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在るまでの日々

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これまで書いた中で好きな文章、 かつ読んで欲しいものをまとめました。
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日記でも書く。。

僕はもう生きていたくないです。それでいて死にたくもないです。どっち付かずの中途半端な人間です。自分はそういった人間ですよって諦めるならまだましな人間に慣れるんだろうなと思うんですけど、心の何処かで誰かが何とかしてくれるんじゃないかと淡い期待を寄せて喚くことしか出来ません。赤ちゃんなら許されるでしょうけど、僕はもう高校を卒業して、友人のなかにはもう働いている人も居るというのに、こんな下らないことを積

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東京という楽園都市

数ヵ月前、東京は風化した活気に包まれていた(これは確か太宰治のエッセイから捩った文章だったような気がするる)と書き残した。僕は今でもそう思うし、実際この思いは東京に出向かない限り変わることのない感情だ。東京は怖い。僕が住む福岡の都市部である博多でさえ人や高層ビルの多さに度肝抜かれるというのに東京なんて行った際には魂を抜かれて立つことすら困難になってしまうと思う。
東京は遠い。まるで小説の世界のよ

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平凡の中で諦めが生じたとしても、私はもう少しだけ制服のまま躍り続ける。

血溜まりの影の傍で踊っている。
今日も至って平凡で、されど心象を切り取れるだけ切り取って深々と除き込んでみれば忽ち闇という闇が目の奥先まで忍び込んできそうな、なんとも己では形容できない心模様を浮かべて、しがない夜の前で屈辱の念を枕元に垂らしながら朝を待っている。三時間。私が床に伏せ、夜の闇よりも深いところで死にかけの蝉のようにジタバタトもがき、そしてどうにもできない不安の壁をよじ登ろうとした時間で

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少年散歩。

少年散歩。

太陽はさんさんと道路を照らしていて、僕の五歩、いや七歩ぐらい先を歩いているビチッとパリッとしたスーツを身に纏った会社員の頭もついでに照らしていた。

僕も二十年後、もしくは10年後、いやもっと早いかもしれない。僕が学生の内に能無しの頭から髪に上手く栄養が行かないようになっていき気が付けば目の前にいる光景を毎日鏡の前で見ることになってしまう可能性がある。そんなことを思ってしまった僕は、先の道を歩くこ

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人間を括って、早く誰かに会いたいな

本当は自分が抱えている全部を捨てて誰かに会いたい。

けど、僕にはそんな人はいない、学校はもちろん。ネットにもいない。

欲しい、気軽に会える人が、

なりたい、気軽に会えるような人間に。



明日から学校です。

天井に呟いてみるが当然のごとく一人芝居に終わり、己の滑稽さには胸が詰まる。



誰かに会いたいな。

誰もいない部屋で呟くと余計に苦しくなり、隣に誰もいない事を深々と思い知らさ

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貴方の心が僕の笑えない日常を変えてくれた

貴方の心が僕の笑えない日常を変えてくれた

おやすみを天井に告げ、僕は一人静けさの中で今日という日を終える。

毎夜、こんな感じで暮らす。家の中には僕以外にも3人の人間が住んでいるはずなのに何故、こんなにも一人で生きている気持ちに苛まれるのか不思議で仕方なかった。

からっからの布団を首根っこまで掛けて静かに瞼を閉じる。そう、僕はいつもこんな感じですと夢の中で語ろうにも最近は夢すら見れないありさまで、とうとう、僕は人間という物に嫌われている

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夏が溶けて、秋が芽吹くはずだった日の夜

夏が溶けて、秋が芽吹くはずだった日の夜

雨流る秋に佇む夜の端に僕の家がある。
そこには小さな光を雨伝う街に映しながらコーヒを片手に机に向かう人間がいた。そう、それが僕だ。

すっかり、街は秋の雨を落とし少し前までのじめっとした空気感はなかった。

天井には湯気が現を抜かす。
僕はまだ熱が冷めきっていない珈琲カップに口を付け流し込む。まぁ高々17の身で大人っぽい事に手を出し始めたのは少しばかり後悔することがある。はっきり言うと、僕は珈琲は

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ズタボロでも歩きたかった、焦げた匂いのする街。

ズタボロでも歩きたかった、焦げた匂いのする街。

今日も目が覚めると昨日と同じように机に座っていた。

僕の夏休みは一体どこに?

自室には砕け散った思い出が所狭しと広がっていたのを思い出しながら一日を終える。今日も疲れた。こんな毎日じゃ思い出に浸る暇もない。

僕は13時を迎えると一番に地獄から抜け出しては自転車にまたがっては坂道を転がる。今の夏の風は思いの外気持ちが良い。しっかり安全運転で家に向かう。時折すれ違う子供想い馳せてしまう。僕も、無

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朝、木漏れ日の差すワンルームで私は自由を手に入れた。

朝、木漏れ日の差すワンルームで私は自由を手に入れた。

高架橋の下の道路に木漏れ日が反射して私の家の窓に入ってくる。そんな夏休みの早朝。

ここは東京の崖っぷちで狭いワンルームアパート。
けれどここは、やっと己で手に入れた自由で、私にとっては十分すぎるほど広くて住みやすい所だった。

瞼が度々くっつきそうになる、まだ眠いみたい。
私はベットからフローリングに転がり込み千鳥足で珈琲を作るべくコーヒメーカーまで向かった。

ひんやりとした空気を浴びて目が少

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鬱蒼とした空間から抜け出して一人で夜の田舎を歩く。

鬱蒼とした空間から抜け出して一人で夜の田舎を歩く。

人の笑い声とか一度泣けば空間を支配することの出来る奴とかベロベロなって頬を赤らめてダルがらみする奴を横目におだてる奴とかで溢れた部屋に僕は来てしまっている。

本当は行きたくなかった、会いたくなかった。

それでも僕は親に言われるがままに連れていかれるがままに、ここに座っている。目の前のテーブルにはおばあちゃんが出前を取ってくれたのであろう寿司があって隣にはピザが鎮座していた。

何故だろうか、僕

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朧げに下る街路樹と踊りだす雨と僕

朧げに下る街路樹と踊りだす雨と僕

鬱蒼としてじめったい歩道にはポツポツと髑髏が転がっており、天井にはまん丸い月があって僕の街を照らしていた。

そして、僕はそんな街をのらりくらりと歩いた。



夜が次第に深くなる。
遠くのほうに聞こえていたはずの猫の鳴き声も近くなる。

今、僕は街の端を歩いている。遠くには海に浮かぶ島があって届くはずのない手を伸ばしては緩やかに手を引っ込める。次第にポツポツと雨が降ってきては雨特有の匂いが一帯

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さよなら、イチリンソウ

あの花の残り香はとうに褪せて、今部屋に立ち込めるのは悲しい煙の臭いだけであった。

私は右手には煙草を左手にはバイト帰りに購入してきた缶ビールを握りしめていた。部屋は散らかり教材とゴミが混ざりあって私の探し物は見つからないのも仕方ないと言えるものになっていた。この状況を作り上げたのは他でもない私であって責め立てるべき相手も私のみだった。彼は悪くない。

私はそそくさと立ち上がり部屋の明かりを閉じる

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僕の心とあの子は何処に消えて、もう探せない。

僕の心とあの子は何処に消えて、もう探せない。

雨がぽつぽつと音を立て傘を滑り落ち肩に少しのシミを付けながら地面に落ちる。足をくるくると廻すごとにシミが大きくなることは分かっていたけれど、僕はまだ街を彷徨う。

最近は雨ばかりが降っている。
雨とともに街を揺らして過ぎ去る風にゆらゆらと身を委ねていた。すると、目前にウサギが二匹現れて楽しげに僕には理解できない言葉を交わしている。
聞きたくもない言葉に耳をふさぎながら静かにすれ違い、そして後ろを振

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自分の意思とは正反対に動いて行く体を....

自分の意思とは正反対に動いて行く体を....

「○○って空気読めないよね」

って集団の中の一人が口を開くと頷いて自分の感情とは真逆の反応を示す。本当は思っていないのに周りに合わせて自分の考えを他人に委ねてしまう。

とりあえず頷くこと。自分の中で排除すべき考えも頷いて、いつしか自分の考えも忘却する。そして、自分を探して堂々巡りを行ってしまう。

けれど、頷くというのは人生を楽にしてくれる。本人が頷くだけで事が進んで行って、気が付くとゴール地

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