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凹凹日誌

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記事一覧

レッテル貼りに利用される精神疾患

レッテル貼りに利用される精神疾患

新年早々、日本列島を大きな地震が襲い、例のごとくTwitterは大騒ぎとなった。そんな中、一人の国会議員の行動がTwitterで波紋を広げた。そう、れいわ新選組代表の山本太郎氏である。

政府や石川県が能登半島への不要不急の移動を自粛するよう呼びかけ、また与野党の代表も会談で、被災地への視察を自粛する申し合わせをした直後に山本太郎氏は被災地でボランティア活動を実施した。このことがSNSで拡散され山

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2023年もありがとうございました!今年多く読まれた記事トップ3

2023年もありがとうございました!今年多く読まれた記事トップ3

2023年も残すところあとわずか。ということで私が今年公開した記事でアクセス数トップ3の記事を紹介したいと思います!記事は上のリンクから読むことができます。

第3位 発達障害者界隈で広まる優生思想この記事は発達障害当事者が、障害の苦しみゆえに自分自身や発達障害者を否定してしまい優生思想に染まってしまっているのではないか、ということを書いた記事です。障害が遺伝することを恐れて自分のみならず他の発達

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発達障害者と定型発達(健常者)のコミュニケーションの違い

発達障害者と定型発達(健常者)のコミュニケーションの違い

前回に引き続き発達障害者と定型発達の違いシリーズ。今回のテーマは両者のコミュニケーションの違いについて。発達障害者、特にASDは他者とのコミュニケーションで悩んでいる方も多いはず。その原因を当事者目線で解説しようと思います。

発達障害者の中には学校や職場などで会話をして無意識に相手をイラッとさせてしまった方も多いはず。自分では気づかなくても知らず知らずのうちに相手を不機嫌にさせてたり怒らせてしま

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発達障害者と定型発達(健常者)の旅行の楽しみ方の違い

発達障害者と定型発達(健常者)の旅行の楽しみ方の違い

私は発達障害者で、また旅行好きでもある。一か月に1回はどこかに国内旅行をしている。そこで今回の記事は『発達障害者と定型発達の旅行の楽しみ方の違い』について自分の経験をもとに書きたいと思う。

1 発達障害者の旅行の楽しみ方発達障害者、とくにASD(自閉症スペクトラム)は一人を好む。また一人が寂しいと感じることはあるが、対人コミュニケーションが苦手で親しい友達がいないケースも多い。私もその一人である

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なぜTwitterはキラキラSNSになれないのか

なぜTwitterはキラキラSNSになれないのか

私もよくTwitterを使っていて、メンタルヘルス界隈やそれ以外の趣味の界隈に生息している。メンタルヘルス界隈はもちろんのこと、それ以外の界隈にいてもTwitter全体で話題にあがるトレンドで多いのは、生きづらさを抱えた若者たちの心の叫びである。近年では「親ガチャ」や「毒親」である。

Instagramも一応利用しているが、こちらではそのような陰気な話題はあがらない。Instagramはキラキラ

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低収入男性が結婚できない本当の理由

低収入男性が結婚できない本当の理由

低収入男性は恋愛・結婚ができないと言われています。収入が少ない男性ほど未婚率が高く、恋愛を経験した割合も低いと。その理由としてあげられているのは、マイホームを購入するにしても、子どもに教育を受けさせる(学習塾に通わせる・大学に進学させるなど)にしても多額のお金がかかり収入が少ないと諦めざるを得ないからであると解説されることが多いです。

ですが、私はその解説は表面的なことに過ぎないと思っています。

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全体的に劣っているだけで得意なことがない発達障害者はニューロダイバーシティで包摂されるのか?

全体的に劣っているだけで得意なことがない発達障害者はニューロダイバーシティで包摂されるのか?

ニューロダイバーシティ(脳の多様性)なる単語が精神障害・発達障害の界隈で取り上げられることが多くなりました。ニューロダイバーシティとは「脳や神経、それに由来する個人レベルでの様々な特性の違いを多様性と捉えて相互に尊重し、それらの違いを社会の中で活かしていこう(経済産業省ホームページより一部抜粋)」という考え方です。そして、経済産業省のHPのつづきにはこう書いてあります。「発達障害のある方に、その特

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「発達障害グレーが一番生きづらい」って本当?

「発達障害グレーが一番生きづらい」って本当?

先日、精神科医が「発達障害グレーゾーンが一番生きづらい理由」を解説しているYouTube動画をみました。発達障害の特性がある人は世の中に約8%いるけど社会は特性がある人のなかでも上位1%~2%を障害と認定していて、その認定された方が障害者手帳を交付されたりや障害年金を受給して生活していると解説していました。

しかし、残りの多くの発達障害の特性がある当事者は何とか日常生活や仕事が出来ているものの、

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HSP(繊細さん)と発達障害

HSP(繊細さん)と発達障害

この数年、メンタルヘルス界隈でHSP(とても繊細な人)を聞く場面が多くなりました。書店でもHSP関連の書籍が平積みされていているほどです。このHSPは1990年代後半にアメリカの心理学者が提唱した概念で人口の5人に1人が悩んでいると言われています。

主な症状としては、

などがあり、外部の環境の変化などに非常に強いストレスを受けます。

と、ここまで読んで勘のいい読者は気づいたと思いますが、先ほ

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単純作業が苦手な発達障害者

単純作業が苦手な発達障害者

企業の障害者雇用の採用ページを見ると、採用時の仕事内容で単純労働しかない企業があることに気づきます。書類のコピーや郵便物の仕分け、従業員の出勤管理など仕事というよりも雑務に近い作業ばかりです。

もちろん企業側も障害の特性を考えた結果、このような作業を任せているのだと思います。しかし、障害者、特に発達障害者のなかには逆にこのような単純作業が苦手な方もいます。なぜ、発達障害者は単純作業が苦手なのでし

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発達障害者がnoteをつづける意義

発達障害者がnoteをつづける意義

私も発達障害のことをnoteを通じて発信するようになり1年以上が経過しました。なかには障害に関すること以外の記事もありますが、これまでに50を超える記事を書き続けられてきたのは読者の皆さんのおかげと思っています。そこで今回は発達障害者がnoteで発信をする意義について考えていこうと思います。

1 自分の考えていることやつらさ、苦しみを言語化して整理する発達障害者はこれまで生きてきてツラさや苦しさ

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発達障害をカミングアウトするメリット・デメリット

発達障害をカミングアウトするメリット・デメリット

発達障害で働いている方の中には、発達障害を上司や同僚に伝えるか悩んでいる方もいると思います。私も働き始めた当初は自分の障害をカミングアウトするか悩んでいました。その後いろいろあって上司には伝えましたし障害の特性に合わせ配属でも配慮されています。そこで、今回は私自身の経験をもとに発達障害をカミングアウトするメリット・デメリットを書こうと思います。

メリット発達障害をカミングアウトするメリットとして

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なぜ発達障害者は人間関係をリセットしてしまうのか

なぜ発達障害者は人間関係をリセットしてしまうのか

発達障害者のなかには人間関係をリセットしてしまう人がいます。私もその一人です。では何故発達障害者は人間関係をリセットしてしまうのでしょうか。私の実体験からお伝えしようと思います。あくまで個人的な経験をもとに書いていますので間違っていたり、他の人には当てはまらない場合もあるかも知れません。

1 ADHD特有の衝動性発達障害のひとつであるADHDの症状には衝動性があります。この衝動性によってその場の

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発達障害者である私にとってコロナ禍は天国だった

発達障害者である私にとってコロナ禍は天国だった

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が中国、日本そして世界で確認されてから3年以上になります。その間に緊急事態宣言が何度も発出され、不要不急の外出の自粛などが呼びかけられました。同時に職場での飲み会などが事実上禁止され、また企業は在宅勤務を導入し出社する回数が減りました。

私の職場でも緊急事態宣言が発出されている期間はもちろん、発出されていなくても飲み会は禁止になりました。また、今まで一

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