が繰り広げられているのだと逆再生するようにして想像する。
すでに絶望を感じとったであろう彼女の目尻から綺麗なものが零れ落ちる。拭き取ると鋭い眼光で睨みつけられた。
勢い
To my diary. 53「本日のアイス」
私の行きつけの喫茶店ではセットメニューを頼んだ際、食後に「本日のアイス」が出される。
「本日のアイス」というくらいだから、日によって変わる。
例えば、ストロベリーアイスだったり黒蜜きなこだったりゆずシャーベットだったりする。
このような3つのアイスの中から選ぶわけで、好き嫌いがない私は毎度悩むことになる。
今日もセットメニューを頼んだ私は、また迷わなければいけない。その時間をなくそうと、あるこ
To my diary. 49「loveletter&fanletter」
例えば、こんな感じ──💌
真っ白い便箋に想いの詰まった言葉を連ね、封を閉じる時には赤いハートのシールを貼る。
そして、そのレターを想い人の机の中や靴箱の中に入れておく。
少女漫画の影響なのかはわからない。
昔の私にはラブレターが、とてもロマンチックなものに見えていた。
本当はキャラものやキラキラしている封筒や便箋、シールを使いたいし、一枚じゃ足りない。
だったら、使えばいいじゃない。
で
To my diary. 48「文フリ東京を終えて──」
11月24日に開催されました、第二十九回文学フリマ東京を無事に終えることができました!
「Yellow dress」をお手に取ってくださった皆さん、目にとめてくださった皆さん、ありがとうございます。🐼🍂
一緒のブースで売った友達のと合わせ、計80冊の頒布。初出展でこれほどの本が売れたことに対して、とても驚いています。📚✨
ほぼ見ているだけの私は、十一月なのに冷房を入れるほどの会場の熱量に
To my diary. 47「20時に。」下
※To my diary. 46「20時に。」上の続きになります。
【本編】
この状況になるまでの記憶は覚えていられなかった。目の前の光景に叫び声もでない。
おかしな話、怖いからとかじゃ全くない。
「お前、よくもそんな平然と……」
「別に俺じゃなくても……」
そう、あなたは次から次へと薄っぺらな内容を掠れた声で口にする。
その言葉だけが私の頭をいっぱいにさせる。
私が視線を下に向けたら
To my diary. 46「20時に。」上
※授業で推敲し、修正を加えました。
【本編】
私がこの団地に住み始めて、今日で五年が経った。
向かいにある公園から、夕方になると子供達の甲高い声がジャリっと包丁を研ぐ音とともに聞こえる。それが、心地良くて好きだった。
私の顔もオレンジ色に染まっていることだろう。
そして、子供の頃から好きだったカントリーロードという曲を鼻歌まじりに歌っていた。
振り向くと、端に寄せたカーテンが、ふわりと揺れ
To my diary. 45「Cafe 3」
訪れたのは「マレビトコーヒー」というお店☕️
照明や壁飾り、お品書きと素敵なカフェです。
これからの季節にぴったりの落ち着いた雰囲気で、隠れ家的なのも魅力的でしたよ。
木目調の家具にオフホワイトの壁紙は温かく、どこか懐かしい気持ちにさせられます。
席数は多いとはいえませんが、それがまたいいのかもしれません。
ポストカードがクリップで飾られていたり、動物のぬいぐるみや重なった本や雑誌。
この、レ
To my diary. 44「凛rin」
叫ぶようにして歌を歌うんだ。心に凛と響く。
“静けさが僕を誘惑する。鏡の中を覗けば血だらけの僕が睨んだ” “ベルトコンベアに乗せられたまま、降りられなくなって「夢が叶いました」”
そんな歌詞に私は痺れ、熱くなる。
それは、まるで、私を表しているかのようだ。
訴えるようにして──凛としていろとでも言うように──その、力強い歌詞があまりにも心に響くもんだから、私は自分と凛として時雨さんだけの世界
To my diary. 43「宣伝:文学フリマ東京」
2019年11月24日に開催されます、第二十九回文学フリマ東京にて、私、古閑千那もBL小説を出版・出店いたします! ※約40冊と数に限りがあります。
【詳細情報】・日時:11月24日(日) 11:00~17:00
・場所:東京流通センター 第一展示場
・入場料:無料
・ブース:HL秋葉原 オ07~08
・ジャンル:BL小説
・タイトル:「Yellow dress」
・価格:300円 8冊