記事一覧
#535 変わる勇気を持つこと
今更なのですが、『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』を読んでいます。https://amzn.asia/d/boIT6k0 本書は、2013年に出版。日本におけるアドラー…
#535 変わる勇気を持つこと
今更なのですが、『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』を読んでいます。https://amzn.asia/d/boIT6k0
本書は、2013年に出版。日本におけるアドラー心理学の第一人者(日本アドラー心理学会顧問)で、アドラーの著作も多数翻訳している岸見一郎氏と臨場感あふれるインタビュー原稿を得意とするライターの古賀史健氏の共著となっています。
アルフレッド・アドラー(
#534 芸人のテレビ離れから考える職場の多様性
私が中高生時代は空前の漫才ブーム。M-1が国民的行事となっていたころ。2007年のオードリーの敗者復活からの大躍進と、翌年のサンドイッチマンの敗者復活からの大会制覇の衝撃は、今でも私の脳裏に焼きついています。
M-1はテレビ進出への登竜門。M-1をとったコンビは、翌朝の情報番組出演をきっかけにほぼ一年間休みがなくなる。自身が憧れていたテレビに出られる権利と引き換えに、自分の精神を知らずしらず
#533 『知識をアップデートする』ことは、『時代に合わせる』ことではない
中国を歴史上初めて統一した秦の始皇帝は、永遠の命を求めて水銀を摂取していたと伝えられています。瀉血(しゃけつ)は、人体の血液を外部に排出させることで症状の改善を求める治療法です。古くは中世〜近代の西欧でさかんに行われていましたが、現代医学的見地から見ると、その効果はほとんどありません。
現代医学が発達するまで、過去の治療法の多くには科学的根拠はなかったと言えます。『世にも危険な医療の世界史
#531 公教育の「ジャイアン」は何だ?
トー横キッズとは新宿歌舞伎町の複合商業施設「新宿東宝ビルの横」に集まる若者たちのことです。家庭や学校で居場所を見つけられないなどの理由で、交流サイト(SNS)投稿などを通じて都内外から集まります。薬物摂取や性被害、飲酒喫煙など犯罪や非行につながるケースもある。
2021年に当時15歳の少年が路上でホームレスの60代男性に対する暴行動画がSNSで拡散され少年は書類送検されたり、当時交際関係にあ
#530 「子ども」によって分断される社会
私は独身で子どもはいません。だから、子育ての大変さを「実感」することはいまだにできていません。若手の教員時代に、ある保護者から、「子どももいないあなたに何が分かるの?」と言われたことがあります。それを言われてしまってはもう何も言えず、一人とても悔しい思いをしたことを覚えています。
今となっては、それは自分が親になる(つまり子どもを育てる)ことについてより深く考えるきっかけとなった出来事でした
#529 自分の弱さと向き合うこと
喧嘩するほど仲が良い
という言葉があります。人は年を重ね社会に出て様々な関係性を築く中で、いつしか本質的な意味において「相手と向き合うこと」をやめていく傾向にあるのかもしれません。
私は以前友人に「相手に期待することは間違っている」という言葉をかけられたことがあります。それはある意味では「真」であると私も思います。相手への見返りを求める気持ちは、下手をすれば相手を「利用」する不純な気持ち
#528 ネガティブがポジティヴを凌駕する教育現場
教員不足という問題が世間に知られてから、それなりの月日が経っていますが、未だ解決には至っていません。
昨年末に行われた全国教職員組合の調査では全国の公立学校で3000人余の教員が不足しているとの結果も出ています。
昨年度行われた教員採用試験の受験倍率も過去最低を更新。全国の小学校の受験倍率は10年前の2013年では4.3であったのが昨年ではたった2.3となりました。
文科省は3年前の2
#527 形式陶冶という考え方
西洋の近代教育史の偉人にジョン・ロック(1632〜1704)がいます。
彼は、名誉革命を経て王政から議会制へ移行した時代にイギリスの政治、経済、そして教育に「自由主義の父」として新たな価値観を吹き込みました。
彼の教育思想の中に「形式陶冶(けいしきとうや)」があります。形式陶冶とは、「単に知識をあれこれと子どもたちに教え込むことではなく、その知識を使いこなす能力、それをさして「形式的」とい