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HSP(繊細さん)と発達障害

この数年、メンタルヘルス界隈でHSP(とても繊細な人)を聞く場面が多くなりました。書店でもHSP関連の書籍が平積みされていているほどです。このHSPは1990年代後半にアメリカの心理学者が提唱した概念で人口の5人に1人が悩んでいると言われています。

主な症状としては、

①他人の気分に左右される
②一度にたくさんのことを頼まれるとイライラする
③大きな音で不快になる
④明るい光や強い匂い、サイレンなどの音に圧倒される
⑤忙しい日々が続くと、刺激の少ない場所に逃げ込みたくなる
⑥生活に変化があると混乱する

NHK健康ch から一部抜粋

などがあり、外部の環境の変化などに非常に強いストレスを受けます。

と、ここまで読んで勘のいい読者は気づいたと思いますが、先ほど示した症状、発達障害のそれと似ている部分が多い・・・。
②の症状は発達障害に多い「マルチタスクが苦手」、③と④もこれまた発達障害に多い「感覚過敏」などなど瓜二つです。また、メンタルヘルス界隈にいる方の多くはご存知とは思いますがHSPは正式な精神疾患でもありません

私は精神科医や心理学者、公認心理士ではありませんが、発達障害の当事者としてはHSPは発達障害のグレーゾーンではないかと思っています。障害者と診断されるほど日常生活に支障をきたしているほどではないけれど生きづらさを抱えている。障害者にはなりたくないけど自分の生きづらさは理解してほしい。そんな人たちが俗にHSPと言われているものに藁をもすがる思いでいるのではないでしょうか。

ですが、私は本来発達障害やそのグレーゾーンと診断されるべき患者がHSPとされていることはよくないと思っています。ちゃんと精神科や心療内科を受診して治療を受けるほうが良いと思っています。診断されることで薬の処方や認知行動療法を受けられ、自身の考え方も変わり生きづらさも本当の意味で改善すると思います。

多くの精神疾患の方が良くなりますように。


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