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「発達障害グレーが一番生きづらい」って本当?

先日、精神科医が「発達障害グレーゾーンが一番生きづらい理由」を解説しているYouTube動画をみました。発達障害の特性がある人は世の中に約8%いるけど社会は特性がある人のなかでも上位1%~2%を障害と認定していて、その認定された方が障害者手帳を交付されたりや障害年金を受給して生活していると解説していました。

しかし、残りの多くの発達障害の特性がある当事者は何とか日常生活や仕事が出来ているものの、発達障害の特性が原因で人間関係につまづいたり、仕事でミスを繰り返すなどして転職を繰り返している。ただ、働けてはいるので、障害年金や生活保護を受給出来ずに「福祉の狭間」に入っていて、実はこのような当事者が一番苦しい思いをしているのではないか、とその精神科医は解説していました。

たしかに働けているという理由だけで本来受けられるはずの福祉を受けられない当事者がツラい思いをしているのは本当だと思います。これまでの人生のなかで多くの困難や苦しみがあったのは容易に想像できます。

しかし私は、一番生きづらい発達障害当事者はグレーゾーンの当事者ではなく最初に出てきた上位1%~2%の当事者だと思います(障害が重い人のほうが生きづらいのは当たり前では...)。障害(特性)が重い人ほど人間関係でのトラブルも経験していたり、日常生活でのミスの回数も多いのではないでしょうか(当たり前ですが...)。

いくら障害年金や生活保護を受給できるからと言ってその額は仕事でもらえる給料よりは少ないですし、最低限の生活しかできないです。人間は働いて周りの役にたっているという実感が無ければ自己肯定感も生まれないと思います。働かずに「生かされてもらっている、恵んでもらっている」だけというのも結構自己肯定感を削ります。「何のために生きているんだろう、社会の為になっているんだろうか」と思いを巡らしてしまいます。(もちろん発達障害当事者が働いた結果、人間関係や仕事のミスで自己肯定感が減ってしまうこともあります。)

ということで、「障害が重い人より軽い人のほうが生きづらい」という精神科医のYouTube動画に対するささやかな反論でした。


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